Dance日記帳
モクジキノウヨクジツ


2006年03月07日(火) 追懐

僅かずつ、渡米の準備。
去年はイタリアに行ってしまったので、2年ぶり。
今回はMDSのメンバーも一緒の賑やかな旅。

事前情報は抜かり無く。
現地のダンススタジオの情報をネットで調べた。

私の古巣のスタジオは、いくつものスペースがあり、同じ時間帯にいろいろなクラスレッスンがある。
事前にタイムテーブルを調べ、どの時間にどのクラスを受けるか、計画しておかなければ現地にて混乱する。

パソコンの画面に映し出された文字を見つけ、驚喜した。
何かの間違いだろうと、何度も読み直した。
そこに記されている文字は「Marta」という懐かしい文字。
まさかと思いつつ、インストラクター一覧をチェックする。
間違いがない。「Cecilia Marta」と、顔写真までがはっきりとブラウザに映し出された。
思慕の想いに、胸が熱くなる。

NY留学を心に決めた大きな理由のひとつが此処にある。

10代の終わりにジャズダンスを始めることになった私は、彼女に出会った。
忘れもしない新宿のシアターで、手伝いの合間、リハーサルを垣間見、彼女の躍動を目にして、全身に鳥肌が立った感触を今も新鮮に覚えている。
クラシック出身の私は、何処かでジャズへの理解を拒否していた部分があったのだ。其れを全て打ち砕く、其のような衝撃的な踊りだった。
柔らかく、しなやかで、そして、強靭な。「美しい」だとか「カッコイイ」だとか、其のような稚拙な言葉では言い表すことができぬ、何やら、凄いものを感じ取った。

その日から、彼女はずっと私の中で不変のGoddessとなった。

当初NYに渡った直後は、恐れ多くて彼女のレッスンには参加できず、窓越しにレッスンを眺めては「いつかは、このクラスに入りたい」と切望を続けた。
彼女のクラスに参加することができるようになったのは、渡米して1年近くかかっていたように思う。

夢中で日々、彼女のレッスンを受けまくった。
彼女から吸収できるものだったら、何もかも欲しかった。
此のうえない敬慕。

今の私のダンススタイルは全て彼女がルーツ。

私の帰国のあと、数カ月して、彼女は活動を西海岸に移してしまった。
そして数年、彼女の消息はつかめず。
囁かな噂のみが流れていただけ。

あれから10年以上が経過し、心の何処かで思慕は募らせど、もう二度とあの時が戻らぬように、もう二度と彼女の踊りを見ることも、そして、彼女のレッスンに参加することもないのだろうと諦めていた。

15年ぶり。
今度の旅で彼女に再会できる。

この興奮と喜びをどう表現して善いのか、其れさえもわからず戸惑うばかりだ。
渡米が本気で待ちきれない。


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