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| 2004年06月16日(水) | Re: Winnyの話 |
掲示板に書こうとしてあまりにも長かったのでこちらに書きました。すみません。
僕はCDシングルがアルバムと同じ大きさになったのは流通に乗せる際の合理性やとマキシシングル(｢シングル以上アルバム未満ですよ。お得ですよ｣というアピールも)の台頭、そしてデザインのしやすさというほとんどが売り手作り手の思惑が働いての事だと考えます。それとマキシシングルの大きなケースが並びはじめた頃、CDシングルの棚に置かれたそれは大変目立っていた記憶があります。その広告性も理由の一つだったのかも知れません。消費者も扱いやすさ(ポキッと折れてしまう上汚くなったし)の恩恵は授かったのですが、ほとんどが業界主動、出す側の事情だった様な気がします。
僕は音楽にはいくつもの構造があるべきだと思っています。乱暴に言うと多くの人が聴く、メロディーラインや歌詞などの大きな筋の部分(この部分は圧縮された音楽等でも伝わるであろうと思われます)とそれ以外の部分です。作り手側はラジカセやミニコンポで聞かれる事も想定しつつさらに大きなスピーカで聴かれた時に荒が出ないようなこだわりや気配りをします。しかし現状パソコンに大きなスピーカをつないでいる人が少ない現状ではダウンロードされる音楽にとっては、その努力も無駄な部分ともいえます。聴く人のほとんどはそこを聴いていないのだとしたら高尚ぶった自己満足かも知れません。でもそこを削ると一気に作り手のモチベーションは下がってしまいます。音楽が出来なくなります。
ネットで音楽を聴いてもらうことについても随分考え、たくさんの人が聴いてくれている現状も嬉しい限りです。みんなの回線がある程度の速度でつながって、ネットで曲を配信できればそれが一番純粋なのではないかと考える事もありました。しかし最近少し考えかたが変わってきました。
パソコンをさわりはじめてもうすぐやっと二年になります。そんな僕が言うのも変ですが、僕が若い世代の人と話をして驚くのは、学校でインターネットやパソコンの授業がある世代でありながら音楽をダウンロードした事がなかったり、｢Windows97｣と言ったりする人たちがとても多い事です。そしてパソコンを持っているのにネットにつないでいないという人もやはり多いです。ネットが身近にある僕が今の立場で考える以上に｢IT革命｣は浸透していないようです。
YahooBBが立ち上げ当初、｢サポートはネットやメールでやる｣と言って電話の窓口を設けなかった時期があったようですが、もしかするとYahooBBの人にはダイヤルアップの接続環境すらない一般の家庭や、テレビとビデオをつなぐのに街の電気屋さんを毎回呼ぶ家庭を想像する事ができなかったのかも知れません。そんな家庭に音楽が来る時は、やはり形のあるCDの様な形で来るのかなと最近思うようになりました。知らないうちに世間の常識から逸脱していたのかもしれない。だとしたら、多くの人に曲を聴いてもらおうとする人間として怠慢のそしりを受けてもしかたないとも思いました。
浅知恵かもしれませんが、多くの人がデジタルメディアに移行できるかどうか…それには録画機器としてのハードディスクレコーダがひとつの踏絵になると思っています。望もうと望むまいとラベルを書いてβやVHSのテープを並べていた世代が、大容量のメディアに多くの番組をため込む事で安心できるのか？便利さがこの壁を越えるのか？
補足:ブロ-ドバンド環境であればCDに収めない事でCDよりもより良い音で配信することも可能になるはずなんですが、世はそう動いていないようです。取りとめもなくてすみません。