2003年08月29日(金) |
オムツはいつ外れるか?(25) |
お迎えに行った時、担任の先生に呼び止められた。いつ里帰りをするのか、と。
実は前回に続き、今回も里帰り出産を予定している。ルンバのことを考えると、本当は里帰りしないほうが良いのかもしれないが、夫は忙しくて平日早く帰れることがあまりないし、実母も義母も働いている。産後、わんぱくルンバを見ながら一人で赤ちゃんの世話をする自信はとてもなく、里帰り出産を選択するに至ったのだった。出産予定日は10月17日なので、9月半ばには実家に帰らなければならない。そこから約2ヵ月間、ルンバは保育園をお休みすることになる。
9月半ばの予定と答えると、 「あと2週間しかないのかあ〜」 と先生。聞くと、ルンバのトイレトレーニングについてのお話だった。
トイレトレーニングがこじれだしてから、ルンバは朝出かける前に誘っても、絶対にトイレに行かなくなってしまった。今月半ばから、朝は夫に連れていってもらっているため、以前より家を出る時間が早くなり、そんなこともあって、登園時にパンツの時とオムツの時とがある、というような状況になっていた。よくないなとは思っていたけど、ルンバの気持ちがどうにもトイレに向かないのと、自分自身の仕事の忙しさから、ズルズルとそんな状態を続けてしまっていたのだ。
でも、やっぱりそれじゃルンバが混乱するんじゃないかという話だった。ルンバはもう尿意はちゃんとわかっている。保育園や家だと、もらしてもすぐに取り替えてもらえるということをわかった上で、トイレを嫌がり、おもらしをしているという確信犯なのだ。外出すればギリギリまで我慢するため間隔がすごく長いし、自分から尿意を申請してトイレに行くこともできる。あとは本人のやる気次第なのである。で、やる気が出るのをずっと待っていたのだが、なかなか気持ちが変わらず…という感じだった。
「いまがラストチャンスだと思うんですよね。赤ちゃんが生まれたら、お母さんもいろいろ大変だと思うし。でも、あと2週間くらいで里帰りということは、その後はトイレトレーニング難しいですかねえ。思い切って、朝はパンツに統一しちゃったほうがいいんじゃないかと思うんですけど。でも大変そうだったら、保育園に着くなりパンツに替えてもらえれば」
ここまで言ってもらったら、私も覚悟を決めるしかない。幸い、急な仕事は大体終わって、あとは比較的のんびりと進めればよい仕事だけという状態に、私のほうも落ち着いてきた。よし、やるぞっと心に決めたのであった(遅い?)。
夕食の途中のこと。食事イスから降り、ゴロンと横になったルンバ、 「あかちゃん、あーん、ってして!」。 なぜだか急に赤ちゃんになってしまった。仕方がないので 「あーん」 と食べさせてあげると、とても嬉しそう。おいおい、下の子が生まれる前から赤ちゃん返りかい?
そうかと思うと、私の大きなお腹を見ては、 「ママ、あかちゃん入ってるの?」 「あかちゃん、いいこね〜。いいこ、いいこ」 となでてくれる。 今日などは、お風呂に入る前、服を脱いだ私のお腹に 「あかちゃん、チュー!」 と言いながらチュッとキスしてくれた。 生まれてからも、その調子で仲良くしてくれますように。
私がソファに横になり、ついウトウトしていた時のこと。ルンバが私の足を見て、 「ママ、これ、いたかったの? ルンバくん、おくすりぬってあげよっか」。 小さなすり傷ができていたのを見つけたようだ。オロナイン軟膏でも塗ってくれるのかしら…と思いつつ、 「うん、お願いします」 と言うと、ルンバがごそごそ…。 そして私の足は痛みに襲われた! えっ…。 「ルンバくん、そのお薬は虫刺されにしか塗っちゃいけないんだよぅ!」 すり傷にムヒを塗るんじゃない〜〜〜っ!!!
連絡帳を見て、笑ってしまった。 こう書いてあったのである。
「ここ2日くらい、給食時に苦手なものが残ると、テーブルの上にうでを組んで寝てしまうルンバくんです」
寝たふりをして、ごまかそうとしているのか。先生もパパママも、そんな手には乗らないぞ。でも想像すると、笑える絵なのである。
半年ぶりくらいに、近所のお友達宅に遊びに行った。 本来は花火見物のはずだったのだけれど、あいにくの雨で、花火は中止。せっかく予定を明けていたのだからと、花火なしのお食事会を開くことになったのだ。料理は持ちより。毎度ながら、持ちよりパーティーをすると、美味しいものづくしで嬉しいかぎり。
雨続きで外に出られず、体力を持て余していたルンバは、出かける時から大はりきり。念のためベビーカーを持って出たけれど、「自分で歩くの!」と、カッパを着込み、傘をさしながらテクテク歩く。傘をさすのも、ずいぶん上手になってきたものだ。
お友達の家が見えると、 「あっ、あった!」 と走り出す。久しぶりに来たというのに、ちゃんと覚えているものなのだな、と2歳児の記憶力に感心しつつ、お友達宅へ。
久々に会うと、子どもの成長の早さにいつも驚いてしまう。みんな顔つきも動きも全然違うし、言葉もどんどん達者になっていく。前に会った時は子ども同士の会話などそれほど見られなかったと思うけれど、今回は、 「ルンバくん、なにしてるの?」 「シールはってるんだよ」 なんていう風に、普通に会話を交わしていたので、びっくりしてしまった。そうだよね、お友達は3歳、ルンバだって来月末には3歳なんだもの。
それにしても、今回はあらためて、ルンバのずば抜けたワンパクやんちゃ坊主ぶりを痛感してしまった。半年ぶりの再会でもまったく物おじすることなく、誰よりも笑い、騒ぎ、遊びまわる彼。いつもライバルとなる男の子が今回は参加していなかったこともあってか、保育園で子ども同士のやり取りに揉まれているせいか、すっかりガキ大将である。
