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瑞窪公園 2003年09月02日(火)

村上龍の小説「共生虫」に瑞窪公園という所が出てくるのだが、小説を読んでいる時からいつかそこに行ってみたいと思っていた。
しかし、いざ行ってみようと思って実際にインターネットで調べた所、そんな場所は存在しないということがわかった。
ショックだ。

小説のなかでは東村山市に住む主人公が実際に瑞窪公園に行く様子が詳細に描かれているのでてっきり実在するものだとばかり思っていたのだが実際には作者の意図した通りにまんまと嵌っていただけだったとは。
もっともじっさいにその瑞窪公園が実在したとしてそれはそれで色々と問題ではある、そういう危険性を持った場所であり、現代社会の問題を浮き彫りにした作品なのでむしろ実在していなくて当然なわけだが、実際に調べてみるまでまったくそんなこと気にせず、実在するのだと勝手に思い込んでいたのだから、我ながらすごい間抜けだ。

しかし、調べてみたおかげで瑞窪公園は実在しないという事はわかったが、と同時に、そのモデルになったであろう場所はなんとなく判ったのでちょっとうれしかった。
小説の中では瑞窪公園について、それっぽい場所を示唆している所があって(P132)大体の場所の見当をつけることはできる。
そしてそこには地図によればでっかい公園があるらしい。実際に自分で行ってみた訳ではないので本当にその公園が小説のモデルになった場所かまでは判らないが、俺のなかではそこだという確信がある。
なぜなら、地図を見ていて気がついたのだが、その近くには昔作者が住んでいた場所があったのだ。というか今回調べて出てきた場所は実は村上作品(&エッセイ)の中でよく登場する場所の近くだったといった方が正しいが。

というかおそらく生粋の村上ファンならこんなこと普通に知っていておかしくないことなのだろうが、あいにくと俺は共生虫を読んでいた頃はまだそれほど好きではなく、なんとなく手にとって読んでみた程度だったし(そのあと好きになった)地理に関してものすごく疎い人間なので実際に今頃担って調べてみてはじめて「へぇ」と思ったのだ。
そんなわけだが、実際に小説の主人公の軌跡をなぞる形で調べたら作者のすんでた場所の近所だった、というそんな事実に出会ったと無理やりまとめてみた。それはそれで発見だったので実はうれしい。

機会があったら今度ぜひ一度そのあたりと、モデルになった(と勝手に俺が表思っている)公園に行ってみたい。そしてあの作品の主人公に思いを馳せてみたい。

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