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≫2008年04月09日(水)≫

ナショナルギャラリーにコローの小部屋があったって知ってた?しーらーなーかった!縦長の連作、朝、昼、夕、夜、と、手のひらを合わせたくらいの小さい絵が数点。部屋めいっぱいにコロー。この連作、一枚一枚は、なんともコローらしい地味系な風景画なのに、4枚続けて見ると、その光や空気、時間の移り変わりが凄い。朝の、陽が昇る一瞬前の澄んだ、靄がかった空気、昼の、誰も意識しないようなありふれた普通の時間、夕の、まだ明るいのに確実に迫る夜の気配、夜の、暖かな星空と一日の終わりの心地よい様な少し疲れた感じ。いくら見ていても飽きない絵だった。

日本にいた時は、絵画と言えば、もっとアグレッシブな雰囲気の、例えばカラバッジオとか、エゴンシーレとかゴッホやゴーギャンを好んで見ていたのに(今でももちろん好きだけど)こっちに来てからはもっぱら風景画に惹かれっぱなしだな。好みが相当変わったと思う。ターナー、ルソー、コローはその中でも特に好きだ。あとはピサロやセザンヌ、スーラも良い!!昨日ヤフーの何でも検定みたいので、美術系をいくつか試してみたけど、西洋美術なら、難易度高くても全て全問正解だったさ!特に、絵を見て作者応えるのは、選択肢見なくてもよゆー!簡単すぎるね。

参考 興味あったら是非
http://minna.cert.yahoo.co.jp/LIST/tag?x=%FD%FE&tag=%B3%A8%B2%E8

さて今夜は、本当はマリーさんとオペラカルメン観劇の予定だったのだけどチケット取れなかったので、代わりにビリーエリオット初観劇!楽しみよ!


ただいま!ビリーエリオット観てきた!これは、映画が最高傑作だから、舞台にしてどうかな、とずっと疑問に思ってて、ずっと観ないでいたのだけど、重い腰あげてやっと観てみてね。ナオの個人の感想だけど、映画と比べなかったとしても、演出美術脚本音楽は、多々、あれ?え?……?そんな?まさか?とかなり疑問が残るけど、この舞台に限り、そんなこと野暮!少年が、オンウエストエンドのビッグシアターを一人で引っ張る姿を見れば、鬼の目にも涙。全幕通してほぼ全てのシーンに出て歌って踊ってを繰り返す、まだ幼いのにその本物の役者魂みたいのを健気にも見せられたら、涙流さずにはいられない。

演出に関してつっこみどころは沢山沢山沢山あるけど、辛口な事は一切書けないな。これ、狡いわ。ビリー可愛すぎる。マイケルも凄い可愛い。キャラクター的には、あれで良いのかな、と思うんだけど、可愛いから良い。トニーもパパも、あれで良いのかな、と思うんだけど、ビリーが可愛いから良い。先生も、あれで良いのかな、と思うんだけど、ビリーもデビーも可愛いから良い。アダムクーパーもマシューボーンもトニーのアイルミスユーマンもブギもロンドンコーリングもクラシックなピアノも移動図書館もボールもないけど、しかもストーリーも細かいところで若干違うけど、ビリーが上手いし、頑張ってるから、可愛いから、良い!そういう舞台でした。因みに北部訛りの英語、聞き取りがハードすぎる……アメリカンイングリッシュが聞きたい。



≫2008年04月08日(火)≫

お騒がせしました、しこふんじゃった、見れた!有り難う!

力士たちは若い薔薇色の巨人で、システィーナ礼拝堂の天井の宗教画から抜け出して来た類稀な人種のような……

映画の冒頭で引用される、このジャンコクトーの一節。最高だね。いわば、方程式にするなら、ミケランジェロの男性像=力士、ってことでしょ。ワオ!ワオ!ナオの二大好みの男性像繋がった!ジャンコクトーすげえ!映画自体も凄く凄く良かった。教授の部屋にダビデ像!ミケランジェロの天井画のイグザクトリーな画集の映し方も素敵だった。良い演出!お相撲やっぱり好きだ!でも、確実に、ナオは彼らの取り組み見たら笑いを隠せないだろうな。想像に容易い。

