酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2007年03月06日(火) 『ラスト・イニング』 あさのあつこ

 映画化された『バッテリー』の主人公の少年ふたりのピッチャーとキャッチャー、そのバッテリーに魅せられた天才バッター門脇秀吾、そして幼馴染の瑞垣俊二の“その後”の物語です。あさのあつこさんは脇役であったふたりの少年のこともものすごく愛されたのでしょうね。だから“その後”を描かずにはいられなかった・・・ふたりの少年にも物語を与えてあげたかったのでしょう。このふたりの“その後”を知れただけですごく嬉しく思いました。門脇秀吾も瑞垣俊二もキラキラしていて美しい。この一瞬の季節の輝きを忘れない。汗くさい青春物語にならないところがあさのあつこさんの天才たる所以だと恐れ入りました。

 おまえのことをわかっている。あいつのことを理解している。虫酸が走るほど厭らしい言葉ではないか。人が人を全理解できると信じることの厭らしい傲慢。理解していると豪語することの愚昧。

『ラスト・イニング』 2007.2.14. あさのあつこ 角川書店



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