カンラン
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2002年03月11日(月) 行方。

みるみるうちに,
私の机横に置かれたダンボール箱が
書類でいっぱいになってきてます。

ここが正念場のはずなのに,
圧迫感に耐えきれず
映画や本,さらにはマッサージにまで
思いを馳せる現実逃避な日々。


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先日もらったバラの花,
ドライ・フラワーにすることにしました。

早くも,です。

ようやくつぼみが開いてきてる
今が一番きれいな状態。
ドライにするのはまだ先でいい,ってことは重々承知の上。
きっとまだまだ生花として楽しめるんでしょうけども。

でも,私,実はあんまり花が好きじゃない。

切花,苦手なんです。
見てると苦しくなるから。
同じ部屋の中で日に日に弱っていく姿,見たくない。
死臭が少しずつ漂ってきそうでこわいのもある。

お母さんが気を利かせて時々いけてくれるのも
気持ちは嬉しいんだけど,
きれいなうちにキッチンにそっと返しておいたりします。
「あら,この花きらいだった?」とか
「もう飽きたん?」とか訊かれても,
うまく説明できないので
「そんなことないけど・・・。」と答えてばかりです。



妄想,ひとつ。
もしも私が花屋さんにたくさんの花たちと閉じこめられたら・・・
気が狂うと思う。
まわりでぐったり首を垂らす花たち。
状況は悪化する一方で。
空間を満たすにおいまで想像できてしまう。



最近気づいたんだけど,
私の部屋には死骸が多い。

所在無げに壁にかかってるドライ・フラワー,

あちこちに配置された珊瑚や貝がら,

台風明けに近所の川原で拾ってきた流木,

たくさんの花の写真。

私の部屋の中,そんなものがいっぱいです。

かつてはいのちに繋がっていたものたち。
もう死なないので安心してられる,
と言ったら不気味に聞こえるかなぁ。

動物って死んだら
臭くなって,見るも無惨な姿になる。


去年の夏,
書類棚の上から落っこちてきた蝉は
今でも職場の植木鉢の中にちょこんと居座ってる。
私は虫は苦手なんだけれど,
時々,おそるおそる見てしまうその姿にいまだ変化はない。
じいじい鳴いたり,
ぜんまいが巻き戻るような音を立ててばたばたすることは
もうしないだけ。


「生まれ変わったらお金持ちになりたい。」とか
「フランス人になりたい。」っていうのと同じように,
私は,次は,
死んでもこわくない,おそろしくないものになりたいと思う。



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いのちを感じられる
外で咲いてる花は好きです。
高い木の枝で風に揺られながら咲いてる花だとか,
見てるのすごく好き。
こっちまで気持ちよくなって
見上げていると,
つられてゆらゆらしてしまいそうです。




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