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海老日記
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2007年07月27日(金) ■
伯爵日記・なんかの取材


 今日の部会に行くと、なんか取材の人がいた。
 まあ、人と話したり自分の作品を読んでもらったりの経験を積んでいたつもりだったけれど恥ずかしくて仕方なかった。
 半年振りの部会で、なんか見知らぬ一回生ばかりで、初めましてと言われてしまった。
 うーん、これからはもうちょっと部会来るようにしたいなあ。


 でも、一体何の取材だったのだろう。そこんとこ分からないまま終わっちゃった。
 さて、ちょっくら今から愛媛行って来る。

 



2007年07月26日(木) ■
伯爵日記・二十四のベクトル


「当たり前のことを言うけれど、あんまり可哀相な目で見ないでくださいよ」
「内容によるね、言ってみ?」
「うん、なんというか、考えの深い人浅い人っていう言葉があるでしょう。でもですよ、色んな人の話を聞いてると、やっぱりみなさん、生きている分の哲学をお持ちで、誰にも譲らない部分ってのを、持ってるようなのですね」
「うん」
「すごくいい加減なようで、誰にも負けない歌を持ってる人。みんなから抜けてるといわれながらも、ひたすら熱心に勉強する人。友達作るのがうまい人、友達作らなくたって孤高でいられる人。きっと、他人を浅いと思うのは……何かが違うんですね」
「うん」
「ごめんなさい。自分で言っててなんだかなあ、です」
「そんな風に考えるってことは、伯爵もそのベクトルに深みを増したんじゃない?」
 ああ、なるほど。
「君、すごいですね」
「うん、そうだよ」


 



2007年07月24日(火) ■
伯爵日記・佐々木女史の疑問


 佐々木女史が海老銃のホームページを見ていることが判明した。
「なんで7回にもわたって私なん?」
「いえ、たまたま思い出したから。佐々木女史って、一回生の頃とかなりキャラ変わりましたよね」
「そう?」
「はい、昔は不思議ちゃんキャラだったはずなのにね」
「そうやっけ?」
「そうだったんですよ。少なくとも僕にはそう見えていましたよ」
「幻覚ちゃう?」
「現実でした」


「でも、一番の疑問はね、このZ伯爵って誰よ」
「……いや、いたじゃないですか、僕と同じ伯爵って呼ばれてる人」
「誰それ?」
「何とぼけてるんですか」
「幻覚ちゃう?」
「幻覚ちゃう」
「そんなの、知らんよ」
「んなわけ……」
 でも、いたという証拠がないことに、ちょっとびびった火曜日の昼。

 



2007年07月22日(日) ■
伯爵長編・カンテラ伯爵と透明人間Z・7


「そう言えば、佐々木女史。以前話した僕のそっくりさんって今はどうされているのですか?」
 佐々木女史は言われて気づいた、という風な貌だった。
「ああ、Z伯爵? あん人は学校やめて東京に役者の勉強に行ったよ」

 昔なら濃いなあ、とか思ったのだろうけれど、大学生を四年ほどやってると、そういう選択も世の中にはアリなんだということもわかるようになった。
「そうですか……結局喋ることなかったなあ、そっくりさんだったのに」
「うん、ドッペルってたやんね」
 そんな動詞聞いたこともない。


「そう言えば、佐々木女史は最近目立つ服着ませんね」
「うん、まあ毎日あんな服着るわけじゃないし……。そういう伯爵こそ作務衣着いへんやん」
「着潰して破れちゃったのです。着すぎて直せないくらいになっちゃって」
「お気に入りやったんやね」



 僕は何故か佐々木女史と親友になるのだけれど、その友人のZ伯爵とは何の関係も持たずに終わった。
 見た目は激しく変わっていたけれど、正体を知ることができず。
 もし会話をしていたら、どんな風になっていたのだろう。
 そんなことを、たまに考える。


