キノオモムクままに

2003年01月18日(土) ウソなんてついてなんぼだと思ってる?(完結編 とある男の話)

ウソで塗り固められた人。
だったのかもしれないね。

確認できないのが残念だけど









「その日ちょうどライヴがあんねん」

「ライヴ?」

「そう。横浜アリーナでアマチュアバンドが何組か集まって
 それで、そこで大会みたいなヤツを開くんよ」

「出るってことだよね?」

「うん。デビューの話あってん」

「え?すごいじゃん?!」

「せやけど、麗奈☆に会いたいしな」

「てか、普通に無理でしょ。何いってるの?(笑)」

「いやいや、ホンマに」

「だめだって」

「じゃあ、ライヴ終ったら電話するわ」

「うん。じゃあ待ってる。がんばってね」










数日後、
とんねるずのみなさんのおかげでしたで見た告知

”野猿ライヴ 横浜アリーナ ○月××日”





え?
何?
なんだって??

野猿?







さっそく電話。


「もしもし?」

「もしもし?あの。。」

「ごめん。今バイト中やんか。せやから。。」

「あ、そうなんだ。ごめん。じゃいいや。またね」





次の日電話。


「電源が切れているか、電波の届かないところにいます」

家は電波が届きにくい。
以前に何度もかけてやっと通じたってこともある。
だから、それだなって思ってて





その次の日電話がかかってきた。


「もしもし?」

「もしもし?俺やけど。。」

「うん」

「あんな、俺、学校やめんねん」

「え?どうして?」

「行ってても意味ないと思うねん。つまらんし。成績も悪いし
 せやから、働こうと思ってんねん。オヤジの会社の関係で」

「学校、あたしは楽しいけどな。お父さんの会社関係?」

「うん。大工になろうかと思ってんねん」

「そうなんだ。へぇー」

「来週の水曜日から働くねん。朝から深夜まで」

「大変だね」

「せやから、あんま電話とかできんと思うねんけど。。
 あとな、電話もあんま出れないと思うねん。
 ごめんな。できるだけかけるようにするわ」

「いいよ。大丈夫」

「今な、退学届出しに行く途中やねん」

「え?!そうなの??」

「また、かけるから」

「うん。またね」






数日後、あまりにも電話がなかったために電話をかけた。


「もしもし?あの。。」

「あ”?。。。。」

「あのさ」

「もしもし?あ”〜〜。。。」

「ごめん。もしかして寝てた?」

「え”?あ”、うん。めっちゃ寝てた」

「そっかぁ。ごめんね。。。あのさ」

「あ”〜ごめん。あんな、また今度にしてくれへん?」

「うん。わかった。ごめんね」

「ごめんな。こっちからかけるから」








それから何度も電話かけたけど
大抵、電源オフか電波の悪いところ。
やっとかかったとしても出ることはない。

もちろん、かかってくることもない。



















とうとう当日。

言うまでもなく、
約束の電話はかかってこなかった。



















ウソだったんだよね?

ライヴも 電話も 電波も 学校も 大工も





























そして、あたしを好きなことも


 < 過去  INDEX  未来 >


麗奈☆ [BLOG] [MAIL] [BBS]