月。
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2003年11月05日(水) 悲しいことなど何もない。

昨夜 数ヶ月ぶりに 彼がやってきた
当然のことながら 酔っ払って

顔が見たくなったから

そう言って玄関先で私を抱きしめる
すっかり馴染んだ身体がゆるゆると彼を受け容れる

今朝 右の肩下に
濃い紅を残していった
身体で私を欲してくれることが
うれしく思えた

それでもこころは動かない
こころと身体はいつもバラバラで
そんな自分を嫌悪する

さっき
思いもよらないタイミングで
あのひとに逢ってしまった

さ わ る な

そんなオーラが出ているようで
声を掛けられなかった

胸がギュウと締め付けられる
悲しい

あのひとは
私が居ないのも同然のように振る舞い
私の目の前からするりと逃げる

何もなかったことにしたいのなら
はっきり言葉に して欲しい

仕事のせいじゃない
あのひとの想いがもう私に向かっていないだけ
それがはっきりとわかったような気がした

壊れてしまった たいせつな気持ちは 修復することはなく
誰かを想うようになっても 結局はめちゃくちゃに壊してしまいたくなる
永遠なんてありえない そうやって私は逃げる 逃げ続ける

あのまま一緒に居られたとしても
いつかは自分で壊してしまうのだから
悲しいことなど何もない


杏 |MAIL

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