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2013年02月03日(日) |
2月3日のlesson de ラ・パレット |
インフルエンザやノロウィルスが流行り、強烈な冷え込みの後に暖かい日…と健康に過ごすことすら難しい頃、 公開レッスンにいらっしゃる方の中でもご予約されていらしたのにキャンセルが相次ぎ、 いつもよりも少し寂しい公開レッスンとなってしまいました。 が、そんな状況とは関係なく、生徒さん達の著しい成長を実感したこの日の公開レッスンでした。
****************************************************** 11:00〜 チェルニー :40番練習曲より14番 J.S.バッハ :シンフォニア 9番 シューマン :「子供の情景」より10.11.12.13番 ショパン :「新しい三つのエチュード」第3番 変イ長調 12:00〜 バルトーク:ミクロコスモス No.72、74 チェルニー:40番練習曲 No.9 J.S.バッハ:シンフォニア No.6 バルトーク:民謡による3つのロンド 第1曲 13:00〜 J.S.バッハ:平均律第1巻 17番、16番 ショパン:エチュード Op.25-1、10-1 ショパン:スケルツォ 1番
( 休 憩 ) 14:40〜 J.S.バッハ:平均律第1巻第21番 B Dur BWV866 ショパン:エチュード Op.25-1 ベートーヴェン:ピアノソナタ第8番 c moll「悲愴」第1・第2楽章
16:10〜 ベートーヴェン:ピアノソナタ21番 「ワルトシュタイン」第3楽章 ******************************************************
この日の公開レッスンで一番印象に残ったのは、
「フランスの学生はブレーキ、ハンドルが弱い。 日本の学生はエンジンが弱い」
…という言葉でした。
これは、先生がご帰国されてすぐの頃、雑誌のインタビューで尋ねられて答えた言葉だそうで、 レッスンをしていて思い出されたということでした。
「エンジンが弱いと聴いている人をひっぱっていけない」
…ということで、これは自分も含めて多くの日本人に当てはまることなだけに、 私にはとても切実なことに思えました。
ちなみに、敬愛するジャン=マルク・ルイサダ先生の演奏はこの点がとても素晴らしく、 1時間以上の演奏でも瞬く間に過ぎてしまうと感じるほどです。
休憩時間に改めて北川先生に質問させていただいたのですが、 どのようにアプローチしてエンジンの強い演奏にしていくか、 これから考えていきたい課題となりました。
もう一つ、日本人が弱いこと、これは先生が度々おっしゃっていることですが、
「ハーモニー感、調性感の弱さ」
です。
これは、後半、ベートーヴェンの曲が続いたことで、 ベートーヴェンの音楽の大きさを表すために…という視点でおっしゃっていたように思います。
ベートーヴェンの音楽はハーモニーがあるから音楽が大きい。 ベートーヴェン自身も、心の広い全ての人を総括できる人であり、それが音楽の大きさに現れている。
それではハーモニー感を良く感じるにはどうしたらいいか…。 先生は、子供の頃から調性感を色で感じていらした…ということですが、 確かに先生がほんの数小節お手本を弾かれるだけで、 豊かな豊かなハーモニーにそこが公開レッスンの場だということを 忘れそうになるほどでした。
これは指導ではなく才能の問題なのか??? これも、これからずっと考えていきたい課題となりました。
そして、この日の公開レッスンで後半の生徒さんの演奏を聴いていて 、私自身がとても感動しました。
…というのは、1人は小学生から、もう一人は中学生から弾いてくれて、 それぞれ中学生、高校生と成長を見せてくれていたのですが、 今回、二人ともとても大人になっていて、それが音楽にダイレクトに表れていたのです。
その様子を見て、涙が出るほど嬉しかった。
1人の人が成長する間には良いことばかりでなく大変なことも沢山あるのですが、 それを乗り越えた人の強さと清々しさを感じました。
きっと素晴らしい演奏が魅力的なのは、それぞれに、そのような経緯があるからなのだと思います。
それだけに、この日の聴講者が少ない巡りあわせだったのが残念でなりません。
継続的に行う公開レッスンには、このようなドキュメンタリーのような感動もあるのですね。
次回は、4月14日日曜日。 お申込みをお待ちしています♪
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