サイトウ記念オーケストラのお膝元、世界のマエストロ小澤征爾が毎年指揮をする、松本市文化会館大ホールでついに私も指揮者デビューしました。
1000人の大合唱を自分の指先で統べるというのは非常に気持ちのいいものです。 好評いただいて次の話もあるとかないとか。
どこまでほんとか、怪しくなってきました。 このへんで、種明かしを。
実は1000人の大合唱を指揮したというのは本当ですが、コンサートでも音楽界でもなく、教職員組合の定期大会のはじめの歌です。 その上、練習なしの一発勝負。 指揮経験ナッシングの私なので、とにかく音楽の先生に直前でコツを教わりました。 4拍子の振り方と、歌い始めの「さんはい」って言う合図と、最後の「♪〜」でしめるところの振り方だけ・・・。
ステージの上で指揮しながら初めてその曲を聴きました。 って、ありえないよね!?
「大丈夫―?」 「応援してるからね!」 「出てきたら、せーので『きよこせんせいがんばれー!』って声援送るから」
って、ヤメテよ。 素人がばれちゃうカラ。 頼むよみんな、“ああ、いつもの彼女ね”って顔をしててくださいよ。
正味な話、参加者もみんな楽譜にくぎづけで、誰も指揮なんか見ないのよ。 伴奏の先生がちゃんと弾いてくれたので、私のなんちゃって指揮デビューは大成功で終わったというわけです。
ふふふ。 なにはともあれ、小澤征爾と同じステージで指揮しちゃったもんね。 大いに吹聴してまわっちゃお。
| 2005年05月22日(日) |
二ノ宮知子『のだめカンタービレ』� 銑� |
久しぶりに少女漫画で面白かった。
一言でいうと、「少女漫画の文法で少年漫画する」って感じかなっ。 ・・・うけうりです。 でも、言いえて妙の一言だ。
主人公のだめ(野田恵)は、音大ピアノ科専攻。大メシぐらいでアニメが大好き、ちょっと変態な女の子。そんなのだめが、音大のプリンス千秋先輩に恋をして・・・!?
とってもスタンダードな少女漫画のパターンですが、のだめと千秋、彼らを取り巻く仲間達が様々な課題やコンクールに向けて結束努力し、少しずつステップアップしていくというあたりが少年漫画風味。 一般ピーポーにとって秘密の花園、音楽大学、クラッシック音楽の世界を覗き見できるのもとても興味深い。 一作品で何度もおいしい作品です。
| 2005年05月01日(日) |
向田邦子『阿修羅のごとく』 |
ホームドラマといえば向田邦子なのですが、この『阿修羅のごとく』は、ちょっと辛口。 「ぶつかり合いながらも強い絆で繋がれていて、やっぱりあったかいもんだよね、家族って」なんて、ほんわかさせてくれません。
老夫婦とそれぞれに独立した4姉妹の物語ですが、「渡る世間は鬼ばかり」みたいに、激烈な本音をお互いに延々とぶつけ合うような体育会的すったもんだでもありません。 むしろ、誰もが本音を隠して生きているのです。 家族という近い存在のはずが、一番大切なことは話せずにいる。 それぞれが大人になった今、家族という固定された枠の中では、自分のキャラを役割として演じている。
この物語はけっして甘くないし、救いもないんだけど、でも、家族の現実ってこういうもんだよね。
テレビや本に描かれる円満なホームドラマのような家族なんて、ほんとはどこにもないのでしょう。 そのことに気づいたのは、理想と現実のギャップに一人いらいらして、家族に反抗のかぎりをつくした子ども時代を過ぎて随分たってからだった。
家族だからこそ辛らつになるし、上っ面で済ませられない。 些細なことが気に食わなかったりちくちくつつきあったりする。 リアルな家族の物語です。
この作品は、ドラマのノベライズなのですが、向田作品独特の洒脱な感じまでは活字化されておらず残念。
|