白虎草紙
『遙か』の白虎組についての四方山話、SSなどです。

2006年03月29日(水) 懐かしい 千鳥が淵の



 
 
新人時代、オフィスが九段下にあったので、
「東京の桜」というとまず千鳥が淵の桜が浮かびます。


(「キス本」に寄稿した一編をご覧くださった方が
もしもいらしたら、
今、あるいはにやりとしてくださったことかも知れません…)


さて、その千鳥が淵を桜を楽しみ歩いていたところ、
千代田区が、桜を維持するための「さくら基金」を募っていました。


いつも、綺麗な桜をただで拝ませていただいているので、
そちらに近づき、そっと微々たる額を献金したところ。

ブースにいらした二人のおじ様が、
「募金をくださった方に差し上げてるんですよ〜」と微笑んで、
上の千代田区お花見マップと、
「さくら基金」と書かれた桜模様の飴ちゃんと、
そして、スーパーのビニール袋に包まれた、
山盛りの腐葉土をどかっと差し出してくれました。


ああ、おうちにお庭があったなら…


「わぁ、嬉しいです〜、ありがとうございます〜!
ですが、うちにはお庭がないのでこちらとこちらを頂きますね」



ほんのワンコインの献金だったのに、
こんなに色々と素敵なものたちを、
かえって恐縮してしまうようなサービスを頂いて、
桜の美しさと共に、
ほんわりあたたかい気持ちを頂いたことでした。



その後、頂いた上のお花見マップは、
千代田の桜巡りに、大活躍をしてくれたのでした。





付記:
写真の「さくらぽーたる」は、
携帯電話で区内の町名由来板の
QRコードを読み取ると、
「日比谷公園55本、外務省83本」のよう、
周辺の桜情報が見られるサービス。
詳しくはこちらに出ています。
 
 
 
 
 
 



2006年03月28日(火) 都内桜狩り (四ツ谷の土手)


 

四ツ谷は上智大学前の桜の続く土手。

“春宵花月値千金”

月の代わりに、右手に六本木ヒルズが光っている。



桜が見頃とニュースで見、
月曜に目黒川、
火曜に千代田区周辺を、
桜を狩りに巡ってみた。
 

上は、火曜の最後に辿り着いた四ッ谷駅の近く。


土手では、花見に来ていた十八前後の
あどけなさの残る青年らが、
靴を飛ばして、
子供のように競って遊んでいた。


とっても無邪気でかわいいさまだけど、
上智の学生だとしたら、
これでとびきり頭がよかったりするのだろうなあ……(笑)


鷹通と同じ年頃の彼らに笑みを誘われたことだった。



ときに、上智大学の学生と、
昔ディベートで対戦したときに、
自らの大学を「ソフィア(=ギリシャ語で“英知”)」と称していたのが
なんともかっこよく聴こえた。


京大は、「Kyoto University」、
東大が、「The University of Tokyo (俗にUT)」と表記されるのも、
理由はわからないのだけれど、
違いにこだわりが見えてちょっと面白いなあと思っている。
 
 
 
 
 
 
 
 
 





2006年03月26日(日) 旅をせんとや

 
友人二人と春の愛知に行ってまいりました。

 
土曜日、11時前に名古屋駅で待ち合わせをしたのですが、
品川からのぞみに乗り込み、
一時間十五分を過ぎたところで新幹線酔いに(笑)


ううん、帰省に仕事にばんばん使い、
乗り慣れた手段であったのに、
文字通り青くなり座席で奥歯をかみ締めておりました…



東奔西走、というほどのものでも
けしてなかったのですが、
移動が最近若干多かったので、
身体がぴーぴーアラートを発したものかも知れません。



果たして、名古屋の南の改札口で、
友人と落ち合うや否や、


「うおー、おひさー!(ハイタッチ)

…で、ごめん、先にどっか薬局に連れてって〜〜…」




友爆笑。
なんと色気ない自分であるのでしょう(笑)




そんな始まりの旅は、けれどすっごい楽しかったですよ〜。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 



2006年03月24日(金) La○a感想 振り向けば彼が居て




桃の木々のそのたもと、
金柑が爽やかな香りを放ち、実っておりました。

 
 
LaL○の、ネタバレ感想です。

オッケーな方は10行下をご覧くださいませ…









…その意味でないと分かっています。

分かっていますが友雅さん。

鷹通が石頭といつどこで知ったのですかー……!?






