|
|||||
|
|||||
よく考えたら一週間に一度は休ませてる 「頭が痛いの具合が悪いの痛いの痛いの」 カレは「痛いとこ俺が治してあげないと」って 「ちゅぱちゅぱして治そうね」って だけど実を言えば「居たいの」 一緒に居たいだけなの ・・・・多分 だから 「今日の仕事に穴あけちゃったら 取り返しがつかなくなるから 今日は頑張るね だから今日は行って ! お願いだから行っておいて」 なんて「 放って置けないよ 」 「 だからこれからそっちへ向かうよ 」というカレに 半分情緒不安定になりながらも 強引に「行って!行って!」と 言う割に夕方のカレからの電話で 「 やっぱりこれから早退するから待っててね 」と 普段通り優しいけれど 「 何か食べたいものある ? ケーキがいい ? 」と いつにも増して優しい口調のカレに 「980円くらいの安い苺でいいから 買ってきて」と言った 毎週大事な仕事があるのに 今ここで休ませたら 早退でもさせたら 後にカレが大変な思いをするだなんて 分かりきってる筈なのに ・・・・よく考えなくても そのくらい分かってあげなくちゃならないのに カレは木箱入りの高い苺を持ってきた 私は「こんな高い苺じゃなくて良かったのに」と云いながら キッチンへ行ってザーザーと勢いよく流れる 水の中で少し強めに苺を洗う 身がしまっているので崩れず水を弾いた 「ヘタから食べる」 この食べ方が苺の美味しい食べ方のようだけど そんな食べ方するくらいなら ヘタから3分の二をとって食べればいい こうすれば 「全部おいしく食べられるよ」と言う私に カレは「勿体ないなぁ」という感じで 横目で私を見たけど 何も言わずにベッドに戻り 苺を食べさせてもらう 思えばそんなにヘタをとらなくても 高い苺はうまい そうカレは 言いたかったに違いない 汁がぼとぼとと口から零れだす そのこぼれた汁をカレが吸い取る 「 痛い痛い飛んでけ〜ってするね 」と 今度は体に吸い付くんだけど 情緒不安定になり過ぎて 「ねぇなんで今日は全身愛撫してくんないの ?!!」って いきなり泣き叫んだ こうゆう時って自分の事を客観視して 観察してたりするんだけど どうも止められない 分析はしているのに 「ここではこうすればいいんだよ」と そう思うんだけど 結局はカレに甘えまくってはいるんだけど 素直にはなれてないから 凄く遠回りになってしまっていて こうなるのであって 全身愛撫なんて気を使うだけだから 実際して欲しいわけではないのに 欲求してる つまり・・・・私は カレにして欲しいわけでもない欲求をぶつけて ただ聞いて欲しい 応えて欲しいだけなのだ 泣き叫んだ私に 慣れたものの 意地悪が一向に収まらない私には 「 正直そんな時は どうしていいか分からない時がある 」 と言った そう言われると今度は号泣して もう鼻水まで出ちゃって もうすごいの 「わーわー」と哀しそうに 一時間も泣き続けて その間 きちんと涙も垂れ流し状態だから 涙にある塩分というもので 目がぶっくりと腫れ上がる 涙って「止まらないもんだなぁ」って関心するくらいに 止まってくれなかったりする もうこうゆう時って 「私は一体何がしたいの ?」って 最終的には心の中で 自分に問いかけてみるんだけど これが私の言う「ただの甘え」だとするのならば なんて自分勝手で 高慢ちきな甘え方なのだろ なんてかわいくない甘え方してるんだろ だけどカレは 「 お願いだから泣き止んでよ 困ったな どうすればいいのか どうすれば泣き止んでくれるの ? 」 と言って まずは私の鼻水を吸った後 まだ赤ん坊の鼻が詰まった時に 母親が口で吸い出すように 私の鼻全体をカレの口ですっぽりと覆われて 「ズースー」って もうびっくりしたけど なんせあの神経質なカレが・・・・!??? って 「 泣き止まないなら 俺が全部舐めて吸い取れば いつかは止まるだろ ?! 