Dance日記帳
モクジキノウヨクジツ


2006年03月10日(金) 失いそうになってわかること

いつも、どんな時でも、片時も離れることがない。
其れは、まるで「存在して当然」のものであって、馴染み過ぎている。
失いそうになる、その時になって、初めて、其のものの、大切さ、存在の大きさなどを痛感するのである。

何度、痛い目にあったとて、学習能力の希薄なことよ。


忙しい時だからこそ、体調の管理は格別に考えないとならない。
人間だから、忙しくなれば、体調を崩し、病気になることもあれば、慢性の疲労が祟って怪我になる場合もある。
焦点が決まっているからこそ、それに合わせ、全ての具合を整えていかないとならないのだ。

「忙しいから時間がない」は私にとって最悪の言い訳。
「忙しいからこそ時間を作る」が好き。
忙しいからこそ、逢いたい人や、忙しいからこそ、遣りたいことというのがあって、其れらが実は人生にとって必須だということを識るのだ。

今、忙しいからこそ、僅かな時間でもトレーニングに行くようにしている。
ストイックなのが好きなのではない。
最終目的地にて、最高に楽しむために、今、身体の管理をすることが愉しいのだ。
試験の結果を楽しむために、日々の地味な勉強を楽しむようにするのと同じなのだろう。

さて、其のような時であっても、片時として傍から離すことがない。
iPod。
コイツは、『相棒』とでも言えるほどの関係でもある。
古代の2世代iPod。ずっしり大きくて重くて。でも、レッスンの曲から、今後振付けを予定している曲から、モー娘。も、愛する林檎も全てがコイツの中に入っているのだ。
移動をする時も、整体の治療の時でも、チャリに乗っている時も、いつも何時も、一緒だ。

事件は勃発するものだ。

日舞の稽古の前に、1時間ほどストレッチとマシントレーニングをしようとトレーニングジムに寄った。
トレーニングシューズを履き、いつものようにマシンに跨がり、iPodを。
何故?何が起きたのだ?
画面が映らず。
いろいろとボタンを押したり、電源を入れ直したりと、やってみるが無駄な努力。

其れこそ、何の理由も前立てもなく、突如熱愛中の彼氏から別れを切り出されたかのように自失呆然。

冷静に考えれば、「買い替え時」だというのは良くわかる。
今や小さい可愛いシャッフルやら、薄くてチャーミングなnano、動画までが満喫できるiPodもあるのだ。
既に市場に出回る「iPodケース☆」だとか「iPodアクセサリー♪」みたいなものの対象は、この新しいスタイルのものばかりで、私の古代iPodなど「ブラウン管のテレビですかー?」みたいな扱いだ。
いい加減買い替えてもいいだろう。十分愛用したわけだし。
と、考えるのだが。

古女房ならぬ、古iPod。
諦めきれぬ想い。

稽古が終わり、自宅に戻り、ネットでトラブルシューティングをチェックし、必死にあれこれと試してみる。
試行錯誤の数時間。
「ピッ」という妙な音とともに復活した古iPod。

この喜びを忘れまい。
どんなにPrettyなケースやアクセサリーが出回っていて、それに対応しない古い機種だろうと、私は、この分厚い、重苦しい、古iPodをこの先も愛し続けるだろう。

失いそうになって、この厚みと重みの愛しさを知った。
復活した時の安堵感。
何時も、傍らにいるからこそ、気付かぬ存在の尊さよ。
明日もまた、稽古場までの道のりを供に。
哀しい時も、嬉しい時も、車の中も。

もっと違う話を期待していた人、残念でした(笑)


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