 昔、もしああしていたら。
 最近、そんなことを考えることが多い。





2007年07月20日(金) ■
伯爵長編・カンテラ伯爵と透明人間Z・6


 僕とそっくりなもう一人の伯爵というあだ名の人も気になるっちゃあ気になったけれど、別にわざわざ確認に行くほどの興味はわかなかったのでそこは無視することにした。


 けれど、佐々木女史とは毎日会った。
 会った、というかたまたま食堂とか学校の中とかで見かける程度だけれども。
 やっぱり佐々木女史はいつものように真っ黒な服を着てカレーを食べていた。そんなにカレーが好きなのだろうか。

 ぼんやりと鳥ポンから揚げを食べていた僕は、その日ちょっと目を疑った。

 佐々木女史の隣に、僕がいた。


 いや、僕じゃあない。
 格好が若者風で、髪も茶髪だった。
 顔も違うはず。
 でも体型というか、なんか見た目が似ていた。

 すごく好感度よさそうな笑顔で佐々木女史と喋りながら食事している。
 とても会話の途中で松雄芭蕉忍者説を話題にあげたりしないような、まともそうな人だった。

 彼が、Z伯爵らしい。


 
 彼の方が格好いいぞ。


 食事が終わり、盆と食器を片付ける時、わざと佐々木女史の横を通ってみた。
 全然気づいていなかった。
 
 この時は、流石に僕が透明人間だった。


 



2007年07月18日(水) ■
伯爵長編・カンテラ伯爵と透明人間Z・5

 なんだか、話の脈絡もないけれど、つまりこれは僕が大学一回生になってすぐの話なわけだ。

 その当時まだ文芸創作サークル海老銃というもののことも知らずにのんきしてた一青少年で、ヘルレイザー鎌足だのリルリルだのなんてことを日記に書かなくちゃいけないような不思議の国の住人でもなかったから、変わった女の子にあだ名を呼ばれても、なんだかいぶかしむだけだった。


 気持ちの悪い子だなあ、と勝手に思っているだけで(まあ僕も、人のこと言えるほどまっとうな男の子でもなかったけれど)だからそれで終わりだった。




 はずなんだけれども。


「よう、伯爵」
 振り返ると、知らない人だった。
「これから授業?」
「いえ、今日は終わりで、これから晩御飯の買い物に行こうかと」
「今日クラスの飲み会やろ?」
 そうだっけ? っていうか、あなた誰?
「じゃ伯爵よろしくな」
「はあ……」


「伯爵おはよう」
「おはようございます」
「なぜにそんな丁寧語?」
「そういうキャラで売っているので」
「ちょっとウケルんだけど」
 そんな言葉使う人初めて見た。


「伯爵、次の教育心理学概論ってテストいつだっけ」
 僕その講義とってないんですけれど。



 といった感じで、見知らぬ人に最近できた伯爵というあだ名で呼ばれることが増えた。
 なんだ? 僕はそんなに有名人か?

 


 と思っていたら、新しく友人になった教育学部の海老原という男が教えてくれた。
「ああ、俺のクラスに伯爵ってあだ名の奴いるぜ」
「マジで?」
「マジで。ついでにお前と顔似てる」
 そういうことか。
 つまり、あの透明人間っぽい女の子も、教育学部なのか。



 



2007年07月17日(火) ■
伯爵長編・カンテラ伯爵と透明人間Z・4


 透明人間っぽい女の子、佐々木女史になんでこちらを見てるのか? と質問されて、僕はどう答えようかと少し首を傾げた。

 正直、変な格好してるなーと思ったからである。
 ゴシックな格好(たぶん、ゴスロリとは違うんだと思う)をした大学生が食堂でカレー食ってたら奇異の眼で見るだろう。

 しかし、正直にそう言っては相手を怒らせてしまうんじゃないだろうか? そういう常識的な回答が頭に浮かんだので「いや、特に。たまたま」と答えることにした。


 ただ、そこまで思い至るのに三秒くらいかかってしまった。

 その三秒は彼女には僕が言い訳を考えていると思わせるに十分な時間だったらしい。

「嘘くさい」

 言われてしまった。まあ、嘘だもん。
 こう言う時は正直に、オブラートに。

「いや随分とお洒落な格好だから」
「変だと思ってたんでしょう」

 いえ、透明人間みたいだとか思っていました。
 しかし、そのまま言ったら僕がイタイ子になる。
 というか、この人はどうして見ず知らずの僕にこんなになれなれしく話しかけるんだろう。
 最近の女の子って、こんなにフランクなのか?

