森岡万貴 徒然記 (黒いブログ)
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夜の海。 裸足で波打ち際を歩く。何年かぶりの感触。 波の音、遠くの花火、なんてロマンチッ・・・んんッッ!?ななな、なんじゃコレは!?
暗くて足下が全然見えないので、油断して歩いていたら、危うく踏みそうになったコレは、、、何? まず、生命体であることは間違いない。 グッタリしている。伸びきっている。波にさらわれて、汐にもまれて、そしてこの海岸に打ち上げられたらしい。既に息はない。
ライターで照らしてみる。 胴体におまけみたいなシッポが付いてて、手足があって、頭があるんだけど、耳がない。ツルンというかヌルンというか、とにかくのっぺりした頭部。よく見えないけど、色はアイボリーっぽい。
大きさは、デカいハムスターくらい。
友人は、 「胎児だ。」 と言い放った。
こらこら。こわいって。すごく。 もうこわくて直視出来ない。 友人は、 「海の神だ。グッタリしてるけど。」 妄想は膨らむばかり。 なんにせよ、踏まなくてよかった。本当に良かった。踏んじゃってたら、一生忘れられない感触が残るだろう。
私の知っている生命体の中で、一番近いイメージは、
宇宙人。 だって似てるんだもん(泣)
30分ばかりその場に立ちつくしていると、潮がどんどん満ちてきて、クッタリした海の神を再び波の彼方へさらっていった。
波打ち際には色んなモノが落ちている。波に乗って遠くの国からやってきたモノもあれば、心ない日本人がさっき置き去りにしたモノも。 今ここにある日本産のゴミも、何日か後にはトルコの海岸で宇宙船の破片と間違われるのかも知れない。
どこからきたのか、そしてどこへいくのか。
何とも言えない気持ちになった。
朝になってこの海岸を見たら、ゴミやら花火の残骸やら、魚の死体やら、ビールの缶や瓶やらで、裸足で歩こうなんて気持ちにはとてもなれないだろうな。 海の神の胎児の死体が落ちてるかも知れないし。
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