進むべき道は一つしかないはずなのに、いつの間にか遠回りをして、知らない内に知らない道を歩いている。迷う訳ではなくただただ知らない道。歩きたい訳でもなく、近道でもない。それでも歩いて行く道。
小さい頃読んだ本。題名も、作者もわからない。ずっと曖昧な記憶でその本を探し続けてきた。十年前は無理だったのに案外あっさりとインターネットのおかげで見つかった。勇んで手元に入りやっと読み返したのになんだか寂しくって複雑な気持ちになった。思い出はやっぱり思い出のままの方がいいのかもしれない。