もっとどんどん好きになる
2008年03月02日(日)




靴が届いたらしい


「 にゃんこの靴が届いたから後で持っていくね ! 」


いつもながら自分のことじゃないのに
何故にそんな嬉しそうなのかなぁ ?

と思いながら

待ちに待った念願の靴

私だって相当嬉しい


だって靴が一足は履けたというものの

やっぱりヒールが足りずに

腰に負担が・・・・

それに思ったよりも早かった


実は以前カレと一緒に出向いたお店で
修理は「不可能」と丁重に断られ

その後もカレが懸命に図面を作り

あちこち問い合わせてくれたり
出向いてくれたのだけれど

どこも「不可能だ」と断られたそうで

お店とはいえ

こちらの無理過ぎる要求に

「そんなのできるわけないじゃんよ」と傲慢に言われたり

「できない」とただ一点張りに

突き放すように言われた事もあったそうで

中には

丁寧に何度も頭を下げてくれたり

「何かあったらまたきて下さい」と低姿勢なお店も

あったそうだけど

断られたその数

なんと「11店」

この数は結構予想外だった


それに

受け入れてくれた職人さんが
いたとしても

2ヶ月から3ヶ月待ちと

全部で4足あるのに
一足2ヶ月だとしても・・・・

気が遠くなるものだった


実際

靴を履いた感触といい
ヒールの高さといい

フィット感が素晴らしく
そこは気に入ったのだけど

長く(といっても40分くらい)歩いていると

腰が痛くなってきて

衝撃を受け止められずに
余計に痛くなって歩行困難となってしまう

やっぱり私に合う靴はないのかな

こうゆう時ってホント気弱になる

どっちみち

どんなに良い靴に出会っても
気分良く歩けるのは

たったの数十分しか歩けないのだと思うと

もう諦めるしかない気がする

「背筋を強くすれば」と

毎日筋トレに力を入れてきたけれど
そんなことじゃ無理なんだ

肉体的に「無理だ」といわれていることを

望めば望むだけ滑稽なだけ

かといって

初めから全てを諦めてるわけじゃないけども


そんなんで

きっと他の「お直し」してくれてる靴も
似たようなもんなんだろうなぁと

いつもの寝る前の電話で
カレに愚痴りだした



「さっきから探してるんだけど もう疲れてきた

 どれもダメなの あぁオーダーじゃないとダメなのかな

 かといって こっちの要望通りつくってくれるかなんて

 わかんないしさぁ・・・・」


カレは「最終的にはオーダーにしてみようよ」と

こちらの元気なさげな声を聞いて
弾んだ声でこう返してくれた後


「 誰だって自分にびったりと合う靴なんて難しいもんだよ

  俺だって靴擦れがひどくて 」


きっとカレは慰めてくれているつもりで
言ってくれたんだと思うけど


「ねぇ 靴擦れだったらさ 私だってなったことあるよ

 私じゃなくったって 新しい靴履けば たいていなるものでしょ

 だけど私の場合は 慣れればどうにかなるわけじゃないの

 それとこれとは比べられない事なの

 そう簡単にホイホイ言わないでもらいたい」


どうも黙ってはいられなかった

カレにしてみれば

なったことはないわけで
私の状態なんて

結局は聞くだけで分からないのは

仕方のないことだけど

だからってただの靴擦れなんかと
一緒にされちゃたまんない


だけどカレの気持ちも分からなくはないの

私だって

車椅子の人にしてみれば

「あなたは自分の足で歩けるだけいいじゃない ?」

「それがたったの数十分であろうが幸せなことじゃない ?」

って

まぁ似たような気もするし


次の日は「一緒にご飯を食べよう」と約束をした時

私はカレの家で待つことにした

カレとカレの持ってくる
私の晩御飯を

そう言ったら「じゃあ会社から4時にメールするよ」

とカレが嬉しそうに言うから

私も嬉しくなったんだけど


次の日の午後4時になっても
メールは来ない

5時が過ぎて

とうとう6時になった頃