邦画って本当、数打てば当たるから見るのやめられないんだよね。


凄く偏見な話だけど、今朝お母さんと、ダリやピカソやムンクを一番好きな芸術家に挙げてる人は信用できないって話をしてて(もしいたら本当に申し訳ないです)じゃあそういうお母さんは一番好きなのは誰なの?と聞いたら、予想通りだけど、クールベさんとレンブラントは別格、と応えてて、さすが素晴らしいお母さんで最高だな、と思った。クールベさんが一番好きな画家って言う母親、素敵すぎる。ちなみにナオは、芸術家、と聞かれればもちろんミケ。画家、と聞かれればルソーとターナーと応えます。とっても素直だよね。つくづく毒のない人間だなあと自分でも思う。そこがナオのつまらないところでもあるのかもしれないけど。



≫2008年04月06日(日)≫

おはよーございます:9!………!?え、雪???朝起きたら外一面真っ白なんだけど…しかもまだ降ってるし。えーーー初雪?トーチリレーどうなるんだろう。。とりあえず状況を見守ります。あー雪ってー……あと、チャールトンへストンが亡くなったニュース見ました。最近は色々非難ゴーゴーな人だったけど、ナオは彼の演じたミケランジェロがある意味理想で、なんともいえない気分。素敵だったなあー。



≫2008年04月03日(木)≫

これからナオさん突然ですがスパマロット観てきます。久しぶりにロックユー観ようと思ってチャリングクロスStを歩いてて、気づいたらスパマロットの劇場で学割のめっちゃ良い席買ってました。……あれ?それで、一度家に戻って、キャストチェックしました。USツアーーー!!!!コラ!羨ましすぎる。羨ましすぎる。USツアーのアーサー王、なんとゲイリービーチ様…!!!えええナオもゲイリービーチのアーサーが観たいよーーー!いいないいな!ロンドンキャストは、なんというか、どこのカンパニーよりも年齢層が高い…一度で良いからイケメンのランスロットが観たいよーハンクアザリアのランスロット!エニウェイ、観に行くのはショーそのものであって、決してアクターではないから!

今オフシアターで上演中の、Last Days of Judas Iscariot という舞台が、各紙絶賛で凄く気になってます。ショービズの世界でも、まだまだ聖書や宗教はタブーらしくて、そんな中でのかなり斬新な解釈の舞台らしい。面白そうって思うけど、これは英語理解する自信ないなー。悩むところです。あとは、夏にオープン予定のマシューボーンの新作、オスカーワイルドの Dorian Gray が楽しみ!


スパマロット、観る前が最悪だったけど、舞台自体は最高だった!もうお腹抱えて笑った。これツボすぎるな!今度お母さんがロンドン来たら、絶対にスパマロットを一緒に観よう!この間も、指輪物語ではなく、こっちにすれば良かったよー迂闊だった。この作品、基本的に、鎧甲時代のキングアーサー物語だし、後は他のミュージカルをひたすらパロディーにして巫山戯てるのだから、もとの作品知ってれば笑えないはずがない。そのもとの作品が、例えばオペラ座の怪人、屋根の上のバイオリン弾き、ウエストサイドストーリー、ボブフォッシー、雨に唄えば、などの、誰でも知ってる、特にうちのお母さんも良く良く知ってるものばかりじゃん!これは本当にご機嫌ミュージカルだよ。台詞も少ないし!観終わった後の重厚感とか一切ないけど。家に帰る頃には舞台観たことちょっと忘れてるくらいの軽さだけど。好きだなあ!パッツィーとランスロット愛おしすぎる!!



≫2008年04月01日(火)≫

てっきり木曜日かと思ってたよ、今日。火曜日かー!エイプリルフールにだまされたな。

そして、嘘のような到底信じられない本当の話。今日は凄い。自分でもちょっと信じられないくらいだ。昨晩、何故か全く寝付けなくて、結局一睡もしないまま朝を迎えてしまって、折角だから早い内に家を出て、久しぶりに大英博物館に行きました。ルネサンス彫刻はないけど、古代ギリシア、ローマの彫刻を存分にスケッチしようと思って。天気も良かったし、かなりご機嫌に、1時間半くらいギリシア・ローマの時代を堪能して、帰りに少しドローイングの部屋だけ覗こうと思って、移動したのね。