「伯爵こそ、その格好随分とお洒落やん」
 作務衣が?
 ああ、でも最近の女の子は変わったものやゲテモノを可愛いとか表現するからなあ、と捻じ曲がった女性観の僕がぼうっとしている時間も、言い訳を考えている時間と思われたのか、佐々木女史(その当時は名前など知らなかったけれど)は会話を打ち切った。

「じゃあ、またサークルでね」
「はい、それでは」


 ううん、うまく会話できなかった。
 しかし、僕はあの子と同じサークルに所属していたっけ?
 でも、『伯爵』という僕のニックネームを知るくらいだから、そうなのだろう。
 実はあんまり人の顔を見て話をしない僕はけっこう友人の顔でさえよくわかっていない。もしかしたら、知らないだけで、同じ団体にいる人なのかもしれない。そういうの、頓着しないし。






 しかし、疑問。
 その当時、カンテラ伯爵はまだサークルというものには所属していなかったのだ。
 あの人は、一体何のサークルの話をしていたのだろう。
 

 




2007年07月16日(月) ■
伯爵長編・カンテラ伯爵と透明人間Z・3

 というわけで、普通のことをすると余計に変に見えるような変わり者が世の中には多いようで。



 そういう人間のことを考えると、透明人間と同じだな、なんて風に捉える。
 何が透き通ってるのかはわからないけれど。



 
 そんなことを考えながら食堂でカレー食べてると、後ろから声がした。
「不言実行と有言実行って両立できるのかしら?」
 ……こいつ何言ってるんだろう?
 っていうか、誰?


 後ろを見ると、黒い膝丈まである上着を着た女の子だった。
 なんだこの子、全然透き通ってないぞ。っていうか、濃い。
 もしかしてそっち系の子か?

「あの、何言ってるんですか?」
「この頃私のこと見てたけれど、何?」

 会話文に会話文で返されてしまった。

 しかし気に障るほどに僕はそんなに彼女のことを見ていたのだろうか?




 そんなこんなで、僕は佐々木女史と友達になったのだった。

 



2007年07月13日(金) ■
伯爵長編・カンテラ伯爵と透明人間Z・2


 僕にとって透明人間のイメージは、普通の格好が逆に目立つ。である。

 コートに帽子サングラス。包帯で体を包み肌を見せないようにしているという何かを隠しているさまがとても怪しい。普通であろうとしていることが疑わしさを持たせるという逆転がおもしろいなあ、と思いながら透明人間の挿絵を見ていた小学生のころ。
 変な人間ほど、自分のことを普通だと思いたがるという原理に気づいた中学生時代。

 だから、僕は透明人間というものについて考えるとき、むしろ彼らは人の目に着きやすいように頑張るんじゃないのか、なんて考えたりした。


 



2007年07月12日(木) ■
伯爵長編・カンテラ伯爵と透明人間Z


 透明人間っぽい人がいる。

 いつも黒い膝まで丈のある上着を着て、一人で昼食を食べている。
 靴は紫、髪は茶色い。世に言う、ゴシックな服装だろうか。
 鞄は木目な感じ。そう言えば馬路村とかで木製鞄とか言うおしゃれなグッズが売られているという話を聞いた。たぶんそれ。
 そんなに見かけるわけでもないのだけれど、見かけた時はいつも一人で座っている。
 ぶっちゃけ、学校の中で2人以上で歩く人間ってそんなにいない。いつも誰かといる人間もいれば、いつも1人で歩いている。
 そんなのは、驚くほどのことでもないのだろう。
 

 