「鷹通…ねぇ鷹通」

「え…なんですか?」


と振り向きざま…
ごちっ。


「っ…」

「すみません!

…眼がよく見えなくて……」






何十回でも何百回でもぶつけていてください!














 



2006年03月22日(水) ひとことフォームにつきお知らせ

 
ひとこと取り急ぎ追記:

La○aを読みました。
脳内鷹通祭りです〜!
(多分見ていたかの方と一緒に。)

ありがとう公式!
迷宮(ゲット済みも未プレイ)も楽しみな春でございます。(うきうき)

 
 
 
* お知らせ *


いつも拙宅をご訪問いただきましてありがとうございます。

現在、メール・メッセージへのご返信に、
相当のお日にちをいただいてしまっております。

せっかくの勿体無いお心遣いをいただきながら、
ご厚意にこたえられない状況がとても心苦しく、
「ひとことフォーム」のリンクを一時外させていただきました。


なお、メルアドは、(迷惑メール急増などの事情から、)
現在は非公開にしておりますが、アドレス自体は生きており、
ほぼデイリーで確認できております。

メルアドをご存知の方で、ご用件・ご連絡などございましたら、
当面、メールのほうでお伝えいただけましたら幸いです。
ご不便をおかけし恐縮ですが、
どうぞよろしくお願い申し上げます。



思えば、表のひとことフォームから、
ぽつり、ぽつり、と頂戴します、
あたたかいご感想、お言葉に、
設置以来どれほど励ましていただいたことでしょう…


本質的には、お言葉を頂けるかどうかに
もたれるようではいけない、
たとえお言葉という形でご反応をいただけなくても、
「それでもこれは自分ではベストまで持っていったものだ。
だからこれでいいのだ。」と、
胸を張って立っていられる、
そんなものだけをアップしなければならないと思うのですが。


それでも、ベストまで持っていったと思えるもののうち、
特にがんばったと思えるお話には、
まるで書き手の思いが通じたかのように、
お言葉を掛けていただけることが多く、
本当になんて幸せ者なのだろうといつも感謝しております。


しばらく、これまで以上に閉じたサイトになりますが、
いつかまた、フォームを繋ぎました際には、
もしも何かお心に真実かなうものがありましたなら、
ちょこっとだけはっぱをかけてやっていただければ
とても幸せに思います。


本日は、お詫びとご連絡まで。









2006年03月21日(火) 花の色は

 
 
びわのことを書いて思い出しました。


実家の隣の家の方が、
染め物をされるのですが、
びわの木を染めものに用いると、
とても美しい色が得られるのだそうで、
二、三年前に枝を所望され、
まだ実をつけていない枝を父が差し上げていました。


私は、染められたその布を、
実際に拝見はしていないのですが、
どんな色に染まったのかなぁとすこし興味を覚えます。



最近、開花を始めた桜木も、
花咲く前の枝を使うと、
美しい染め物ができるのだそうで。

それは、花へ送られる紅色が、
枝にまだ在るうちに頂くことから
可能なそうですが。


花の身になれば、
せっかく蓄えた色を、
咲かせることなく奪われ無念と思われるのですが…


それでも、染め上げられた織物が、
たとえば数十年、
数百年すら生きるのだとしたら。


そういう花の咲かせ方もまたあるのかもしれないと思われたりします。





ときに、昨日の最後の一文に、
ピンと来られた方はぴんぽん正解でございます。


かつて、ロシア中の青年をとりこにした、
チェーホフの『中二階のある家』は、
これほど美しいラストにはめったと出会えない、
夢や幻のように美しい恋愛の傑作短編です。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 



2006年03月20日(月) それから十一年


 
 
