* * * 
憐凪



 棘 (トゲ)




 後ろから来た人々が ボクを 追い越してく
 誰も彼もが ボクを 追い越していく
 颯爽と 清々しい汗を 滴らせながら 追い越していく

 どんなに 必死に 一歩一歩 走っても
 仮令ば、走っているつもりが
 歩いているにしても
 どんどんどんどん 追い越されてく

 そして 
 誰も ボクを 振り返らない・・・

 後ろを 振り返ると ボクの後ろには もう誰も居ない
 
 また 前を 向いた
 みんなの 遠ざかっていく姿が
          どんどん どんどん 小さくなっていく

 

 ・・・ もう 誰一人 
          背中すら 見えない


 ボクは 進んでいるの?
 立ち止まっているの?

 まるで マラソンの 最後方を 走っている ランナーが
 棄権しようか 歩んででも 完走しようか
 自問自答して 自分自身と 闘っているミタイに・・・

 長月の始めに
 背中に ヤケに冷たい汗が 滴っていく


 走る足の裏に 棘が 刺さっているかのよう
 
 でも それは 足の裏の棘なんかじゃない
 
    “こころ の 中に 刺さった 棘”


 

 このヤッカイな “棘”が ヤケに痛んで 気になる
 夏の終わりに  立ち竦む ボクの 姿 ・・・・・・・















 ィチォゥ:↑の文中の「長月」とは、九月のコト

2004年09月05日(日)
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