森岡万貴 徒然記 (黒いブログ)
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2002年07月22日(月) 徒然なるN.Y.紀行(番外) メトロポリタン美術館をさまよう鳥肌

セントラルパークを横切って5th Avenueを真っ直ぐ北に。
82nd St. メトロポリタン美術館に一人で行って来ました。
大英博物館、ルーブル、エルミタージュと並ぶ、言わずと知れた世界有数の美術館です。人類の文化的遺産を網羅的に収集した300万点以上のコレクション。
ものの本には、「広大でとても1日で全てを見るのは無理でしょう。」と口を揃えて書いてあります。

何の下調べもなくニューヨークにやってきた森岡万貴でしたが、メトだけはきちんと見ておきたくて、ホテルでガイドブックを参考に、予め順路を考えていました。

セントラルパークの、特にメトの周辺は、ストリートで作品を売る若いアーティストがたくさん軒を連ねていました。
思わず足を止めてしまう、素晴らしい作品がいっぱい!
ここだけでもmuseumみたい。
この中にも、やがて歴史に名を残す巨匠がいるかもしれないって、本当に思いました。

メトの中は、予想していたとおりまるで迷路。
まず目指すのは、エジプト美術、そして発掘された古代デンドゥール神殿がそっくり展示してあるギャラリー。
さっそく迷う迷う!

そして、アメリカ美術、ゴーギャンの特別展示、ヨーロッパ彫刻などを回って2階へ。
最も楽しみにしていたヨーロッパ絵画は、笑っちゃうほど膨大な量で、さまよいまくってやっと見つけた、前述の「トレド風景」。

メトの中は、殆ど全ての美術品が、ガラスケースなんかに入れられることなく壁やら床やらに展示してあって、こっちが心配になるくらい無防備にそこにあるんです。もちろん手を伸ばせば触れられるし舐められる。(舐めるヤツはいないか、)

一番楽しみにしていた「トレド風景」が、思ったとおり凄まじく素晴らしくって、全身鳥肌の森岡万貴。
ジリジリと作品に吸い寄せられて、その場を動けなくなってしまいました。

どれくらい時間が経ったのか、背後に気配を感じて振り返ると、なんと俳優H氏の姿が。この広いメトの中で偶然出会うなんて、ちょっとばかしロマンチックじゃないっすかぁ!と思いつつ、ニッコリ微笑んで挨拶すると、

「絵に貼り付いてるすっごい怪しい女がいると思ったら、万貴ちゃんかぁ!」

す、、、すんません。鳥に変身中なもので、、、

それでも懲りずに絵に吸着していると、今度は
「お、お嬢ちゃん、頼むからもうちょっと離れてね。(英語)」
と監察官のおじちゃんに優しく怒られてしまいました。
気付くと、絵まであと2センチくらいまで寄っていた、危険人物森岡万貴。
そりゃ怒られるわな。

いいかげんにしなさい。と自分で突っ込んで人間に戻り、遅いランチを取ろうと、1階のカフェテリアを目指しました。

で、迷う迷う!!ただでさえ迷ってんのに、途中でピカソやらマティスやらに出会って吸い寄せられるわ、何度さまよってもアフリカ・オセアニアの奇妙なお面ばっかりのブースに出ちゃうわ、カフェまでの道のりは遠く険しかった。。。

天竺を目指す三蔵法師の気分。ガンダーラ。。。

その流れでインド・中国・日本など、アジアの仏教美術のブースへ。ここでも鳥に変身。圧倒的な神秘。
そして世界の楽器のブースを廻っていると、あっと言う間に夕方になりました。

カフェでは、室内楽のコンサートが始まりました。大階段の上からエントランスホールを見下ろすと、調和のとれた壮大なフラワーアレンジメント。

もう行かなきゃ。
大階段を降りかけた時、どうしてももう一度「トレド風景」に会いたくなり、、、

ダッシュ!(一応控えめに)

遠い遠い!広すぎるゼ、Met!
珠玉の美術品が乱舞するいくつものブースを風のように駆け抜けて、やっと辿り着いた目的の部屋。

監察官のおじちゃんの目がキラリと光った。

Jul.12,2002


maki morioka |HomePage

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