 学校外を歩いていて、その子を見つけたことがある。
 ものすごく普通な服を着て、ものすごく普通な人達とものすごく普通な顔をしておしゃべりしながら歩いていた。



 あの子、学校ではどうしてあんな奇抜な格好しているのだろう。
 今日もその子を見かけた。
 夏だと言うのに、いつもどおりの、膝まで丈のある黒い上着を着て、食堂でもくもくとカレーライスを食べていた。
 この子、こんな格好をしてどうして目立たないのだろう。
 むしろ目立ちすぎてわざわざ気にするような相手じゃなくなってるのかなあ。


 
 まるで、透明人間のようだった。
 

 普通の格好をしていたほうが、みんなの視線を集めるような美人なのになあ。
 伯爵的美感だけれども。

 



2007年07月11日(水) ■
男爵日記・オープンキャンパス


 が夏にあります。

 そこで五分ほど高校生相手にスピーチをすることになりました。
 何を話せばいいんだろう?

 で、決まったのが力量でとかじゃなくて研究室の先生がオープンキャンパスの係だったから。

 偶然。

 喋るのがうまいとかが理由だったら、格好よかったのにな。


 



2007年07月09日(月) ■
伯爵日記・メカカンテラ男爵の罠

 
 って感じの夢を見た。

 自分の偽者が自分の代わりに研究室に来たり勉強したりご飯食べたり。


 ちょっと便利かもと思ってしまった僕は次辺りに入れ替わられてるかも……




2007年07月08日(日) ■
伯爵日記・伯爵ボウル


 今日はビーフソーセージ公爵主催のボーリング大会。

 二部門で表彰されたカンテラ伯爵

 最下位 ワーストペア受賞

 さすがにビギナーズラックが尽きたようです。


 ロビーに『三世代スポーツ 健康にストライク』と書いてあるポスター。

 確かにスポーツかな。

 疲れた。



2007年07月07日(土) ■
伯爵日記・現実的な問答


 友人を亡くしたという女の子と会話をしました。
「哀しいって気持ちが、どんどん色褪せていきそうで」
 それが嫌、と言っていた。

「忘れるのが嫌なんて言ってるんだ。色濃く残るさ」
 どこか、他人事でそう答えた。

「色濃くなんて、残って欲しくない出来事だよ」
 その通りなんだよなあ。

 そこで、会話を打ち切った。
 僕は、言葉を続けるべきだったのかしら。


 



2007年07月05日(木) ■
伯爵日記・夢の話だそうで


 体育館2階武道場の畳で横になってると、ブラックペッパー伯爵が来た。
 なんでも陰惨な夢を見たらしい。
 

ブラックペッパー「夢ん中で、俺とカンテラとあともう1人知らない男がいて、みんな俺の実家にいるんだわ」
カンテラ「ふむふむ」
ブ「そうしたら、そのもう1人は何か犯罪を犯そうとして失敗したらしくて、手に包丁を持って死のうとしてて」
カ「ああ、悪あがきですね」
ブ「俺は利己的だから、「部屋が汚れるからやめろ」とか「そんなつまらんことするな」とか言ってた」
カ「良識人ですね」
ブ「そしたらお前が『じゃあダンボール敷きましょう、汚れないし』」
カ「ブラックさんが僕のこと無意識でどう思ってるのかよくわかりました」
ブ「で、気がついたらそのもう1人の包丁をカンテラがぶんどってる」
カ「おお」
ブ「で、そのもう1人の首筋にこう刃をくっつけて」
カ「何故に?!」
ブ「俺が危ない、汚れる! って言ってるのに「大丈夫ですって」とか言って切り落とした」
カ「何ー!」
ブ「で、切り落としたと思ったら変にリアルな音して首が落ちて……気がついたらそれ、マネキンになってた。それで、2人でそのマネキンを袋につめてゴミ捨て場に出してきた。今思うと、本当ひどい夢だったな……」
カ「そのストーリーで悪いことしてるの僕だけじゃないですか」


 なんともはや。

 



2007年07月02日(月) ■
伯爵日記・話の取っ掛かり


 
「この後何かあるの?」
「いや、何にもない」

 という会話をしました。
 全然話の取っ掛かりになっていません。
 なんかこう、研磨剤で磨いたような人間関係が増える今日この頃です。



 閑話休題


 トマトをカレーに入れるのって、どうなのかしら?