カンラン 覧|←過|未→ |
ふと目が覚めたらば 駅に止まってる あぁ、まだ寝てていいんだわと またうとうとしかけて ふと目を開けたらば 駅に止まってる さっきとおんなじ駅から動いていないことに気づきかけた そのときアナウンス。 ジンシンジコ レッシャノシタノイタイ そんなことばが私たちの上を流れてる。 このレールをうちの方にたどっていった先に そんなことばが指すモノが散らばってるのかと思いながらも それはそれは遠い。 別の世界のことのように遠い。 通いなれた列車の中で時間をやり過ごし、 普段降りたことのないような駅で次から次へと列車を乗り換え、 家にたどり着くまでに2時間半かかった。 駅員さんや車掌さんは突然の事態への対応に追われていたし、 私たち乗客にしても待たされていた時間は長かったけれど、 人をひとり片づけるのにかかる時間てそんなものなのかと 不思議とさみしくなった。
|