カンラン 覧|←過|未→ |
ずっとずっとむかしから。 せっかく 欲しい欲しいと思って仕方なかったものを手に入れても 大切にしまって時々ひとりでこっそり眺めて楽しむ そういう子だった。 そしていまもきっとそう。 いつかの日のため。 情熱が 私とたからものとの空気に包まれ 後押しされている間に 思いっきり楽しみを享受してしまえばいいのに。 いいにおいのする消しゴムもそう きれいな石の入ったネックレスもそう おいしそうなろうそくもそう かわいいポストカードもそう やわらかな皺のよった上等な紙もそう かいがらのような色合いのマニキュアもそう きれいな包みにくるまれたお菓子もそう。 情熱は消え たからものは行き場をなくす。 ・・・そういえば ほっぺたの袋をふくらませたまま死んじゃうリスっているのかな。
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