消防団長 隠居日記
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2002年06月24日(月) 霧雨の夜

夜、車を走らせていると、いつしか霧雨に包まれていた。
フロントガラスに落ちる雨粒は、まるで雨空の星のように輝いていた。

もう3年も取り替えていないゴムがへたりきったワイパーで、星たちをぬぐうとにわかに白くかすんで、もやがかかったように。

信号待ちで止まる。
街灯に照らされた細かい雨が、フワフワと舞っている。
それは落下している、というよりもむしろ浮かんでいくようにみえる。

キャンバストップを開けて、走り出す。
さわやかともいえる夜気を感じて、ゆっくりと走る。
みんなに抜かされる。抜かされる快感。

唐突に雨が切れた。
馬の背を分けるとは言うが、霧雨でもそういうことがあるんだと知る。
乾いた道路。乾いた空。
速度を上げると、後ろでスイカが転がった。


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