「これから帰るよ(はぁと)今日は早く終わらせてきたよ」

ってメールが・・・・

これに私は「カチン」ときて


「今日は会わない」とメール


すると「どうしたの?」って


「どうしたのじゃないでしょ」って感じで

そのまま電源を落とした

しつこくカレは何度か
電話を鳴らしたんだろうけど

携帯は電源落とされちゃってるからと

家の方の電話が鳴った


もしかして父かもしれないと思ったけれど

やっぱりカレで


どうやら送信ミスで「ちゃんと履歴見せるから会ってよ

 どうか機嫌直してよ ! お願いっ」と

すがるように言うから

履歴なんてどうでもいいやといいつつ
食欲に負けて会うことになった

「どうでもいい」と見ようとしなかった

履歴には確かに
4時ぴったりに送信されている
メールがあったし

その後も何回も転送してくれたけど

何故だかそのメールだけは届かず

訳がわからずにいた


ただのハヤトチリから招いた事なんだけど

ギャーギャーと怒鳴る私に

「その怒り方 どうにかならないの?」と

冷静に言われたものの

またカチンと来て


「そんなに嫌なら別れたらいいのに」と


いわれた事に

久々にカレも苛立って

結構な口論となったけど


私はこう言った


「今更何なの ? だいたいが去年の暮れに言ったよね ?

 私は怒りっぽいし自分でキチガイって思うほど

 ヒステリーなところがある それは性質だから治らない

 もしかしたら治るかもしれない だけど数10年とかかる

 性格は直るといわれてるけど 性質は治らない それは私も思う

 だから私のそこが嫌いだったら もう無理なんだと思う


 ねっ この話は去年の暮れにしてあるし

 その時にアンタ何て言った ? 「それでもいいよ」って

 そう言ったよね ? だから私の仲で この問題は既に解決してるんだけど

 それを今更言うってアンタ何よ ? あの時にさ

 私が真面目に話した事は 無意味だったってこと ?

何も伝わってなかったってことでしょ」と


そして立て続けに


「私はね!アンタに甘えてるこの私だけではないの!

 この私には怒りっぽい自分もいるし凶暴な自分もいるの!

 だけどどれも私なの!ねぇわかる?!!切ってハイ捨てましたって

 そんな風には切り離せないの!

 だからその私が嫌だったらもうどっか行っちゃえばいい

 私はどの私も受け止めてくれないと困る

 切って取れるものではないんだからね!!!!!!!!」


大声で発狂しながら

早口でこう言われると


「俺は威圧感で何も言えない」とカレは言った


私だって自分のことながら
そう思うから

カレは私ではなく他人だから
余計にそう思うんだろうし

理解しようと努力しても

できないのだと思う


今度はカレが続けて


「にゃんこの事は好きだけど 大好きなんだけど

 怒鳴ったりそうゆう所は好きじゃないんだよ

 だけど誰にだって嫌いなところと好きな所はあるし

 ない人なんていない

 だけどそこの部分だけは どうにかならないのかな ? って

 そう相談してるんだよ
 
 にゃんこは何かあったら なんでも言って 言われないの嫌だから って

 そう言ってくれたから 言ってみた だけど分かった」


この時カレが

ストレスに感じている原因は

「このことではないんだ」と思った


先週

私は「欲しいものがある」と

お小遣いの他に「これにあれに」と

あれこれ言ってみたら

総額20万越していて


カレからしたら「毎月のお小遣いも上げてあげたのに

 その時にその枠内でやるっていったのに」って

このことがカレの中で
ストレスになってはいるんだけど

私には「言えない」と

余計に不満が膨らんで

大きなストレスになっていたのだと


だから私はその事を指摘した上で

こう言った


「ずるいよね 何でも言ってっていってあるのに

 アンタは怒らないと言えないでしょ

 その時に!なんでもいってって言ってあるよね?!!

