2018年07月25日(水) |
ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー |
息子と二人、吹き替え版を見に行く。
なんだかあんまり流行っていないみたいで、終わってしまいそうだったので、慌てて見に行く。
ハン・ソロ(オールデン・エアエンライク)の若き時代を描くこの作品。チューバッカ190歳(ヨーナス・スオタモ)との出会いやミレニアム・ファルコンとの出会い、ランド・カルリジアン(ドナルド・グローヴァー)との出会いなどを描いている。
スター・ウォーズ・ファンなら楽しめそうなものだが、どうしてあんまり入ってないのかなー?
ただ、見て思ったのは、このハン・ソロが「SWエピソード4」のハン・ソロになるのが、ちょっとつながらないかなーって感じかなー。
この「ハン・ソロ」だって、面白いんだけどさ、これを、若き日のハリソン・フォードが演じてくれたらなーってついつい思ってしまうような感じかな?
チューバッカは全然違和感ないんだけど…。人間役は顔があるから厳しいよね…。
「ハン・ソロ」には、ジェダイも出てこないし、どっちかというと、人間臭い話。
人間がだまし合うというか、誰が味方で誰が敵なのか、そういうの話が結構中心となっていて、小学二年生の息子にはそういうのはわかったのかな?
でも、エピソード4に繋がるようなちょこっとした小ネタみたいなのもあったりして、なかなかファン心をくすぐるサービスも忘れてないなって思ったり。
それと、新しく登場したセルフメイド・ドロイドのL3-37(フィービー・ウォーラー=ブリッジ)が面白かったね。魅力的なドロイドが出てくるのも、このシリーズのお約束かな。
次はエピソード9になるのかな? そちらがどんなふうになるのかも楽しみ。
小野寺史宜 祥伝社 2018
STORY: 所持金も残りわずかで街をふらついていた聖輔は、総菜屋で店主に声をかけられ、そこで働くことになり…。
感想: 聖輔は、料理人だった父が事故で急逝。母が女手一つで働き、大学に進学したが、その母も急逝してしまう。そこで、大学を辞め、バンドで活動していたベースもやめることにする。
何か働かなくてはと思いつつも、一歩を踏み出せずにいたある日、偶然総菜屋で声をかけられたことから、その総菜屋で働き始める。
総菜屋さん夫婦によくしてもらいながら、仕事に励む聖輔は、やがて、父がかつて修行をしていた店に行ってみたり、父と同じ調理師になることを考え出す。
しかし、そんな聖輔に遠い親類の男が金をたかりに来たり…。
人って、血のつながりがあろうとなかろうと、いい人もいれば、そうでない人もいるんだなーと思わせる作品だった。
聖輔が前向きに人生を考えられるようになり、夢を持てるようになれたのも、人とのかかわりがよかったからだろうなと。
2018年07月20日(金) |
さざなみのよる 木皿泉 |
木皿泉 河出書房新社 2018
STORY: ナスミは末期がんで余命わずか。そして、43歳で人生の幕を閉じる。ナスミが関わった人々のそれ以前とそれからを描く。
感想: それぞれの章がそれぞれの人物とナスミとの関係を描いている。人はたくさんの人と関わり、その人とその人でないとわからないようなこともあるんだなーと思った。
ただ、私自身はナスミのような生き方が素晴らしいとかはあんまり思えなかったり…。
だから、みんながナスミは最高みたいなことを言うのが、ちょっとわからないような気もしてしまった。
ニノくんの演技が好きなので、見ることにしたものの、悪役っぷりがあまり好きになれず…。
話も最初の方は手術シーンとかがすごく精巧すぎるのと、血がバーッと出てるのに、医師たちがおろおろしていて何もしないとかのシーンが多くて、病院で手術はしたくないなーとついつい思ってしまった。
東城大医学部付属病院の医師・渡海征司郎(二宮和也)は、少しアウトローだが、凄腕の外科医。他人の手術のミスもお金で解決する金の亡者だった。
東城大の外科教授・佐伯清剛(内野聖陽)は神の手を持つ男として最高権威者であった。彼は手術が成功するときに必ずブラックペアンという器具を使う。
そこにやって来たのが、ライバルの帝華大学から送り込まれた高階権太(小泉孝太郎)。彼は帝華大の外科教授・西崎(市川猿之助)にインパクト・ファクターを取るようにと命じられた。東都大で、最新医療機器・スナイプを使った心臓手術に取り組み論文を書くのが高階の使命だった。
研修医の世良(竹内涼真)は、渡海のもとにつくことになるが、渡海は世良はすぐに辞めるだろうと何も教えようとはしない。医師として何もできない自分に落ち込み、進路を迷う世良に、高階はアドバイスをする。
二つのライバル大学は、次の理事長戦でどちらが理事を取るかを争っていた。論文を掲載し、最後に自分の名前が載る数が多い方がインパクト・ファクターを得られて、理事長戦に有利になるのだ。
論文のためには、患者の命なんてどうとも思わないような描写とか、医者不信になりそう。
そして、心臓手術をする場所だから仕方ないのかもしれないが、渡海の母親が心臓病になったり、挙句の果てには佐伯教授までもが心臓病で倒れる…。
うーん…。都合がよすぎるような…とつい思ってしまったが…。
渡海は教授に尽くしているようで信じていない。それには過去の出来事が関係あるようなのだが…。
ということで、かなーり佐伯教授は悪っぽく描かれていたけれど、最後は結局何だったんだろう? この人はいい人で、インパクトファクターがほしかったのも理事長になったら病院などの組織を改革できるからなりたかったということなのか?
