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海老日記
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2006年03月11日(土)
物部日記・『ヘルレイザー鎌足 本名・大八木昭子』


 私の住んでいるアパートの両隣は空き部屋になっている。上の住人は神出鬼没だし、左上の留学生は音を出さず、右上のZくんは帰省中なために現在私の住んでいるアパートでは静かな毎日だったりする。
 私もこの頃は夜部屋に帰らないことが続くので電気もつかず人の気配のないアパートになっている。

 昨日はコンパがあった為に朝帰りになった。というか実際は正午すぎに帰ったわけだけれど、帰ってみると駐車場にしらないワゴン車が。
 そして知らない家族連れが。
 そして誰も住んでいないはずの隣の部屋に運び込まれる家財道具一式。

 ああ、新しい入居者か。


 春。このアパートにも次の人が入ろうとしている。
 軽く会釈をして自分の部屋に入ろうとすると、二階に続く階段から電気スタンドと炊飯器を持った女性が降りてきた。
 春。このアパートから出て行くひともいるのだ。
 軽く会釈をして、挨拶をした。
「おはようございます。ヘルレイザーさん」
「おはようございます。物部さん」
 上の部屋に住んでいる心理カウンセラーのアルバイトをしている、ヘルレイザー鎌足さんだった。
「あ、今日引っ越されるんですね」
 すっかり忘れていたが、ヘルレイザーさんは私が二十歳になるまで話相手をするという契約でこのアパートに来ていたらしい。(自分で説明していてあほくさいがそういうことらしいから仕方ない)。このバイトが終わったら、ここにいる必要もなくて部屋を引き払うのだ。すっかり忘れていたけれど、そうなのだ。
 このバイトが終わったついでに、大学も卒業し留学するらしい。
 手に持つ電化製品もその引越しのために運び出しているのだろう。
「留学するって訊きましたけれど、どこの国にいかれるんですか?」
 するとヘルレイザーさんはきょとんとした。
「留学? 誰が?」
 ……あり?

 そこで私は先日リルリルから聞いたヘルレイザーさんの正体について説明した。

 私のたどたどしい説明をいつものように熱心に聞いてくれたヘルレイザーさんはすべてを聞き終わった後、おおいに笑った。

「そんなわけないですよ」

 ヘルレイザーさんって、こんな明るく笑う人だったのか。

「なんですか、その未成年専門の心理カウンセラーって。それになんでわざわざそんな回りくどいことするんです。そんなの嘘に決まっているでしょう」

 くそ、笑われた。
 リルリルめ。嘘ついたのか。

「そんな変なこと言うあの人もあの人ですけど、それを信じる物部さんもやっちゃった感が残りますね」

 ぐはあ(見えない外傷を追い痛みによる叫び)

 
「じゃあ、結局ヘルレイザーさんはこれから?」
「ええ、地元に帰って臨時採用待ちです」
 臨時採用……。
「ヘルレイザーさんって、教師希望なんですか?」
「ええ、知りませんでしたか?」
 いや、知らんがな。


 少し、溜息をついた。
 隣では、引越し作業をしている家族連れ。私も去年はああだったなあ。

「今家族連れが入ろうとしている部屋に住んでるはずのリルリルは、どうしてるんです?」
「多分、それも嘘ですね。私もあの人がどこに住んでいるのかしらないんです」
 世の中嘘だらけだ。



「ヘルレイザーさんは今日ここを発つんですか?」
「いえ、明後日に引き払う予定です。物部さんは、これからどちらに?」
「ちょっと朝倉に自治会の仕事で。それで明日からはちょっと合宿行ってきます」
「あら、それじゃあ今日が最後……」


 少し、溜息をついた。
 ヘルレイザーさんは、にっこり笑って「楽しかったです」と言った。
 なんと言ったものかわからなくて、口から出た言葉は「はい」だった。

 うん、この一年も楽しかったのだと思うけど。




 今日、二十歳になった。




2006年03月10日(金)
物部日記・いや、なんか個人的にウケたんですよ


 私は海老銃以外の場所でも執筆活動をしています。
 まあ、インターネットに投稿しているんだけどね。

 今日、「これ×××のパクリ?」と書き込まれました。

 いやあ、なんか笑った。別に皮肉とか嘲笑とかじゃなくて、笑いのつぼに嵌ったんですよ。
 なんか新鮮でした。「ああ、そういう見方もできるのか」って。

 パクリと言われたのはこれで二回目です。
 一回目はわざとパクってみたのですが、今回はすごいいいアイデアだと思って使ったら「パクリ?」と聞かれてびっくり。
 畜生、すでに使われたことのあるネタだったのか。


 結構、あるのですよ。こじつけなんかでなく、本当にネタが既存の小説と被る時って。八年くらい温めていたネタが突然商業誌で使われているのを見て、使うのを断念したことあるんです。(自分の処女作を最近人に見せたら「これ××の影響受けているよねって言うけれど、これ書いたのその人が世に出る前のことなんだよ海老原君)
 そういう場合って、早いもの勝ちですからね。
 誰よりも先に世に送り出すのも、実力。

 自身の力不足は否めません。


 って、なんだかこの頃の日記は締めがネガティブだなあ。




2006年03月09日(木)
物部日記・短文なのは書くのが面倒くさいからではありません。いやほんと


 yahoo見てたら、高知県が総務省に提訴されていました。

 高知県を提訴? 実際に訴えられるのは誰なのだろう。ちょっと考えると頭を捻ります。