街を歩いていると、あの店にあの小僧がいない。小僧は手ぬぐいを頭に巻いて、前掛けをしていつも同じ場所で中途半端なお辞儀をしている。目はどういう訳か笑っていなくて挑戦的だ。でもそいつがいない。なんだか味気ない赤と黒のデザイン看板に変わってしまっているのだ。あいつを何処に遣ったんだ、小僧寿し。