そこでは丁度今ポロックの特集がされてて、当たり一面ポロックの素描。なんだがっかりと思って振り向いたところに、巨大な、ミケランジェロの石の壁に描かれた人物の絵があって、しばし自分を見失うくらい、穴があきそうなくらい見つめてた。ひとしきりその絵を堪能したところで、その部屋には、ナオと、学芸員のおじさんだけだったので、ちょっと気軽な気持ちで、他にミケの素描はないんですか?って聞いてみた。本当に、ひやかすくらいの気持ちだったんだよ。

そして案内されたのが、まるで19世紀くらいの図書館のような静かで人も全然いない部屋で、未だに状況を全く掴めてないナオに、スタッフのおばさまが、一冊の本を持ってきて、ここから見たい絵を選んで、番号を紙に書いて知らせてね、と。それが、大英博物館所有のミケランジェロの素描の図録だったわけです。混乱しながらも、とりあえずページをめくるめくる…は?これもこれもこれも、全部ここにあるんですか?いやまさかまさか。無意味な自問自答だよ。エイプリルフールの罠かと本気で疑ったよ。本だけでも充分満足したんだけど、絶対にありえないくらいに思って、恐る恐る3枚選んでみました。数分後、グローブと一緒に渡されたのが、A2くらいの丁寧に保管されてるミケランジェロの素描3枚(本物)でした。もちろん、額にもガラスにも入ってない、そのままの素描そのもの。

24年間生きてきて、この時ほど神聖な気持ちを感じたことはない。最初にまづ手にしたのが、システィーナの壁画、最後の審判にいる、キリストのデッサンで、目にした瞬間、本当、一瞬で、全く、完全に、一ミリも動けなくなった。心だけが小さく震えてるのが全身でわかるのに、他の機能がまるっきり停止したみたいな。細胞が、一つ一つ全て浄化されるような。何の疑いもなく、自然に神の存在を受け入れた。この感覚は、言葉では正確に説明は出来ない。自分のコントロールが全く自分で出来なかった。世界に、ナオと、神様、つまりミケランジェロしか存在してない。大げさじゃなく、ああ奇跡だ、と思ったよ。

3枚なんて、欲張りすぎた。全く、他の2枚には手が伸びなかった。そんな器持ってない。時間の許す限り、多分40分くらいだったけど部屋がクローズになるぎりぎりまで、無心にキリストを眺めていたよ。常々、彫刻でも絵でも何でも、ミケランジェロの作品に実際触ってみたい欲求があって、実際肌で感じてみたいとずっと願っていたんだけど、なんてそれは浅はかな考えだったんだ、とわかった。これらの素描は、本物より二回りくらい大きい厚手のボードに綺麗に貼られているだけなので、物理的には、触ることなど容易いのだろうけど、ナオは絶対に絶対に絶対に無理だった。触りたい、なんて思うことすら罪に感じた。だって、そこに居るのは神様そのものだったよ。何と言ったら良いのかな、絵が、というよりは、絵だけれども、その存在自体が、発光していた。本当に。神々しいという言葉を初めて理解した。宗教を、初めて理解した。

後のことは、もう無いも同然。これからは、きっと自然と家でも、いくつかあるナオのミケランジェロコレクションに祈ったりとか、頻繁に、人が教会へ行くのと同じ感覚で、大英博物館に行って絵を時間の限り見てるとか、するんだろうな。確信として。

イギリスって本当に凄い。至宝の数々を、惜しみなく、しかもフリーで一般に公開する、その懐の大きさ、人を育む環境に、頭が上がらないよ。本当に本当に、ありがとうございます!!!



≫2008年03月31日(月)≫

ナオもやっと、so you think you can dance のフィナーレを見ることができた!お母さん有り難う!ずっと最初から、優勝はダニーだろうな、と、好き嫌いは別にして、客観的に、ダニーのダンスは他のメンバーに比べて飛び抜けていたし、最初から比べものにならないくらい、と思ってた。けど、これはダンスの上手さ云々の番組じゃなくて、アメリカンフェイバリットを決める番組なんだから………!!!イエイ!!イエイ!!!当然!この結果当然!!セブラおめでとうーーー!!大好き!最高に大好き!めっちゃ嬉しい!!

