初日 最新 目次 MAIL HOME


海老日記
管理人(紅鴉)
MAIL
HOME

My追加

2005年02月20日(日)
受験戦記Mononobe・2


 班長に指名されてからどれくらいの時間が経ったのか。そう、もう午前二時。いやいや、ぜんぜん繋がってない。

 とりあえず、一週間は過ぎている。本番まであと三日になり、あわただしさは日毎増している。
 実際に三箇所の活動の企画書マニュアルを書く『担当者』という役職三人は毎日徹夜で書類を作っているし委員長や事務局長が家に帰ったところはしばらく見ていない。
 そういえば「もうこれ以上休むと不可になるので仕方なく集中講義に出る」という先輩もいた。

 私も、今日は徹夜している。今まではだいたい日付変更線に辿り着く頃には帰ることが出来たのに、今日は無理っぽい。

 班長の仕事は思ったよりしんどい。



 私のやる旅館案内は、まず一番上に『責任者』という事故やトラブルに対処する一番の人がいる。その下に企画運営を任された一回生『担当者』がいる。そして、高知駅周辺を三つに分け、A班 B班 はりまや橋班に分かれる。
 私はそのB班の班長をすることになる。

 ……上に二人しかいないっ!?

 班長の仕事は二十六人の班員のローテーションを作り他の班と情報をやり取りするというまあ、本当にただの雑用さんなのだが、結構頭を使う雑用さんなのだった。

 結局、委員会BOXで朝を迎える。
 おはよう、日曜日。
 
 そういえば、昨日はサークルの先輩の誕生日会だった。
 行ってみる。
 午前七時
 まだ飲んでた。
 あ、よかった。間に合いました。

 先輩の家で仮眠を取った後、出発。

 今日は午前十一時から班員を引き連れて実際に案内するであろう旅館の下見に行かなければならない日。B班の受け持つ三十二の旅館を確認するため、物部は再び起き上がる。




 けれど外は雨。
 出鼻をくじかれたけど、負けないぞ。
 長靴履いてきたし



2005年02月19日(土)
受験戦記Mononobe・1


 高知大学学生自治会 第42回新入生歓迎運動実行委員会 情報宣伝部

 それが私の所属する部署だ。
 高知大学はなんでも新入生に対する活動が盛んな学校らしく、センター試験、前期試験にきた受験生の案内をしたり、四月に入ってきた新入生のためのイベントを開いたりと色々している。(まあ、他の大学の状況を知らないのだから相対的なことは言えない)
 そしてそれらの活動を仕切り運営しているのが、我々新入生歓迎運動実行委員会、通称新実(しんじつ)なのだ。最初のクラス会で割り振られた一回生と、去年からの残留メンバーの二回生の先輩で構成される自治会。
 そして私はここにいる。

 
 

 『受験道中』という企画がある。
 高知大学に前期日程試験を受けにきた受験生達をサポートすることを目的に、新実のメンバーと学生自治会や一般学生から募ったお手伝いとで行う運動で、
 高知竜馬空港で大学までの道順を説明する『エアーズ』
 高知駅周辺の宿泊先を説明する『旅館案内』
 高知大学内に着いた受験生に教室を案内し質問に答える『ガイドin朝倉』

 この三箇所で受験生を迎えうつ企画。
 いくら新実レギュラーメンバーでも、何のとりえもない普通のヒラだった私は最初、どの企画でもいいと思っていた。希望表にも適当に番号を打っていた。
 いままで通りに進めると思っていた。


 でも、ある日の会議終了後、入魂部(受験道中の指揮を執る部署)の先輩に呼び止められた。
「実は、物部くんに『旅館案内』の班長をして欲しいんだけど」

 少し悩んで、承諾した。 本当は、拒否するべきだった。




2005年02月18日(金)
二人は仲良し

 傍から見ていておもしろいカップル(この場合は恋仲というだけでなく男女の一組のこと。ならペアと言えよとは言わないで)というのは、二人の間にギャップのあるものということがあるだろう。
 今日も街中を歩いていれば色んな組み合わせの男女とすれ違う。
 普通に仲睦まじそうなカップルも入れば無愛想に並んでいる二人。
 仕事関係らしく書類を覗き込むスーツ姿の二人やら、女の子の二人組み。

 その中で一番記憶に残るのは、デパートで出会ったカウンターに並ぶ。店員さん。

 一人はキンキンに逆立った茶髪が目立つ長身のイケメン。
 傍らに立つのはいかにもベテランそうな初老の女性。

 二人が同じ服(制服)着て同じ方向を見ているという絵が、ひどく鮮明に残っている。
 なんだこの二人。どういう関係だ?! 師匠と弟子か?
 いや、普通に店員同士なのはわかっているのだけれど、逆ベクトルの個性を持つ二人組みは、ただ立っているだけで人の想像をかき立てていた。

 思ったのは、『二人』というのも、やはり『組織』の最小構成数なのだということ。
 お互いの魅力を引き出せる二人は、とても魅力的に見える。
 何しろ凸と凹が揃えば噛み合うのだから。