95年の震災で、朽ちた庭のびわの木。


この木の下には亀が居て、
遊んでもらったことですが、
木を追うよう、彼も行方知れずとなりました。


けれど十年後、二代目のびわはこんなに大きく育ち、
春には花を、夏には実を、
またつけてくれるようになりました。





 
びわは、3月のおよそこの時期までに、
肥料をたっぷり与えてやると、
夏ごろに、美味しいその実をもぐことができ。
  

おととい、父は時間をやりくりし、
この木の根元に手製の肥料をまいてくれました。




亀さん、きみは今どこに居るのだろう。

 
 
 
 
 
 
 
 



2006年03月17日(金) 追記:お知らせとお詫び / 一輪ほどの

 
追記:お知らせとお詫び

 
家族が木曜夜に入院しました関係で、
少なくとも土日は完全にネット落ちをさせていただきます。
メール・携帯メールともに(院内にいることが多いため)
拝見・ご返信が遅くなりますことをあらかじめお詫び申し上げます。


また、19日のイベントにつきましても、不参加となります。

先日来、イベントの予定をお尋ねくださった方、
気にかけてくださった方、もったいないお心遣いをいただき
ありがとうございました。
また別の機会に、よろしければぜひお話しさせてやってくださいませ。


そして準備のお手伝いに挙手させていただいていましたのに、
ご恩返しを果たせませんでした某さま、
こちらの都合で大変なご迷惑をおかけし、
本当に本当に申し訳ございませんでした…


19日のイベントが、またこの週末が、
皆様にとり笑顔いっぱいのものでありますよう、
西の空よりそっとお祈りしております。
 



*





 
 
父が、花が大好きな母のために丹精した、桃と水仙です。


私が、きれいきれいと喜んでいたところ、
「ほならいいのんを取ってきたげよ〜。

見てあげたほうが花も喜ぶからなあ」と云って、
何本かみつくろい、
チョキンチョキンとハサミで切ってきてくれました。


ガラスの小瓶とお皿、木の盆は、
Natural Kitchenという店で、本当に安く購入したものです。


水切りを済ませた花を挿し、
祖母と母に見せたところ、

「いやあ、もう桃が咲きそうなんやねえ。

水仙もかわいいわあ。かわいいわあ」と、
にこにこ顔で小さな花を眺めていました。


ただ数輪の花、
300円の飾りつけは、
値のつけられない、笑顔の花を、
春を待つ家にふんわり優しく咲かせてくれました。 
  

 
 
 
 

 
 
 



2006年03月13日(月) 春バトン




 
今日の日記に、水仙を撮って上げようと思い、
庭に降りたところ…


ピンクの色がこっちこっちと私に目配せをします。


見ると、桃の木たちの蕾が、
今にも咲き零れんとぷっくり膨らんでいました。


「きゃあ、ぷくぷくしてかわいい…!」
 

指を、伸ばしかけました。



で、(触れるのはこらえ、)携帯を差し向け、
写す蕾をあちらこちらと探っていたところ。


雪が降ってきました。


(蕾に誘われたのかしら…)



ううん、夜であったら雪月花、揃ったところです。
 
  

 
うめももさくらと云いますが、
やがて桃たちも、紅色の花をふんわり広げて。
 
 
そして春のバトンを、桜たちへと渡すことでしょう。
 
 
 
 

 
 
 
 
  
 
 



2006年03月12日(日) 夙川便り




 
こんにちは。かげゆず本の告知ページが更新されましたね!
素敵な表紙に撃ち抜かれておりますv
(通販のご手配等もお疲れ様でございます…!)


