森岡万貴 徒然記 (黒いブログ)
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2004年02月21日(土)

少し前の話になりますが、、、

新国立劇場で上演された(もう終わってしまった)、『鳴神・俊寛』という、‘歌舞伎を題材にしたオペラ’ の公開GPを観せていただいたんです。

演出は市川團十郎さん
オペラの歌い手が、着物で演じ歌う舞台
曲は書き下ろし(だったと思う)
オケは、秋山和慶指揮/東京交響楽団

ちょうど自分のライブのリハの直前、歌詞を書いて書いて、、、煮詰まりまくっていた時だった。
時間がなくて、行こうか行くまいかずいぶん迷ったのですが、、
ミュージカル『太平洋序曲』思い出の劇場、そのうえ題材が‘歌舞伎’ときたもんだ!
四苦八苦した「ツケ」を、パーカッショニストがオケピットで演奏していると聞き、妙にシンパシーを感じて、行くことにしたんです。

歌舞伎の知識は、殆どと言って良いほど無いアチキですが、元本を知らなくても、全然素敵だった!

一番感動したことにゃあ、なにしろ


     言葉が美しい!!

ああ〜〜、日本語ってこんなに美しかったんだ


と、忘れ物を取り戻した気分でした。


『鳴神』・『俊寛』という古典のオペラ化2本立て。
招待していただいた関係者の方に、
「鳴神は楽しいと思うよ、俊寛は地味だから、もしかしたら退屈かも知れない」
と伺っておりました。
確かに『鳴神』の方が、舞台も衣装も豪華絢爛、テーマが「sex・破戒・堕落」で楽しい(?)のですが、
私は『俊寛』の、とりわけラストシーンに、えらく感動してしまって、今でも忘れられないんですよね。


畳み掛ける徹底的な孤独、別離、絶望。
生きる望を全て失った俊寛をひとり残して、無人島から去る船。
俊寛の悲痛なうめき声。
夜・闇
暗転

ーーーー終わりーーーー




・・・えっ!?!?今!?!?!?終わっていいの!?!?
こんなところで!?!?!?終わるの!?!?
それって、あんまりにもあんまり過ぎやしません!?!?!?


でも、



ーーーー終わり。ーーーー



何にも解決してない。
一番のどん底で、

「はい、さようなら。」


って、放棄するように突き放して、終わる。

「あとは勝手に想像してね。わしゃ知らん。」

後は知らんぷり。感情移入、一切なし。


あんまりにも無情過ぎる幕引きに、しばらく唖然としてしまいました。
ジャンバルジャンもビックリです。


この後の俊寛の身の上を想うと、、、

こわーーーーーーーーーーーーーーゾクゾク

残酷すぎる。。。


ワンシーン、ワンセットのシンプルな舞台だけに、余計に怖い。
サスペンスホラー映画もかなわない。

完結しないで、切り取ったみたいに終わる。
あと、想像するもしないも、自由。
余地を残して終わる。

でも、それがなんだかとっても斬新で、くるおしいくらいにクールでかっこ良かった。


うう〜〜〜〜ん。。
日本語の美しさと、構成の粋じゃのう。。

古典の凄さ、再確認。


インスピレーションをいっぱい受けた森岡万貴、その後の作詞作業がはかどったのは言うまでもない。


とっても良い舞台だから、興味のある方は観劇をお勧め、、、

しようと思っていたら、とっくに公演終わっちゃいました(御免)。。。


maki morioka |HomePage

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