季節外れの蒸し暑く寝苦しい夜
幼児を寝かせていると、耳の上の髪の毛一群が、急にそばだった
「本当に私は消えてなくなるのか」
という胸の奥からの声に沸騰したかのように
マグマの如く脳内が焼け爛れたようになり
どうしようもなくなった
どうして、この幼児のように死を考えないように生きられないのだろうか
死を第三者の死に追いやり、身内の死さえ悲しみだけで終わらせてしまう生き方があるというのに
一人称の私の死が全てを停止させる、という考えを持たない生き方がどうして出来ないのだろう
この肉体の老いは今後も深まっていく
年金や保険の話をすれば、死は避けられないかのような扱いである
ローン、消費、節約などの計算が何時か止まるが、肉体の停止である、と結びつけない生き方が、あるというのに
マグマの沸騰が私に詩を書かせる
詩だけが死を慰めるものなのだから