さて、今日のこの日記、実は実家のある兵庫県・西宮市から
お届けしています。


所用のため、仕事道具を一切合財持って
日曜に帰省したのですが、
パソコンも持参していますので、
日記や創作の更新は、普通に関西発で
お届けさせていただければと思います。


というわけで、帰省記念に夙川(しゅくがわ)の土手を
日記上部に置いてみました。
 

我がふるさとは、駅前のダイエーのほか、
大きな建物は何もない、
時間の止まったようなほんとうに小さな場所です。
 
この、ベンチにも何度座って、うとうとと船を漕いだでしょう。
 

今、これを書いている部屋の窓の下、
庭の水仙たちが愛らしく微笑んでいます。


これを書いたら、庭に降りてちょっと目を休めようかと思います。








 
 



2006年03月10日(金) それも夢 (ぶらり表参道)



こんにちは。「迷宮」のムービーなどを見て期待を高めるこの頃です。
皆様お元気でお過ごしでしょうか。


先日、発表のありました新キャラ(といいますかかの方)を見て、
「うーんこのたたずまい、散らされた言葉、
どこか夢幻能のシテ(主人公)の人のよう…」と、
まったくの門外漢ながら思ったのですが…

「幻影」という名前自体、どこかそれっぽく聴こえないこともないかも知れません…
 
 
 
さて、先日体調の良かった日に、
「異国」に出てくる場所をぶらぶらと歩いてみました。
 
気付けば、足掛け○年もこちらを書いているせいでしょうか…


不思議ですね、出した場所を歩くともう本当に、
あの秋や冬に彼らがそこに居たように、
そこで会話をしていたようにしか思えなくて。

そこここに、恋があったのだとしか思えなくて。


まるで自分に起こったことのよう、
あれから少しずつ変わっていった街を眺めては、
落ちている思い出を見つけ胸が詰まりました…


もちろん、彼らのことだけでなく、
やはり初めて歩いた頃より変わっていった自分、
変わっていった周り、
そうしたものを、
移る景色の中に、
重ねて見るからなのでしょうけれど。
 
 

変わる景色、というと今話題の表参道。

私が、関西を離れて上京し、
うきうきわくわく街に出掛けだした当時は。


ここの同潤会アパートはまだ健在で、
緑と一体化した建物に上がり、
中の個性豊かなお店をひょいひょいと
覗かせていただくのは、
「ああ、東京だなあ、かっこいいなあ…」と、
おのぼりさんながら
本当に楽しいことでした。

 
 
鷹通の通う事務所は、このアパートに、
ほど近い場所、
某デザイン事務所のオフィスの場所を
そのままイメージしているのですが。
 
 
とすると、昔ながらの(でも当時としては非常にモダンな)
建物が取り壊され、
またたくまに表参道ヒルズが出来てゆく様子を、
彼はどのように思い眺めていただろうと思います。



ただ、この日本のよう、
地震大国で建物が長持ちせず、
スクラップ&ビルドが頻繁になされる国は、
若手建築家たちにとっては、
腕を見せるチャンスに恵まれる、
そういう側面はあるようで。
 
 
安藤忠雄による表参道ヒルズも、
やがて緑と一体化し、
さまざまな思い出を育んだあと、
また夢のように消え、
新たな建築家により、
新しい建物に変わるのだと思うと。



街も人も自分も、みんな夢のようだ、はかないな。


なんて。



一瞬のお能舞台を見るかのように思うのです。




 





 



2006年03月08日(水) キスされた人

   
景譲キス本のほう、ご主催の方のお手を離れられたようですね!


ご主催の皆様、色々とお世話になりまして
本当にありがとうございました。

御本を拝見できるのを、
ご執筆の皆様の作品を拝見できるのを、
うきうきわくわくと待っております…!!
 
 
キスというと、稲垣足穂(タルホ)の本に
こんなキスのお話があり。



キスした人


お月様が夜おそくパリーの場末を歩いていると うしろから顔をねじ向けて無理にキスした者があった アッと声がして 向うの街かどを曲がってゆく後姿をガス燈の下に見た お月様はあの人だと思ったが それがたれであるかはわからなかった お月様は三日間いっしょうけんめい考えた 思い出せなかった そしてそれはとうとうわからずじまいになってしまった



(『稲垣足穂コレクション�機^貔薜貮段�語』 p25 p/b筑摩書房)


