イワッチの夢を見てしまった。しかもシリアスな方のイワッチだ。好きには好きだが、そこまであの白くて長くてくねくねした奴を好きだったかと思うと自分がちょっとアレな感じもする。アレ。 さて、一部にしかわからない独り言はおいといて。
「ヤバイ」という認識は必要だとしても、必要以上に生系サイトの管理人さん達を萎縮させるのはどうか、と早瀬は思い、実際問題として何がどう「ヤバイ」のか、法律系のサイトを巡ってみました。関係してくると思われるキーワードは、主にこれです。
1.パブリシティー権 2.名誉毀損
1は、「自己の氏名・肖像について対価を得て第三者に専属的にその使用を許諾する権利」とされています。つまり、芸能人は、氏名・肖像による顧客吸引力のためにそれ自体が財産的価値を持ち、財産権の一側面として保護されるのであり、この財産的な利用をコントロールする権利がパブリシティー権ということになります。芸能人等の氏名や肖像を経済的に利用するときは本人等の許諾が必要だということで、ライブ会場の外で売っている海賊版グッズは、この点において本人を含めたオフィシャルな利益を侵害しているのです。これに対しては、損害賠償及び差止請求(もう作っちゃ駄目という裁判所の命令)が認められます。 今のところ、この権利の侵害はオフィシャル無許可のグッズ類に判例が限られており、同人関係は扱われていません。が、問題はこの「経済的利益」です。 ここからは早瀬の個人的な見解ですが、自分がこのジャンルを始めようと思ってオンラインのみにした理由の大きな一つが、これなのです。 「お金を取らない」。 利益を得るのではなく、あくまでも個人的な楽しみを同好の士と楽しむためだけのものにする。たとえ赤字だとしても、「お金を取る」という行為に危険性を感じたので、こういう形態にした訳です。ここは、特に「絵」をメインにされているサークルさんに関係していると言えます。
参考URL: http://www.takahara.gr.jp/contents_law/00sub/27chiteki/12.htm
次に2ですが、ここで言う「名誉毀損」には刑法的なものと民法的なものがあります。結論だけ言えば、少なくとも同人屋が刑法上の「名誉毀損罪」で検挙される、という可能性はかなり低いです。これは、刑法と民法の性質上の違いから来ています。刑法は「制裁」という意味合いがあるのに対し、民法は「被害の修復」を目的としているのです。従って、刑法的には無罪でも民法では「不法行為」が成立し、あるいは損害賠償が認められるというケースがあり得ます。生系同人屋が抵触するとしたら、民法です。ちなみに、憲法は国(及びそれに準ずる権力的組織)と個人との関係において個人をいかに保護するかという主旨のものなので、同人屋と本人(最悪そこまで行った場合、ですが)という「私人関係」(権力的に対等な人間同士)では、民法が適用されます。 民法での「名誉毀損」という不法行為の規定は、その「人に対する社会的評価」を低下させる行為をいいます。その行為によって現実に人の社会的的評価を低下させたことまでを必要とせず、社会的評価の低下を招く危険性を生じさせたことで足ります。 ただし、類型として
A 具体的な事実を摘示する行為(事実摘示)
B ある事実を基礎としての意見ないし論評を表明する行為(論評)
となっており、言ってみれば「噂の真相」的な事実関係を巡る表現のみが想定されています。同人という「フィクション」は想定外なのです。
参考URL: http://homepage3.nifty.com/umelaw/meiyo.htm
この点については、アメリカの判例文も参考になるでしょう。(以下引用)
俳優等は、「もともと自己の氏名や肖像が大衆の前に公開されることを包括的に許諾したものであって、(…中略)それだけでなく、人気を重視するこれらの職業にあっては、自己の氏名や肖像が広く一般大衆に公開されることを希望(…中略)しているのが通常」であるから、俳優等が自己の氏名や肖像の無制限の使用を理由に精神上の損害賠償を求め得るのは、「その使用の方法、態様、目的等から見て、彼の俳優等としての評価、名声、印象等を毀損若しくは低下させるような場合、その他特段の事情が存する場合(…中略)に限定されるものと言うべきである」(引用終)
参考URL: http://www.imasy.or.jp/~ume/copyright-ml/inetmag/internet-magazine-1996-09.html
最大の問題点がここにあります。つまり、「その使用の方法、態様、目的等から見て、彼の俳優等としての評価、名声、印象等を毀損若しくは低下させるような場合」。また民事では、「名誉感情」を害された場合にも不法行為の成立を認める場合がありますので、 「名誉感情の侵害」 「俳優等としての評価、名声、印象等を毀損若しくは低下させ(る危険性を生じ)た」 この2点が、抵触可能性が高い部分です。「関係者禁」の重要性はここにあります。 なお、損害賠償額は50万円を越えればよい方だと言われています。生々しい話、この程度の額を得るために訴訟を起こすリスクを犯すかどうか、という点に、生起可能性を左右するポイントがあります。 早瀬の基本的な立場は、「自分の頭というフィルターを通したものにまで規制を加えられるような事態は避けたい」です。絵であれ文章であれ、一旦自分の頭を通し、自分の手で再構成したもの、まして営利目的でないものにまで、法的な介入をするというのは、ちょっといかんだろうと。そのために今、「理念型フィクション」(Idealtypus Fiktion)という概念を構想しています。 この話題、続きます。
|