ものかき部

MAILBBS

「 ただの残り滓でさえ、あったのなら 」
2014年09月15日(月)




 いつまで書けるのだろう


 夢の中で大冒険から生還してきて、の祝賀会の場面。

 車椅子の老人が、「ガンバッ・・・」 と指先で、なぞった

 「テ」と動かした指を見て、「クダサイ」は容易に想像できた

 車椅子の老人のペースは遅い。遅すぎる

 祝賀会から退席する最後にメッセージだった

 誰もが次に移りたがった


 その老人のペースの遅さ、祝賀会の健常者のペースの普通さ、大冒険の達成の速さが何であろうか

 老人、健常者、冒険者は私なのだ

 夢の中だから全員、私であり、

 同時に、現実でも全員、私である

 
 いつまで老人のように書けるであろうか

 いずれこの肉塊は塵に返る

 このことば集とて、膨大な情報の塵になっていくだろう


 
 息苦しい夢を見ると、起き出せない

 夢の中で金縛りにあっていて、それを自覚している

 そんな風に死後の世界があったのなら、せめてもあったのなら

 塵を見つめるだけの、ただの残り滓でさえ、あったのなら

 

 書き記し、眠りに戻ることにする
 


BACK INDEX NEXT

複製、無断転載、二次配布等を禁じます。
All Rights Reserved©ものかき部

My追加