for want of a better word
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六本木ヒルズの美術館に高校の友だちと行った。 もともと親しい友人と二人で行く予定だったけれど、そこに美術の授業で一緒だった女の子も飛び入りして三人で行った。 二人ともいわゆる金持ちで、お昼に入ったハードロックカフェでいきなり二千円飛ぶのは誤算だった。
美術館のチケットは無料券を友だちが持ってて、ただで展示と展望台が見ることができた。 他人の考えることは理解するのが難しいのと同様に、現代美術はどうにも理解できないけれど、面白いものを沢山得た。 展望台の景色は関東全域が見渡せるんじゃないかと思わせるほど高くて、雲がすごく近かった。ここから見る夜景はさぞかしきれいなんだろうなと感じたけれど、お金がかかる六本木に来ることはもうしばらくない気がした。
渋谷までバスで出て、居酒屋でだらだらと話をした。 この三人で遊ぶなんて考えたこともなかった。三人が三人でそう話した。
なんだか高校の人と卒業後に仲良くなることがやたらと多い。嬉しいけれど何だか不思議な気分だ。
僕にその声が掛かったのはもうじき入試というころ。とりあえず受験が終わるまで待ってくれと言って、結局去年受験には失敗した。 それから改めて声が掛かった。二人で芸術プロジェクトを起こさないか、という誘いだ。それほど親しい付き合いのある友人ではなかったけれど、僕が高校で唯一芸術分野に進んだことや、作品や、文章やらからそのプロジェクト始動のパートナーに選んでくれたようだ。 ファッション、映画、音楽と幅広い分野を目的として芸術の新たな可能性を見いだす、という目標を持って、出来ることからやっていこうという誘いだった。
僕は浪人生活をより有意義なモノにしたかったし、成功やら失敗に関係なく、間違いなく自分自身を成長させる。話に乗った。 そうして僕らは動き出した。
僕ら二人には音楽で動き出す技術が無く、とりあえず音楽分野は来年に保留。今年は模索しながらファッションと映画を作ろうということで決まった。
ファッションには気を利かせ続けなきゃ行けない美容師の専門学校に進んだ奴に声をかけ、とりあえず3人でファッションの分野を攻めていくことにした。 T−シャツと帽子と靴。靴は既存のモノをリメイクするという形で攻める。目標は八月末のフリーマーケット。それまでに3人で吟味し、とりあえず様子を見ると言うことでリスクの少ない数量を作って販売するのが目標だ。
映画はまだ未定だけれど、ショートフィルムを作ってコンペに出品したいと考えている。受験生の自分がどこまで参加できるかわからないけれど、とても有意義なものになるはずだ。
ファッション方面のブランドコンセプトは デザイナー自身が着たい服。 3人が3人とも服装の趣味がバラバラだから、ブランド名は VALA BARA。
どこまで行けるかわからないけどとりあえず動き出した。 どうなっていくのか楽しみだ。
予備校の帰り道、高校時代に何かしらの形で携わった、僕が相手の顔を覚えてる人、四人とすれ違った。 高校が一緒だった女の子。友達の後輩。毎朝同じ電車だった足の綺麗な女子高生。スケボーをやるときに何回か見に来たギャル。 その四人とは今日一言も言葉を交わさなかった。 なんだか、自分と一度でもすれ違ったことのある人は世の中に何百万といて、そしてその人達とは必ず死ぬまでにもう一度すれ違う気がする。 今日はなんだか自分の中に引力を感じた。
これからもっともっと人を引き寄せられるような男になろう。
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