青春の思ひで。
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日々がただ過ぎていくことに恐怖といらだちを感じる。 あたしに残された時間は長くない。 今日、何ができた。 何かができたはずなのに、何もしなかった。また逃げた。 逃げて、逃げて、逃げたら、辿り着けやしないのに。
春の匂いを感じる。恐ろしくなる。春。 春の記憶はいつも匂いがする。湿った甘やかな夜の匂い。 あの日。手を繋いだ日。ひとりで泣いた日。新宿の映画館。マリア・クローチェの香の匂い。冷たい夜桜。かすんだ高瀬川。夜の匂いだ。ただ一度だけ抱きしめた夜。甘い煙草。夜の黒と嘘くさいほどの蛍光灯の白。ひとりで待っていた日。あの日に失ったものは、一体何だった。ひとりで待っていた日。子どもだったあの日。もう10年も前になるというのか。
10年目の春です。 奇しくもあたしは22歳です。22歳の別れです。別れました。 14になる前の夏の日からは8年が経ちました。もう22歳です。 22にもなれば少しは……と思いましたが、まだまだです。まだわかりません。 まだ、あたしは、少しは、14歳に近いのです。だからなのか。まだ、救えない。
あなたのために生きることを決めたから、あなたの所為にして死んではいけない。 でも、10年が経って、8年が経った。 奇しくも卒業する日は3月20日だった。変更されたけど。 3月20日。永遠の喪失の日。 3月の北の大地は、まだ白いですか。春にはほど遠いですか。それでも、春の匂いはしますか。あたしは、そこにいってもいいですか。
あなたに逢いたい。まだ、逢えない。 まだだ。まだまだだ。 春は優しくて、残酷で、憂鬱で、仄昏くて、甘い。
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