お腹の子どもの性別をまだ聞いていないことを話すと、ママたちに「どっちだろう、楽しみだね〜」。そんな私たちの横を、大声で笑いながら駆け抜けていくルンバ。誰ともなく、 「でも、もし男の子で、ルンバくんに似ていたら、大変そうだねえ…」 とポツリ。 「間違いなく大変だと思う…」 とゲンナリ答えた私なのだった。
気がつけば、ずいぶんと言葉が達者になったルンバ(現在2歳10カ月)。感情を表現する言葉もたくさん覚えた。
それにしても2歳児、なんとストレートに感情を表現することか。年齢を重ねるにつれ、自分の気持ちを直接的な言葉で表現することが減っていたこちらとしては、新鮮だったり、笑ってしまったり。そしてたいていの場合、抱きしめたくなるほど可愛らしい。
例えば、いたずらをして叱られた時。目から涙をポロポロこぼしながら、「ルンバくん、かなしかったの〜」。 例えば、自分の思い通りに物事が運ばない時。肩をプルプルふるわせながら、「う゛ーー! ルンバくん、おこってるんだぞー!!」。この場合、彼の怒りが激しければ激しいほど、「おこってるんだぞ、ガーッ!」という叫びがなんだかおかしくて、こちらは笑ってしまう。
そして最強なのは、なんといってもこれだろう。 「ルンバくん、ママ(パパ)のことが、とっても大好きなの!」。 なんの脈絡もなく、にっこり笑いながら言うのである。言われたほうは骨抜きのメロメロだ。こんなセリフを言ってくれるのも、いまのうちだけ。親ばかと言われようが何だろうが、せいぜい抱きしめさせてもらおう。
身体測定がありました。ルンバ2歳10カ月。 身長:92.1cm 体重:14.6kg いずれも微増。
夕食を食べていたら、ルンバが「おかしちょーだい」と言いだした。 「いまご飯食べているんだから、お菓子なんてダメだよ!」 と言いながら、ルンバの話をよくよく聞いてみたら、「おかし」とは「おはし」のことを言っている様子。私がお箸を使っているので、自分も真似したくなったのだろう。
それならとルンバに一膳、お箸を渡してあげると、不器用な手付きで一生懸命、食事を始めた。使い慣れていないので、なかなかうまくいかないけれど、つかむのに成功すると、すごく嬉しそうに口に運ぶ。おかげで、ただでさえ1時間以上はかかる食事時間が、2時間近くもかかってしまったけれど、あまりに一生懸命だったので仕方がない。同じくらいの子どもでも、もう上手にお箸を使える子はいる。ルンバもそろそろ本格的に練習したほうがいいのかな。本人のやる気があるうちに。
最近ルンバが保育園でハマッている遊び。それはお医者さんごっこである。
お医者さんごっこの花形、それはなんといってもドクター役だと思うだろう。私もそう思っていた。ところがルンバ、つくづく変わり者である。彼がハマッているのは、病人役なのだ。
登園すると、いそいそと人形用の小さな布団を何枚も出してきて、この暑いのに自分の全身にかけて横になる。そうして、いつも看護婦としてこの遊びにつきあってくれるMちゃんに、 「Mちゃん、ルンバくん、おねちゅ出ちゃった」 と言って、介抱してもらうのである。
Mちゃんはと言えば、フォークでルンバの腕を刺したり(注射のつもり?)、プラスチックのカップを口に押し付けたり(酸素マスクのつもり?)、やりたい放題である。そして、なされるがままのルンバ。これが、毎朝お決まりの光景になってしまった。
それにしても、ルンバは単に寝ているだけ、やりたい放題やられているだけだというのに、一体なにが楽しいのだろう? ほかのお友達にも、 「ルンバくん、またそれやってるの?」 とあきれられながら、毎朝Mちゃんの顔を見ると、 「おねちゅ出ちゃった〜」 とフラフラし始めるルンバなのであった。
またまた近所の公園のお祭りに行ってきた。ちょっと大きなお祭りで、広場では子ども向けイベントとして「アバレンジャーショー」が行われた。ルンバは、テレビで見たことがないにも関わらず、アバレンジャーが大好きである。せっかくだからとショーを見に行った。
すごい人出だったので、ステージ上のアバレンジャーは豆粒のよう。それでもルンバは夢中になってショーを見ていた。終了後は興奮しまくり。 「アバ、アバ、アバ、アバレンジャー!」 とか言いながら、戦闘モードに入っている。
自動車や電車などの乗物にハマッた時もそうだったけれど、こういう戦隊モノも、教えてもなければ家にオモチャもないのに、気が付けばルンバは自然に夢中になっていた。オスの本能なのだろうか? なんだか不思議だ。
その後、アバレンジャーが会場パトロールに現れて、ルンバはタイミングよく握手してもらえた。以来ますます「アバアバ」うるさい彼なのだった。
今日から、ルンバのクラスに新しいお友達が一人、仲間入りした。女の子だ。
昼食前、先生がそのことを子どもたちに話し、 「新しいお友達、どこに座っているかな〜?」 と聞くと、皆が声をそろえて 「Mちゃんのおとなり〜!」 と答えた。
ところがその調和を乱す者が一人。もちろんルンバだ。彼は一人でこう言っていたのである。 「ルンバくん、Sちゃんのおとなり〜!」 いや、それはそれで正解なんだけど。でも違うだろ。
自分中心に地球が回っているルンバは、大ボケかます天然くんもはなはだしい。まったくもう、おバカだねえ。
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