最低/ツクヨミ
2009年02月07日(土)





 気付いてあげられなかった


だなんて

白々しい言葉を発したら

まるで「嘘」になるだろう



 全部私のせいだ


なんて

いまさら「悲観的」になっても

もう遅い


それでも笑ってるのは

どうして ?



見上げたら月と

目が合った様な

そんな気がして数週間

 私はカレを好きなの ?

 それともお金が大事なの ?

月から問われているような気がした

月には嘘が吐けず

だけど答えも出せずに

ただただ月を

見上げる事が多くなった頃






頭のてっぺんからつま先まで

カレはいっぱいいっぱいだと

そう私は言ったけど


実際は「いっぱい」なんて

ものなんかじゃなく

触れたら破裂しそうな程


「パンパン」になって

とうとう

カレは破裂してしまった



そんな頃「ツクヨミ」と出会った

 あなたは月が呼んでくれたから

 「名前はツクヨミだよ」と 

 どこか月の香りがしたのは

 瞳に三日月が模られていたから




破裂してぼろぼろになるまで

追いやったのに

カレは怒らない


「 破裂したこの穴を埋めてくれるのは

  にゃんこだけだよ 」


どんなに辛く大変なのは

カレは勿論

私だって判っていた筈

それなのに



いつもは匂いがしないと

言われているこの部屋に

ツクヨミの匂いがした

一年と半月

なんて短い歳月だったのだろう

けれど

ツクヨミにとっては

長い長い月日だったのだろうね




彼が笑うから

つられて私も笑ってる


「 にゃんこが笑わなくなったら

  また俺がいつでも笑わせるよ 」


あの報告を見た瞬間

無言になり

なんて言葉をかけて良いのか

解らなくなってしまい

お互いを求め合う

その手も同時に

「ぴたり」と止まり

言葉と同時に息を呑んだ


「いい加減過ぎた」と

自己嫌悪に浸っても

戻っては来ない


後先何も考えず

最低な事をしてしまった


 取り返しのつかない事をしてしまった


前日そう言ったけど

この時の事では無く

カレ自身の事に

自分自身がそう思えてしまうなんて



そういえば

いつから月を見上げなくなったのだろう

ぼんやりとしたまぁるい明かりを

眺めていたのは

遠い遠い昔の事の様

たった一年半前の事なのに


 カレの事が好きなの 

 お金も大事だけど 

 大事なのはカレ自身


月は目を逸らすようになり

安定したけれど

ツクヨミの瞳に浮かぶ

三日月も消えてしまった

撫でてあげる事すらしようもせず

最期の別れの挨拶を掛ける事も無く

照らされた土の中に小さく消えた




カレはどんな思いをして

接していたのだろう

相当辛かったと思う


カレの姿を目の当たりにしないと

判らなかったの ?

判ってたんでしょ ?

いや

根本的な部分を

解ってあげられてなかった


そうじゃない

理解する気なんて

ハナからなかったくせに


いつになったら

この「最低」だと卑下する思いは

消えるのだろう

こんなのただの「偽善」なのに

胸から喉にかけて

切なく心が痛んでる

なに なんで どうして ?




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