読まれた方もおられるでしょうが
奈良県室生村で草餅店を営む奥本オハナさんは、大正2年生まれの90歳。 女人高野の名で知られる室生寺の石段700段を、 40年ほど前から毎朝のぼりおりしてきた。名刹は自宅の川向かいにある。 昭和35年に夫に先立たれた。毎日通うようになったのは、その数年後。 3人の子のうち2人を失った。最初が次男で16歳だった。 中学に通えないまま逝ったのが不憫だった。 間を置かず長女が35歳で逝く。がんだった。 20代で発病し嫁入りさせてやることもできなかった。 子どもに先立たれる悲しさは夫を失った痛みの数千倍に感じられた。 ろうそくとマッチをいれた紫色の小袋を袈裟かけにして、 参道入り口の太鼓橋をわたるのが朝の4時半。 朱塗りの無常橋を渡った所でやかんに岩清水をくむ。 参道脇に点在する石仏を巡ってろうそくをともす。 その先に待つ390段の急坂は、手すりをつかみ 「南無大師遍照金剛」と唱えながら挑む。 石段を登り切ったところが奥の院。 お堂の端に正座し7分かけて般若心経を唱える。 山を下りる途中、ほうきでゴミを掃き賽の河原で地蔵さまの台座をふく。 全工程にいつも1時間10分かかる。 一般の参拝は午前8時からだが、寺務を取り仕切る財務執事は 「深いご信心の表れだから」と例外扱いにしている。 オハナさんは折々の感想を便箋に記す。 その中でとびきり伸びやかな筆で書かれたページがある。 「早朝澄んだ空気を存分に吸いながら歩く心地よさ。 動物も踏んだことのない雪を一番に踏んで歩む喜び。 これをだれも止めることは出来ない。 一筋の道を行く我が人生はすがすがしい又楽しい」
この記事の方は子どもさんの人生を貰われたのだろうか。 いろんな人生があっていろんな人がいて。 敬老の日が近づくとこういう記事が目に付く。
私もどう生きたらいいのか・・。
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