いつまで書けるのだろう
夢の中で大冒険から生還してきて、の祝賀会の場面。
車椅子の老人が、「ガンバッ・・・」 と指先で、なぞった
「テ」と動かした指を見て、「クダサイ」は容易に想像できた
車椅子の老人のペースは遅い。遅すぎる
祝賀会から退席する最後にメッセージだった
誰もが次に移りたがった
その老人のペースの遅さ、祝賀会の健常者のペースの普通さ、大冒険の達成の速さが何であろうか
老人、健常者、冒険者は私なのだ
夢の中だから全員、私であり、
同時に、現実でも全員、私である
いつまで老人のように書けるであろうか
いずれこの肉塊は塵に返る
このことば集とて、膨大な情報の塵になっていくだろう
息苦しい夢を見ると、起き出せない
夢の中で金縛りにあっていて、それを自覚している
そんな風に死後の世界があったのなら、せめてもあったのなら
塵を見つめるだけの、ただの残り滓でさえ、あったのなら
書き記し、眠りに戻ることにする