なんか患者はものじゃないし、もう少し患者のことを考えた治療をしてもらいたいものだなーと思ってしまった。そういう意味では高階や世良みたいな先生が増えるといいのかもね。
それにしても最近の医療ものは手術シーンがリアルすぎる。ここまでリアルじゃなくてもいいわ、私…。
2018年07月12日(木) |
老後の資金がありません 垣谷美雨 |
垣谷美雨 中公文庫 2018
STORY: 定年間近の夫と結婚が決まった娘、就職が決まった息子とともに暮らす篤子は、老後の資金に一千万円以上を貯めていたが、娘の結婚式代、舅の葬儀代の負担がのしかかる。夫もリストラで失業することになって…。
感想: 最近、自分の経済状況もいまいちよくないため、こういうのに興味がある。老後の生活には一千万円以上かかり、それもあっという間に底をついてしまうのかも?
舅と姑は退職金をたくさんもらって、旅行をしたり、至れり尽くせりの施設に入ったため、毎月の出費が多く、篤子夫婦も二人に仕送りをしていた。
夫の妹夫婦は、夫の実家のそばに暮らし、経済的にも豊かではあったが、舅の死に際し、葬儀はすべて篤子の家でやってほしいと言われる。迷いながらも、やはり一般的な葬儀を行わないければ外聞が悪い?とどんどん費用は高くなる。
しかし、蓋を開ければ、あまり会葬者も来なかったため、もっとお金を押さえてもよかったのでは?と思う篤子。
さらに自分の娘の結婚式が派手婚で新婦側も半額を出すということで、300万円の出費。姑が入っている施設の毎月のお金を払わなければならないのに、夫がリストラ…。
どうしてもお金を捻出することができなくなり、姑を自分の家に引き取ることにした篤子。
私的には、ここから先が面白かったかな。姑さんは至れり尽くせりの施設にいたときは、高い食事もお腹がすかないと残したりしていたわけだが、引っ越してきて活動的になると、自分で料理をしたりし出して生き生きしてくる。
こういうのを見ていると、老後が安泰だからと動いたりできるうちに何でもやってくれる施設なんかに入っても面白味のない生活になってしまうのかなぁ?と思ったり。
そして、篤子の友達の姑さんを貸してくれないかという誘いに犯罪の匂いを感じつつも、応じようとする姑。
面白くてお茶目で憎めなくなる。
お金はたくさんあったらあったで生活が安泰かもって思うかもしれないけれど、やはり適度に生活していくだけあれば、あとは工夫次第なのかな? そのほうが生き生きと生活できるのかもしれないなーと思ったりした。
葬儀内容を決めるところは、父の死を思い出した。私は離れていたから決めるのを全部任せてしまったけれど、家族葬だったはずが、結局は一般的な葬儀とあまり大した差がない金額を取られたみたい。
そのうちこんな風な葬式もすたれていくかもしれないなーと思ったり。
2018年07月09日(月) |
モンテ・クリスト伯 〜華麗なる復讐〜 |
最初は見る気がなかったのだが、何となく見てしまったら、結構はまってしまった。
柴門暖(ディーン・フジオカ)は、婚約者のすみれ(山本美月)との結婚が決まっていたが、海で遭難。安否が心配されていたが、暖の素晴らしい判断のおかげで、船は無事に帰って来ることができた。
しかし、その船に乗っていた外国人船員がテロ組織ククメットに関わっており、暖に手紙を託したことから、暖はあらぬ疑いをかけられることになる。
結婚式の最中に、暖は警察に捕まる。何も覚えのない暖はすぐに帰れると思い、中身を読まずに署名をするが、それは警察の入間公平(高橋克典)による策略だった。
暖は身に覚えのない罪でラデル共和国に引き渡され、その牢獄に入ることになる。ひどい拷問を受けるが、身に覚えのないため、全く答えることができない。
