青春の思ひで。

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2005年02月18日(金) 10年の孤独。

日々がただ過ぎていくことに恐怖といらだちを感じる。
あたしに残された時間は長くない。
今日、何ができた。
何かができたはずなのに、何もしなかった。また逃げた。
逃げて、逃げて、逃げたら、辿り着けやしないのに。

春の匂いを感じる。恐ろしくなる。春。
春の記憶はいつも匂いがする。湿った甘やかな夜の匂い。
あの日。手を繋いだ日。ひとりで泣いた日。新宿の映画館。マリア・クローチェの香の匂い。冷たい夜桜。かすんだ高瀬川。夜の匂いだ。ただ一度だけ抱きしめた夜。甘い煙草。夜の黒と嘘くさいほどの蛍光灯の白。ひとりで待っていた日。あの日に失ったものは、一体何だった。ひとりで待っていた日。子どもだったあの日。もう10年も前になるというのか。

10年目の春です。
奇しくもあたしは22歳です。22歳の別れです。別れました。
14になる前の夏の日からは8年が経ちました。もう22歳です。
22にもなれば少しは……と思いましたが、まだまだです。まだわかりません。
まだ、あたしは、少しは、14歳に近いのです。だからなのか。まだ、救えない。

あなたのために生きることを決めたから、あなたの所為にして死んではいけない。
でも、10年が経って、8年が経った。
奇しくも卒業する日は3月20日だった。変更されたけど。
3月20日。永遠の喪失の日。
3月の北の大地は、まだ白いですか。春にはほど遠いですか。それでも、春の匂いはしますか。あたしは、そこにいってもいいですか。

あなたに逢いたい。まだ、逢えない。
まだだ。まだまだだ。
春は優しくて、残酷で、憂鬱で、仄昏くて、甘い。


天上旋律 |前略プロフィールゲストブック永久少女天然色夢絵巻kitchen & closetMAIL

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