22歳
亜衣



 ベクトル


今更になって気付かされた、本当に好きな人。
けれど、それは同時に昔負った傷を思い出させた。


きっとこれが「トラウマ」ってヤツなんだろう。
何でもないように振る舞ってきた6年前の傷口は、また新しく血を流し出す。
「忘れるな」
とでも言うように。




ただ好きなだけだった。

ただ、一緒にいたかった。

それだけだったのに。

普通に遊んだりできるだけで良かったのに。






この傷が開くと、また人を信じられなくなる。
全てを疑ってしまう。
「誰も私のことなんか愛してくれるはずがない」
そうとでも思わないと、また同じ過ちを繰り返してしまいそうで。





けれど、そんな気持ちとは裏腹に、私は彼のことがどんどん好きになってる。
分かってる。
ちゃんとここで断ち切らないと、一生どうしようもなくなる。
でも、怖いんだよなー(笑)

追いつめられている、現状。








2002年11月21日(木)
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