この、三日間一生懸命考えたお月さまが、
もう、初読から鷹通に思えてしょうがなく、
思い出しては読み返し、
にやにやとしてしまうしょうがない私です。
 
 
そして、この「お月さま」と「キスした人」、
私は初読で男同士のように思ってしまい、

「ああ、このように読んでは
名だたる作者の方に申し訳ないかも…」

と反省したのですが。


その後、この方のもっとすごい
耽美なシーンを読み、
この方の創作の傾向を知ったとき。

申し訳ないことはなかったのねきっと…
とびっくり納得しました…



友鷹あたりがお好きな方ははまるかも?と思います。


ええ、上のセンスでそれはもうな場面を
お書きなのですから…


とりいそぎ「つけ髭」がすごいです。
 
 
 
 
 
 
 
   
 

 



2006年03月06日(月) 残されて

     
先月に、こちらの日記で著作を触れた方が偶然、
そのご本人様やゆかりの方が、
鬼籍に入られてゆくことが続き、
なんとも云えない思いがいたします。


そうした方々は、逝かれることで、
惜しむ心を、
いのちの大切さ、時間の大切さを、
残る私たちに教えてくださっているのかも知れません…


 
最近は、亡くなった方々のご著書を読むことが
多いせいでしょうか、

「命が千年あったらしてもいいという程度のことは、
あえて我慢することも覚えよう。

今日が自分の最後の一日かも知れないのだから…」
 
 
そういうことを、考えるようになりました。


 
私信(とりいそぎ御礼):

> 3/5にメールをくださいましたS様v

先日は、大変お忙しいところを、
あたたかいご丁寧なメールをいただきましてありがとうございました。
茨木さんの件、ショックでございました…
そしてかの方の歌に、そんな風に、
拙宅の友雅と幸鷹を重ねていただけたとのこと、
とても嬉しかったです。
私もそちらの歌を、聴いてみようと思います。
 
 
> 3/7にお便りをくださいましたS様v

本日は春の香りのお便りとコピーをありがとうございました。
問題集にございました向田さんのそちらの作品、
私も短編集で読んで涙ぐんでおりました…

そして大変美しいお葉書のそちらは(感激です…!)、
確かに友則の歌ですね。
拝見しましたところ、
 

寛平御時后宮歌合に

せみの声聞けばかなしな夏ごろも
薄くや人のならんと思へば

 

でないかと思われました。
 
  
蝉の声を聴くと悲しい

夏が来れば やがて秋が
想いに飽き(秋)が来るのだと思うと

夏の衣のよう
薄くなるのだと思うと悲しい


 
 
意訳しますと、そのような感じになるでしょうか。 
 
 
 
 
 
 
 



2006年03月05日(日) 景時さんの庭

 
 
景時さんのお誕生日、3月5日は。

冬、土にもぐっていた虫が、
外に出てくる「啓蟄(けいちつ)」の日と、
おおおよそ時期が重なるのがまた、
彼らしくっていとしいなあと思います。


庭で、洗濯物をぱんぱん広げて干していた彼が。

ふと、三月の優しい陽差しから、
下の地面へ、そのまなざしを転じてみたとき。

「あっ!
譲くん譲くん〜!

冬ごもりしていた虫たちが、外に出てきたよ〜!」


そう、嬉しそうに微笑んで、
譲くんに知らせ。

そして譲くんはそれを聞き、


「虫が出ると、花の世話は大変なんですけどね」

なんて笑って云いつつ。


実は、云うほど大変そうでもなく、
自分もにこにこ、春の来た庭を眺めていそうです。
 
 
 

そんな二人を浮べると、気持ちも春めきます。
 
 
  
  
 
 
  
 
 
 
 
 
 



2006年03月03日(金) 千年昔の春の辞令

 
  
異動に転勤、辞令の飛び交う時期ですね。


さて、本日は、この時期に取り上げてみたかった、
私の愛する友則の、
千年前の辞令のやりとりをご紹介します。


紀友則は、
長く認められず、
四十を超えてもいまだ無官であったのですが。


あるとき、太政大臣に呼び止められ、

「きみは年は幾つになったのかね」

と尋ねられます。


これに友則、

「四十あまりになりましたが」

と大臣に答えたところ。


大臣は、
こんな歌を友則に詠んでよこしたのです。


今までになどかは花の咲かずして
四十(よとせ)までに年ぎりのする



超意訳:

あなたという木はこれまで何故、
花を咲かせることもなく、
無官のままで四十過ぎにもなったのか…



友則はこの歌を聴き、
大臣に返歌を返します。



春々の数はまどはずありながら
花咲かぬ木を何に植へけん



超意訳:

毎年毎年、
春は数をたがえず巡ってくるというのに…

まったく何故、私のような花咲かぬ木をお植えになったのでしょうね。





……うわ…………


この返歌、官をさずけない大臣への
痛烈な返しであったのですが。


そんな歌さえ調べが美しいのに
なおさら参ってしまいます。



「ひさかたの」「君ならで」「宵々に」、等々、
数々の美しい雅な歌で知られる
三十六歌仙・友則ですが。

田辺聖子も白洲正子も褒めちぎっている友則でありますが。


実は、こんなにびしりと鋭い矢を
歌で放ててしまう、
めちゃめちゃ萌えな男でもあり、
実はそのへんにわたくし、どっぷりはまってしまったのでした…


(甥っ子である貫之も、歌はもちろん、
友則のこういうところに、惚れていたのでないかと思ったり。)


ご紹介したやりとりは、
古今集に載っておりますが、
意訳したやりとりをことば書きごと書き出しますと。


本院の大臣の、四十余になるまで無官にて侍る(はべる)由
申侍る(もうしはべる)に、
大臣

今までになどかは花の咲かずして
四十(よとせ)までに年ぎりのする

 とある御返しに

春々の数はまどはずありながら
花咲かぬ木を何に植へけん



となります。


もう、これだけでショートストリー一編ができそうです…!



友則にはほかにも、
この手の萌えエピソードが幾つかありますが。

そのご紹介は、また別の機会にと思います。
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 



2006年03月02日(木) 牛にならばや

 
お元気ですか?

東京ブラス・スタイルのCD「アニジャズ」の、
「キューティーハニー」のスカ調アレンジがかっこよくてかっこよくて、
あともう一歩で買いそうになりました桂子です…


同CDにはこの他、
『ルパン三世のテーマ’78』だの、
『ラムのラブソング』だの、
『銀河鉄道999』といったアニメのテーマソングの
ブラスアレンジが収録されておりますが、
どれもとびきりにお洒落で、
秀逸な出来であるのです。


さて、話はころっと変わり。

昨日、待ち合わせのあったさる場所で、
桃の枝をほうっと眺めていたのですが。

桃の、その花が紅いことよりも、
その枝が今しがた染料につけたよう、
赤々と染まっていることに、
すごいなあ…としばし心を奪われました。


『桃』というと、蕪村の句に、


喰ふて寝て 牛にならばやももの花


という一句がありますが、
こちらは、


「食べてすぐ寝ると、
牛になるぞと俗にいうけれど。

春爛漫の桃の花の下、
おなかがいっぱいになって寝そべって、
それで牛になるならそれもいいじゃないか」



そうした内容であるそうです。



ううん、同感だぁ!(笑)



ちなみに牛は、「桃林」という異名を持つのだそうです。


美しいなあ…
 
 
 
 
 
 
 
 



2006年03月01日(水) 宿の梅





宿の梅 おりとるほどになりにけり

                  蕪村


超意訳:

ほら、我が家の梅も、折り取っていいほどに
大きくなったのだよ。

さぁこれで、きみに梅の香のおすそ分けができるね。

 
 
 
 
 
二月末の日記が随分とあきましたので、
それぞれの日付に梅の句や歌を
入れて埋めてゆこうと思います。


次はどちらにしようかな…v


(コミックス二巻の友雅さんの歌も、
そのうち意訳で遊ばせていただくことを
お許しくださいませ…)

 
 
 
 
 
 
 



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