瀕死の状態で牢獄に投げ入れられた暖だったが、その牢獄で脱獄を目指す一人の老人と出会う。その老人はファリア真海(田中泯)。金持ちの国を追われ、財産はシンガポールに隠していた。ファリアは自分の死を悟り、暖に色々な知識を授ける。そして、自分の財産を譲ることにする。
ファリアの死とともに、脱獄に成功した暖は、何とかして日本へとたどり着く。すでに暖が投獄されてから15年の月日が流れていた。
そこで暖が目にしたのは、あらゆるものが変わっている現実だった。暖がかわいがってもらっていた守尾漁業は倒産寸前。母の恵(風吹ジュン)は孤独死をしていた。婚約者だったすみれは、売れない役者だった南条幸男(大倉忠義)と結婚。一児の母となっていた。すみれは料理研究家として活躍、幸男はスターとなっており、幸せいっぱいな毎日を送っていた。
そして、暖をはめた神楽(新井浩文)は、不動産業でのし上がり、神楽エステートの社長となっていた。愛のない結婚をして、留美(稲森いずみ)を妻としていた。
そして、暖をはめた入間公平は警視庁の刑事部長となっていた。再婚相手の妻・瑛理奈(山口紗弥加)、娘の未蘭(岸井ゆきの)と暮らし、瑛理奈との間には一人息子もいて、順風満帆な人生を送っていた。
暖が捕まることになったきっかけの人物・入間貞吉(伊武雅刀)は寝たきりとなっていたが、健在だった。
暖は自分をはめた人物たちへの復讐を誓い、シンガポールへと向かう。そこでファリアの大金を手に入れた暖は、モンテ・クリスト真海として日本に帰国。復讐が始まる。
この話、アレクサンドル・デュマの「モンテ・クリスト伯(岩窟王)」が原作で、名作を知らない私はもちろん読んだことはなかったのだけれど、さすがに面白い話だった。
一話目のあたりでぐいぐい引き込まれ、拷問シーンのすさまじさに釘付けになってしまった。そして、NHKの朝ドラ「あさが来た」では、そこまで感じなかったけれど、この作品でディーン・フジオカ、かっこいいなぁと実感してしまった。
復讐がどのような展開を見せていくのかわからず、また人間関係が複雑で、どうなってしまうんだろう?という感じだったが、最後まで飽きずに見ることができた。
ただまあ、暖は死んだと言われていたとはいえ、やっぱり普通はみんな「暖に似てるな??とかわからないものかなーっていうのは疑問だったけど。
原作がどんななのか、読んでみたい気もするけれど、きっと読まないだろうなー。演じていた役者さんもハードなシーンが多かったのに、お疲れさまでした…。
今村奈津子 朝日新聞出版 2017
STORY: 病弱に生まれたちひろを救ったのは、父が同僚からもらった神秘な水。その経験から両親はあやしい新興宗教にはまるようになり、ちひろ一家は変わっていく…。
感想: 最初のほうの湿疹がひどくて両親が困るという描写…。自分の息子の生まれたてのときを思い出してしまった。我が家も湿疹がひどく、顔を見るたびに暗澹たる気分になったものだ。肌がかゆいからか、よく寝てくれなくて、こちらの方が参りそうだった。
色々な皮膚科に行ったし、本当に大変だったなーと思い出す。
そんなときに、もし、奇跡の水のようなものをもらったら、私も宗教にはまってしまったかも?とも思える。育児に向き合っているときって、ちょっと精神がいつもとは違うし、すっかり治ってしまったのなら、それは宗教のおかげだと思ってしまうかもしれない。
ちひろは生まれたときからそのような環境に置かれていたので、両親が宗教に帰依していることもあまり何とも思わず、自分も自然とそれを受け入れている。しかし、5歳年上の姉は、それまでとの一家の変わりようについていくことができずに、家を飛び出してしまう。
普通の両親なら、血眼になって探しそうなものだが、ちひろの両親もちひろもそうしようとはしない。希薄な人間関係になってしまっているのか?