」って まるで私が悲しい時に ワンコやにゃんこがそうしてくれるように 涙を「べろん」と大きな舌で吸い取った 大型犬と一緒に暮らしたことはないけれど もし大型犬に舐められたら きっとこんな感じなんだろう 舌が分厚く 小型犬のような「チロチロ」といった感覚ではなく 一気に涙が吸い取られてしまうような 毎日のように体中を舐められているというのに 顔ほど 舌の感覚が敏感に伝わるなんて 分かりもしなかった 私の涙はすぐと言えば大袈裟になるけど 数分で止められてしまった 結局は 大事な会議を欠席させてしまった 私の中で 殴ったり罵ったり そんな事よりも一番の「悪い癖」になると思う 「 にゃんこは俺の仕事を応援してくれないんだね 」 そう悲しそうに言ったけど 上手くいかなくても私のせいにする事はないし いつでも「自分の頑張りが足りないだけ」と 私にはないポジティブ過ぎるところも またそれを可能にするところも 私にはあるようでないところも 全てを尊敬している筈なのに 「 ね ? だからね こうすれば 涙が止まったでしょ 」 「止まったけどばっちぃ」 そう鼻をすすり言う私に 「 汚くないよ ? にゃんこのはね だってにゃんこは可愛くてかわいくって愛おしい 」って すごい優しい顔で笑いかけるから 「もうばっちぃから キスしてあげない 」って 笑い合ったけど 抱き合ったら涙が出てきて 「離れたくないの いつも一緒に居られなくてね 毎日のように会ってるんだけど おかしいと思うんだけど なんでか悲しくなるの ずっとずっと傍に居たいの ずっとずっと 」 泣きすぎてガラついた声になりながら 強く抱きしめた カレは「いいこちゃんいいこちゃん」って 優しく抱きしめ返した いつからか私はカレの事が こんなにも好きになっていて 「そんなに好きならどうして 好きな人に辛い思いをさせるの ?」 「だから本当は嫌いなんでしょ」って 何度か言われたけど どうもそれも違くて 以前なら「一緒に居てあげるよ」と言ってた言葉も 「ずっと一緒にいようね」から 「一緒に居たいの」に変わってきた 「相手の嫌がる事はしない」とか 「相手を一番に考える」と言うのが 本当の意味での「愛してる」という事になるのなら 私の今の気持ちは 偽者なのかもしれないけど 「一緒に居たい」と強く思う気持ちもまた 私なりの愛情表現であって 私なりに私はカレの事が ようやく「大好き」と思えるようになったんだと 泣きながら眠ってしまった 私がこんな状態だったので カレは寝ずに仕事へと出向いた 仕事は会議を欠席したので 大穴をあけてしまい顰蹙を買ったらしいけど 嫌味を言われることなく済んだらしい これがカレじゃなかったら 大変な事になってただろうな その日の夜は さすがに落ち込んでるだろうし 正直なところ 私の顔は「見たくないだろうなぁ」と 思ってたんだけど 仕事帰りの電話で 「 今日はやっぱ駄目だったけど まぁしゃあない♪ お腹空いたでしょ ? 何が食べたい ? 」 って言うから「いや今日はいいよ そんなお腹空いてないし」って 言ったけど「 今日はにゃんこの顔が見たいんだ だから時間があるなら ぎゅうって しに行ってもいいかな ? もしそれが無理だったら 何か届けるだけでも届けさせてよ 」 って( あれ ? そうくるの ? )って 不思議に思いながら 時間がギリギリなかったので 「用意が済んだら電話するね」って 電話を切ったけど 用意が済んだのは 深夜1時半 一緒にご飯を食べる事にした こんな時間だから普通にファミレスだったけど 二人で食べるご飯は たとえレトルトであっても美味しい これも最近気付いた 「今日もありがとうね」って 送ってもらって キスして別れた後は お休みの電話で「おやすみさないまた明日ねっ」て カレと私の一日は いつもこの「おやすみなさい」が最後で 今日という一日を この言葉で終わらせる 「約束」でも「ルール」でも何でもなく 付き合ってから2年間 欠かせずにしてきたこと また全ての用意を済ませて 寝室に戻った私は ベッドの中でまた泣き 目から「ぼとぼと」と零れ 実際枕に落ち 「ぼと」っと小さく音を鳴らした どうして泣いたのかは分からないけど やっぱり「離れてるって寂しいことなんだな」 なんて 本当は分かってはいるんだけど 私の左耳とカレの左の耳は 電波を通して繋がっているのにね 今もこうして |
|||||