尻まである太い黒髪
肩を隠す白い帽子
成人男性より大きなシェパード
姿勢正しく見渡す背筋
福島原発事故から流れ出た放射線にも似た怒りを覚える
無意識無策、周りからの言葉で染め上げられたからだろうか
染め上げられたのにも関わらず、自尊心と錯覚しているからだろうか
我が子を失うかのような、ハンドルが歪むような緊張が体に走る
放射線のように無臭透明なのに世間を汚しているからだろうか
何時の間にやら放射化して中レベル廃棄物と錯覚したからだろうか
何十年も苦闘してきた怒りに、多重防御と冷温停止を試みる
寝不足、昨日の怒り、イラつく原因、不甲斐なさ、など幾つもの緊急停止システムを入れ込み
客観化、社会化、個別化、唯物化、幼稚化、など幾つもの冷却水を流し込む
100年に一度の想定外が私の身に降りかかるか、それとも降りかからぬか
等しく立たされ、等しく無くなる