土方聖架の日記

2003年04月13日(日) 悲しいけどこれって戦争なのよね

イラク戦争については、あまりえらそうなコメントはできないでいる。

戦争肯定か反対か、と言われたら反対なんだが、それは「迷惑だし見てて痛いから他の方法でお願い・・・」という、見事なまでの無責任第三者視点な考えから来るのだ。最初にクゥエートに侵攻したのはイラクだし、その後の国際協定を守ってないのもイラクだ。しかしアメリカの戦争への姿勢も強引で引く。大量破壊兵器の廃棄も「アメリカに言われても・・・」の世界ではある。国際協定とはいえ内政干渉といえばそんな気もする。戦争反対、とは思っても「アメリカ支持」とは言いがたい。そもそも戦争反対の論拠が事実関係から考えた結果じゃないからそこが強くいえない。

要は日本人はあまりにも蚊帳の外なのだ。せめて被害が最小で終わるよう祈るほかはない。

しかし本日の新聞では、この地域の歴史好きとしてコメントできる状態になってしまいました。

イラク博物館略奪される

あああああああああああああ。
独裁体制下において息苦しかった民衆が無政府状態でタガが外れるのは、どの国でも大なり小なり起きる現象で、それに関しては早く目が覚めてほしいと思っていた。

だが、自分の民族、国家のある土地の誇りと言うべき遺産を、自らの手で散逸、破壊するのは、かなりちょっと待って欲しかった!

まだ金と換金する目的ならいい。キズでもついたら値が下がるだろうから大切にするだろうから。

問題はガメるだけのために取った場合。素手で触った時点で私なんかは悲鳴を上げるようなシロモノをドサクサにまぎれて突っ込んだりしたときの惨状は本気で想像したくない。最悪なのは壊すために手に取られた場合である。粘土板とか傍目にガラクタに見えるものが叩き割られてていたらと思うと気が気でない。(私は「ギルガメッシュ叙事詩」が好きでこの地方に愛着を感じてるのでな・・・)

突き放していえば、こうした破壊も「歴史」ではある。ピラミッドやコロッセオの大理石が住宅建築材としてむしりとられたことも、「もったいない」といくら思ったところで今となっては「歴史」である。あるがままに受け入れるしかない。

ただ、住人が目の前の生活のためにその住人自身の偉大な歴史の欠片を損なったことが悲しいのだった。あう。


・・・早く収まってほしいものです。


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