なのにその時はいい格好して 後々になって人のせいにする

 アンタはずるい!」


いつものように「帰る!もう真面目な話してもいつも繰り返す」と

怒鳴りドアを大袈裟に開けて

そのまま履いていた

修理から戻ってきたばかりの
あの靴を窓から放り投げた

ソールが重なっているから
手に持つと「どしっ」と重く

投げがいがあり

遠くまで「ポーン」っと
飛んでいったような気がした

カレは吃驚したあと


「靴を取りに行くよ!!!!折角にゃんこに合う靴が!!!」


と言って取りに行こうとしたけど

私が逃げ帰ってしまうので

靴は取りに行かずに


「ごめんなさい 許して下さい」と私を抱きしめた


すぐに許すことの出来ない私は
なんでもかんでも言いたい放題で

結局朝方に仲直りをするわけだけど

帰り道に靴を探しても

見つからなかった


以前


やっぱりカレのストレスが原因で

同じくカレのスニーカーを

放り投げたことがあったけれど

すぐ下に落ちていて
すぐに見つかった

だけど今回は見つからなかった


スニーカーよりも
重みがあるとはいっても

そんなに遠く投げられるわけではないし
だいたいの範囲が決まっているのだ

きっと誰かが「いい靴だ」と思って
貰われてしまったのかもしれない


その時ふと思い出した


カレに靴の感想を聞かれた時

「すっごくフィット感があって かなりいいよ

 これ改造してくれた人すごいよ」って言ったので


カレが職人さんに
そのまま電話で伝え「残りも同じように」と

依頼した時

職人さんはえらい喜びようで
引き受けてくれたそうだ

他の職人さんが「できない」と言った

私の思い通りの靴の改造を

その職人さんは「どうしようか」と悩み迷い

造り上げてくれたというのに

私はその時の自分の感情だけで
いともあっさり

それも数秒で投げ捨てたのだ


聞いたことも見たことも無い

その職人さんの笑顔に心が痛んだ

いつも思うけど

後になって痛んでも

仕方がないことなのに・・・・


何度か心の中で謝った後


「きっとどっかのヨッパライが あの靴を美味しい美味しいって

 かじってるのに違いないよ」


と笑い話にしてしまったけど

その頃

カレと私はいつも通り

すごく仲良しに戻ってた


そんな私にカレは

また「いい匂い この匂いがほんと大好きだ」

と抱きついてくるから


「なんの匂い ?」って聞いたら


「ん・・・・お日様の ひなたぼっこの匂い」って微笑んだ


そういえば

もうずっと前に

私は高台にある広めの
庭付きの家に住んでいて

母が買い物で不在の時
鍵は持たされていなかったので

決まって縁台にいた

南側にある大きな縁台に腰をかけていると

その時飼っていた犬がやってきて

一緒に寝転んだ

その犬は「太陽のお日様の匂いがして」

すごく落ち着いて

買い物から戻った母に
いつも起こされた


だから


「動物的ってこと ?」って言ったら


「動物っていうか 笑 フェロモン ?

 にゃんこはフェロモンが凄いから

 これなのかもね 笑」


私は「フェロモンねぇ・・・・それより

もしも愛に匂いがあったら

こんな匂いなのかな」って

言おうとしたけど

やめておいた



こうやって日記に二人の出来事を綴っていると

私はカレに嫌われても
おかしくはない事を

平気でしてきた


だけどカレは


「 にゃんこのことが どんどん好きになって

 愛おしくてどうしようもないんだ

 ずっとずっと大好きだから いつも大好きなんだけど

 だけどどんどん好きになっていってる気がする 」


だから「嫌なことされても離れたくないし

離れない」と言った


私だって

たまには「愛」だの「恋」の
教訓らしきものをテレビで見たり

聞いたりして

「もうちょっと慎んだ方がいいかなぁ」なんて

何度か思った事もあったけど


私は「ありのままの自分を受け入れて欲しい」と思う


誰だっていい子の方がいいし

付き合いやすいと思うけど


それが私でこれも私


その私を好きでいてくれなくちゃ困る


無理してでも「私がいい」と

言ってくれるような人でなきゃ

私だって一緒にいたくない


「それでも私がいい」って


言ってくれなくちゃ


私と一緒にいる意味なんてないじゃない ?


そうゆう私を受け入れてくれるから

もっと好きになる

だから私だって

どんどん好きになる



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