しかし、ちひろも中学生になると、次第に自分の家庭が普通の家庭と少し違うことに気づき始める。
物語は唐突に終わってしまう。この先がどうなるか知りたいし、姉はどうなったんだろう?と私は思うのだが…。
宗教がらみで思い出すのは、いとこの一家だ。いとこの一家は両親が敬虔なクリスチャンで、私も子供の頃にいとこの家に行くと、お祈りを何度もしたり、教会学校のキャンプに連れて行ってもらったりした。
そのような暮らしを小さい頃からしていて、敬虔なクリスチャンに育つのかと思ったら、そうはならなかった。
やはり物心ついたときに、自分の家が普通の家と違うことに気づいたのかと思う。そして、やって来たのは多分親に対する反抗心だったのだろうと。
この物語はそこまで踏み込まずに終わってしまっている。この後のちひろの選択が知りたかった。
2018年07月02日(月) |
家政夫のミタゾノ(2018) |
あの家政夫のミタゾノが帰ってきた! 前作が面白かったのでもちろん見ようと思う。
確かに悪くはないのだが、前作のほうが面白かったかなーという印象になってしまったような…。
ミタゾノ(松岡昌宏)の相棒は前作は清水富美加だったのだが、芸能界から去ってしまったため、今回の相棒は五味麻琴(剛力彩芽)。最初のうちはやっぱり清水富美加のほうがよかったなーという感じだったのだが、最後の方では違和感が薄れた。
でも、前作に比べるとやっぱりちょっと無理やり話を作った感、ちょっと先が見えてしまった感みたいなのを感じてしまって、ちょっとイマイチだったかなー。
もちろん、面白い回もあったのだけれど…。
やはりこういうシリーズの続編を作るのは難しいのかも?
2018年07月01日(日) |
アキラとあきら 池井戸潤 |
池井戸潤 徳間文庫 2017
STORY: 零細工場の息子の山崎瑛(あきら)と東海郵船という大企業の御曹司・階堂彬(あきら)の二人は、お互いの運命に揉まれながらも東大から産業中央銀行に入社し…。
感想: 池井戸潤の小説で評判がよかったので読んでみたいと思っていた。やはり評判通りの傑作だった。正直銀行ものとか苦手なのだが、この本はわかりやすく描かれているので、すごくためになったような気がする。
零細工場の息子として生まれた山崎瑛は、父の工場が倒産し、差し押さえに遭い、小学校を逃げるように去り、妹とともに母の実家のある磐田市へ移ることになる。いわゆる夜逃げというやつである。父は無学で、契約のことなどに無知だったことから、工場をうまく経営していくことができなかった。この体験は強烈に瑛の心に突き刺さることになる。
磐田市へ移った瑛。父は別の会社で働くことが決まり、ようやく安定した生活にはなるが、経済的な余裕はなく、大学進学を諦めようと思う。父の会社が再び危機に瀕した時に、父を助けたのは、地元の銀行だった。そのときに銀行は会社を助けることも、倒産に追いやることもできるのだということを知った瑛。
結局父の勧めもあり、東京大学へ進学。そこで階堂彬と出会う。
同じ「あきら」という名前だが、東海郵船という大企業の御曹司として生まれた彬は、順風満帆な裕福な生活をしているかと思われたが、実情はかなり違っていた。もともと祖父が始めた会社だが、それを継いだのは父であった。父には兄弟が2人いて、それぞれの叔父は別会社の社長として独立。ところが、そちらの経営はうまく行っていなかった。
二人の「あきら」は就職活動を経て、産業中央銀行に入社する。入社後の研修で二人は頭角を現す。
山崎瑛のほうは、自分と似たような境遇の小さな会社の手助けをしたいと銀行で働く。
階堂彬のほうは、父が死去し、弟が会社を継いだことから、大企業・東海郵船の足元が揺らぎ始める。弟が叔父たちに騙されて会社が危険な状態になってしまい、弟は精神を病んで入院。銀行を辞めて、東海郵船の社長となることを決める彬だが…。
この本を読んで、銀行の動向次第、会社の経営者次第で会社の大小関係なく、影響がすごく及ぶんだなと思った。そして、本当に優秀な銀行員は、会社と銀行双方の利益が出るようにお金を貸しているんだなと…。
また、結局身内の会社関係者が協力的か非協力的かというのは非常に大きな要素で、会社の足を引っ張ることも多いのだと実感。下手な身内ならいないほうがいいのかもしれないなーと思ってしまった。
瑛が彬の会社のために奔走する姿は、胸が熱くなった。
少し経済のことがわかったような気になったし、いい話を読んだと思った。
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