くじら浜
 夢使い







満月を少し過ぎた頃   2002年04月29日(月)

ふと空を仰ぐと
遥か彼方の雲の隙間に
満月を少し過ぎた光が浮かんでいた










小さなイノチ   2002年04月25日(木)

赤いハイビスカスには
ツマベニ蝶が似合う

まっすぐ伸びるキンショには
オニヤンマが似合う

土の中に眠った生命は
いつも空から君を見ている













覚醒する自分   2002年04月24日(水)

太陽のエネルギーを細胞のひとつひとつに送り込み
再生された血液と蓄積されたイノチを少しずつ呑み込めば
体内のいたるところでその衝動は伝導されて
それは宇宙の波動と響き合い
雲は水平線の彼方で光を受けて
そこに覚醒する自分がいる。










一滴   2002年04月17日(水)

その果てしなき先の世界に
歩いています

乾いたら
一滴の雨水で潤せばいい








元ちとせ語録   2002年04月13日(土)


奄美は大好きで大嫌いです

奄美に守られたいし、奄美を守りたいです










午前4時50分の雀   2002年04月11日(木)

上空に落とされた白の一滴は徐々に広がり始め
すずめの覚醒を促した。

すすめの囀りは東へと響き
その軌跡に引かれた赤は
にわかに白に沁みわたり
それぞれが主張することなく
やがて落とされる青に同化する。

光の核はあくまで独立し
桜の緑を反射した。









海と山 ��   2002年04月08日(月)

少女は少年の手をとろうとしました
少年はちょっと驚いて手を引っ込めようとしました
でもすぐに ふたりは手を繋ぎました
そしてベンチの上に 一緒にねっころがりました
ふたりの上には強い陽射しが降り注いでいました

少年は少女の汗を拭きました
少女は少年の汗を舐めました

空高くおおきな鳥が 弧を描いて飛んでいくのが見えました
山は空に近く
雲は手を伸ばすと触れられるように思えます
照りつける陽射しは心地よく
草の匂いが鼻をくすぐります

少女はいつまでもこうしていたいな、と思いました
少年は少女の匂いのする海を見たい、と言いました

「ふたりで海に行きましょう」

ふたりは手を繋いだまま立ち上がりました
少女はベンチを振り返り その向こうに見える雲を見上げました

ふたりは山を下りました
海に向かって進みました

少女は少年の手をとって歩きます
少年は少女に手を引かれて歩きます

少女は少年に海を見せてあげたいと思いました
少年はきっと海が好きになるでしょう
少女にはそれがわかります
強く、確かに、わかるのでした

海に近づくにつれ 少女はだんだん嬉しくなりました
風に潮の匂いが強く混じります

帰ろう
かえろう
海に還ろう

少女はどんどん歩きます
少年の手を引いて飛ぶように歩きます
少年は少女に手を引かれていると
忘れていた何かを思い出しそうな
不思議な気分になりました
嬉しそうにしている少女を見ていると
少年まで楽しくなります
あったかくなります

とうとう海が見えました
母なる海が見えました

ふたりは海のすぐ近くに立っていました

「どうして泣くの?」
少女は少年の涙を見て聞きました
「帰ってきたから」
少年は答えました

「ここがあなたの海だよ」
少女はそう言って
少年の涙を舐めました
そうして
少年の手をとって海に入りました

少年は海から遠く見える山を見上げました

「遠いね」
少年は小さな声で言いました
「いいえ」
少女は答えました

「君はよく来てくれたね」
少年は言いました
「あなたはよく来てくれたね」
少女は言いました

ふたりは海のなかで抱き合いました


海はふたりを
優しく大きく包みました。

山はそれを
悠然と見守っていました。









海と山 ��   2002年04月07日(日)

あることろに少女がいました
べつのところに少年がいました
少女は海で生まれ
少年は山で生まれ

少女は海が大好きだったけど海しかしらなくて
山に一度でいいから行ってみたいと思ってました
ある日少女は海を泳いで
うんとうんと泳いで
その向こうの
はるか先の
大陸まで泳いでいきました
そこには程よい高さの山があって
少女は登り始めました
山の木もそこに飛んでる鳥たちも
すべてのものが少女には初めてで
草の匂いをかいで
空を仰いで
汗をかきかき山にのぼりました

頂上にはすぐにつきました

山のてっぺんには木をちょこんと置いただけのベンチがあって
ひとりの少年がはるかかなたをのぞんでました
少年は山しかしらなくて
そのはるかかなたにあるだろう海のことをいつも
考えていました
でもどんなに想像しても海をおもいうかべることが出来ません
海はどうやったら行けるんだろう
ベンチのうえで仰向けになって空をみあげて
目をつむって
そしたら
かすかに
どっからか海の匂いがするではありませんか!
ふと からだをおこし
その匂いのする方を見てみると
ひとりの少女がこっちを見てました

「君はだれですか」

「わたし、海から来ました」

「ぼくは、山です」

少女はやっと山に出会いました。

少年はやっと海に会いました。

「ふたりで海に行きましょう」









半月   2002年04月03日(水)

見上げると半月

それは未完成ではなく
成長の可能性







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