Still Space - 2020年01月31日(金) 有給消化の一日。 最近の一番の楽しみは読書であるので、そのストックを増やすべく街に出かける。 最初は秋葉原のブックオフ。 ここは都内でもかなりの大型店舗で毎回何かしら収穫があるのだが、今日は不発だった。 目ぼしいのは車谷長吉の「鹽壺の匙」ぐらい。 ただし300円オーバーで断念。 万世橋を渡って神保町へ。 これまでもお茶の水〜神保町エリアは楽器、スタジオ、アウトドアグッズなどを求めて訪れたことはあったが、古本を目的に来たのは初めてだった。 自分が求めているのは近代の小説、もしくは食に関する書物で、なかなかフィットする書店はなかったものの、事前にチェックしていた悠久堂で金子信雄、壇一雄の著作を買い求める。 道中念願だったキッチン南海のカツカレーも胃袋に収める。 傷んできた財布の代替を求め、半蔵門線で表参道へ。 駅構内を歩いているモデルのようないでたちの女性を見る度に、あぁなんと場違いなんだろうと思いながら、一路目当ての店へ。 今から数年前、たぶんまだ京都に居を構えている時代に訪れて先代の財布を購入したのだが、デザインも使い勝手も何一つ不満がなかったので、新たなデザインのものを即決で購入することとする。 買い物を終え、渋谷方面に歩く。 噂には聞いていたが宮下公園のあたりは巨大な建造物で覆われており、まったく別の世界に変わり果てていた。 それ以外にも高層のビルがやたらと目につく。 人間ドックでお馴染みの神山方面に行き、新たな刺激を求めてSPBSへ。 スズキナオの「深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと」が目に留まり、購入するか悩んだものの、1,700円と言う価格に尻込みしてしまい購入せず。 ネット通販するメリットなぞ何も無いのに情けない・・・。 最後に一杯飲みたいと思いスペイン坂の人間関係へ。 昼食込みであれば山家や嵯峨谷もありだが、飲むだけであればここが一番都合がよい。 新宿におけるベルクのようなものか。 生ビール1パイントを流し込みながら、1時間程読書を楽しみ帰宅する。 - Phase - 2020年01月28日(火) 雪が積もるかもしれない、と言う予報を受け、自宅で仕事をすることを選ぶ。 これまで何らかの用事があることを理由に在宅勤務を選択することはあったが、ついに寒い、濡れたくない、と言った消極的かつ生理的な欲求に屈することとなった。 こんな低い志で働こうとも満額給料をくれる会社には感謝しかないが、裏を返せば結果がすべてであるので、どこかで帳尻を合わせることには違いない。 この会社に転職してもうすぐ丸4年。 こんなにも働きやすい(言い変えるならば天国のような)職場はそうはないように感じている。 このまま骨を埋めても・・・と思う気持ちが無いことはないが、一方でこの極厚の羽毛布団のような環境に包まれれば包まれるほど、抜け出すことは難しくなるだろう。 あと30年も同じ仕事をやり続けることなんてできるのだろうか。 他に思い当たる道は浮かばないし、子供の頃の夢なんて忘れてしまった。 騙し騙し、少しの達成感を餌に、少しだけ目線を逸らして、ささやかに生き延びる余生なのかもしれない。 - 赤目四十八瀧心中未遂 - 2020年01月08日(水) 正月から読み始めた車谷長吉の「赤目四十八瀧心中未遂」を読み終える。 凄まじい作品だった。 これまでも心を鷲掴みにされるとか、涙が止まらないとか、言葉にならないとか、そう言った経験を多々してきたけれど、この作品を読んて沸いてきたのは、そのどれとも違う、感じえたことのない感覚だった。 自分が生きているこの社会のどこか地続きの先に存在する世界と感じざるを得ないリアリティと、一方でまったく手の届かない、触れることのできない虚構感の狭間で、今までに感じたことのない異空間に連れ込まれるような感覚だった。 この作品を知ったきっかけは西村賢太の書評から。 その昔、ライナーノーツやサンクスリストに書かれていたバンド名から新たな脈を探り当てた時とまったく同じ感覚を、今度は本の世界で体験している。 まだまだいける。 - Letting go - 2020年01月07日(火) 仕事が始まって2日。 年を取るにつれ、長期休暇後のリカバリーが早くなってきている気がする。 それはいつの間にか「大人になって」、どこか自制するようになったからなのか。 