カンラン
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2002年03月14日(木) ブルウ。

私のアルバムはすごく頑丈で

水の中に沈めても

火の中に投じても

かたちをなくすことなく

いつも同じように

ここにある



大事は大事なんだけど

ときには

なくなってしまえばいいのにと思う



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思い出の公園を背中に

ご飯を食べた。

お店の大きくて透明な窓ガラスをうらめしく思った。

大きくて透明な窓ガラスをぴかぴかにみがきあげた

お店の人をうらめしく思った。


今日は雨降りだというのに。



「すごい雨が降ってる!」と

「見て,犬がずぶぬれ。」と

私をふりむかせるような

悪意のかけらもない,

何気ないことばをつくり出す口に

一秒でも早く

あつあつのピザをほおばらせてしまいたいと思った。


今日も雨降りだというのに。



一雨ごとに暖かくなっているこの季節が

突然いじわるに思えた。

あわてたように逃げていく寒い冬が

もう一度戻ってきて

この時間のこの一帯を

一秒でも早く真っ暗にしてしまって,

窓にはこちら側の様子を映して欲しいと思った。


今日も雨降りなんだから。



夏服を着て傘をさして

藤棚の下に立ってる私が見えるような気がした。



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