カンラン
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2004年03月06日(土) 白幕


積もらない雪が降る。
自分の中で真冬は随分と昔にやり過ごしているつもりでいるらしく、白いものが落ちてくるのを見ると、驚きのあまり、一瞬からだが固まってしまう。そんなわけでここ3日間ぐらい、何度も固まり続けている。


積もらない雪。
落ちているその瞬間しか目にとまることのない雪。
雨のように地面をびっちゃにすることも、
人に鬱陶しがられることもなく、
さらさらと落ちては人の肩にとまり、
人に踏みつけられる前にそぅっとその姿を消す。

嗚呼・・・、とその先のことばが見つからないままに雪のやってくる方を見上げる。
小さな子が口を大きく開けているそのすぐそばで。
嗚呼、暖かい毛布が今すぐ欲しい。
続きのことばを思い当てて、先を急ぐ。




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