もちろん、職場で多々ストレスを感じることはあるけれど、それと向き合って自分なりのスタンスで立ち向かえるようになったこと、そう言った「大人化」の1つなのかもしれない。 - Forth Wanderers - 2020年01月05日(日) 正月休み最終日。 昨日の自分と入れ替えに妻が出かけることになり、終日子守をする。 最近、私も妻も怒りっぽい。 どちらかと言えば温厚なタイプに分類される人間だと思っていたが、ここ数か月はただただ苛立つことが多い。 その大半は、物を片付けないとか、大きな音を立てるとか、そんな些細なことばかりなのだけど、それが無性に気になってしまうのは何なんだろうか。 もちろん、他人に迷惑をかけるのはNGだと思うが、何か起こるたびに脊髄反射的に怒ってしまうようになってしまった自分が恐ろしい。 - Bags - 2020年01月04日(土) 正月休み4日目。 いざ、街のセールに出かける。 大抵こういった機会には新宿、渋谷のどちらかを訪れるのが常であったが、何となく今年はハシゴすることとした。 新宿ではブックオフで幸村誠のマンガを4冊仕入れる。 元々この西口の店舗は棚がスカスカ、かつ100円コーナーの薄さが気になっていたが、東口の店舗が潰れてますますそれに磨きがかかった気がする。 貴重な大箱ではあるけれど、このクオリティだとなかなか辛い。 久々に岐阜屋にも寄る。 ここは席も狭くてとても居心地が悪く感じるのだが、着席してしばらくすると空気と同化してとても心地よくなる不思議な店。 木耳もうまかった。 渋谷に移動する。 一番前の車両に乗って降車すると、再開発によってすべて取り壊された桜丘地区を目の当たりにし、衝撃を受ける。 すぐ北側にはフクラスと言う新たなビルもいつの間にかオープンしていたが、それにしてもここまでしてスクラップアンドビルドを続けていく意味とは何なんだろうと思ってしまう。 自分もいつの間にか過去に縛り付けられているのかもしれないけれど、それでもやっぱり、誰がこんな変化を求めているんだろうと思ってしまう。 最近よく目にする一番館と言う中華料理屋にも寄ってみる。 酎ハイが一杯100円で飲めることに感動はするものの、店自体には何の面白みも感じず、これならまだ晩杯屋や山家の方がよい、と思った次第。 - That joke isn't funny anymore - 2020年01月02日(木) 正月2日目、実家に帰る。 築30年近い元我が家は老朽化が著しく、ただただ寒い、そして汚い。 いつか自分もマイホームを・・・と言う夢が無いことはないが、このような惨状を目の当たりにすると、家を所有する意味とは・・・と改めて問いてしまう。 もちろん、当の住人たちは逓減していく家の価値とは反比例するように、この住み慣れた住環境への愛情が増していくのだろうけれど。 (いや、そもそも適切にケアしていけばもっと快適な住空間を維持することだって可能だろう)。 家族との会話の中で、自分の弟が8歳も離れていることをウン十年ぶりに認識する。 なんて希薄な関係なのだろうか。 その弟が我が子たちに1万円もお年玉をもたらしてくれた。 ありがたい。 - Angelina - 2020年01月01日(水) 9連休中日、そして元旦。 近所の神社に初詣に行き、後はささやかなおせちを食して終わった一日。 溜め込んでいた小説やマンガ、音楽を消化していく。 今さらながらPinegroveにハマってしまった。 「Angelina」と言う楽曲があるのだが、だらーっとしたイントロから一気に縦ノリに入っていく瞬間にゾクゾクし、そしてサビのコーラス具合が琴線に触れまくり、もう1分半で終わってなかったらビチョビチョになってしまうぐらい素晴らしい。 ああ、まだまだ最高な音楽に出会えて幸せだ。 仕事納めの日にたまたまブックオフでジャケ買い(正確には背表紙買い)した惣領冬実の「チェーザレ」も久々にがっつりハマったマンガだった。 世界史の類にほとんど造詣の無い自分にとって、やっぱりこう言う題材は単純に知識欲をくすぐられるし、何よりもストーリー自体が面白い。 沙村広明、冬目景、鶴田謙二、岩明均、真鍋昌平と言った、ほぼほぼ中学生ぐらいから進化していない手札に新たな選択肢が増えたのが嬉しい。 -
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