水色の傘を畳むと一面に水滴が溢れていた 梅雨の雨滴の物理定数には地球の重力が つまり地球の質量が含まれている そして右腕に入れた力による遠心力で雨滴は振り落とされる 振り落ちる水滴はまるで私たちの命のしずくのよう 何時か必ず振り落とされる私たちの中には、つまり地球の質量が含まれている 命のしずくの奥底に 快楽や情緒や思想しか見いだせなければ 見ようとしなければ しなければ しなければ 雨滴はまた地球に降り注ぐのだろう