実は、前にお母さんから優勝はダニーではない、とネタバレされてて、レイシー、ニール、セブラの3人の中で優勝を決めるのに、セブラ以外の2人が選ばれたら、これはかなりナオの個人的趣味だけど、一番最初、トップ20人のダンサーの中で既に、レイシーとニールはナオの好みじゃない、彼らのダンスを魅力的だとどうしても思えないと思ってた2人だったので、相当ショックだったと思う。というか、アメリカのダンス界とはきっと決別だった。やっぱダンスはイギリスでしょー!って。偉そうにごめんなさい。技術ではなく、好みの話です。

でもセブラーセブラー!!彼女は最初から、とは言わないけど、番組のかなり前半からお気に入りダンサーの1人だったし、舞台で見たいダンサーの1人だったよ!最高に嬉しい!特に、トップ10の時に踊ったソロダンス、あれはナオが今まで観たことのあるあらゆるダンスの中でも指折り最高のダンスだった。何度も何度も何度も繰り返し見てる。わわ!本当に嬉しい!!

ちなみに番組を振り返って、途中から興味のないペアは飛ばしながら見てたから見てない作品も結構あると思うけど、ナオのベスト5のダンスは、

1 ジャマールのスウィング!!!(つかベスト!!)
2 トップ10のセブラのソロ(ナオはこのダンス中毒)
3 アーニャとダニーのワルツ(芸術そのもの)
4 サラとヘススのチャップリン(短いのに凄い世界観)
5 サラとヘススのヒップホップ(凄い可愛かった)

まさかのジャマール!!もう最高すぎた。なにあいつ、最高。スウィング!大好き!素敵!タラララーを待ってるんだ、って、正論!あんなリズムだけじゃ踊れるわけない。ああ最高だージャマール他のダンスでも見たすぎる。あと、ジャマールの相棒も最高キュートだった。あの2人、最強!

それにしても面白い番組だった!次のシーズンも楽しみ!これの英国版があったら最高なんだけどなー多分イギリスのダンスは、全く新しい何か、というよりは、基本の上での信じられないアレンジ系だと思うんだよね。アメリカとは全く違ったものが見れそうなんだけどな!ダンス最高!
 


日曜日
マリーさんとテートモダンのエキシビション見てきたよ。スペインの彫刻家、フアンムニョス展とデュシャン、マンレイ、ピカビア展。チケットは学割でもそれぞれ£10くらいで、ナオはお金を払ってまで絶対に見ないモダン・コンテンポラリーアートのエキシビションだけど、今回はマリーさんの御陰さまで両方フリーで見れた!フリーなら、どっちもかなり見ごたえあるエキシビションでした。大変満足!

フアンムニョス展は、リアルな人間の彫刻が殆どで、それがインスタレイション的に展示されていて、しかも作品それぞれが見る側にストーリーを想像させるような意味ありげで、何とも奇妙な感じ。2人で色々想像しながら見てとても楽しかった。自分の頑固さを密かに反省もした。考え方や趣味趣向がかなりクラシックなんだよね。そういう自分も嫌いじゃない、むしろ好きだけど、その上で、もっとオープンマインドに物事を受け入れるでかさみたいのがあったら理想だな。少しずつ。少しずつ。

デュシャン、マンレイ、ピカビア展は、なんというか、ナオは実はこの辺の時代までのモダンアートに対しては、割と許容範囲で、それどころか、歴史と一緒に考えれば必然だったとすら感じているくらいで、素直に楽しめた。面白かったのは、今まで個人的な意見として、美術史はこの時代から50年以上経っても未だに発展してないで、現代アーティスト達は未だに50年以上前の彼らが壊したダダ的芸術概念を引きずっているんだと思ってた。(だからこそ、アートに関してはアンチコンテンポラリーだった訳だけど、その話はまた長くなりそうなので割愛)けど、改めてこうしてモダンアートを見た時に、既にそれらはクラシック作品になっていて、確実に、時代は変わっていて、確実に、正に今の、コンテンポラリーアートは存在するんだな、とわかった。あと何十年何百年後に、21世紀も一つのアートの時代の区切りになるんだな、と。それを納得いく形で理解しただけでも、ナオにとって価値のあるエキシビションだった。

展示品の中では、だんとつで、ずっと前から引っかかってたデュシャンの作品名「彼女の独身者達によって裸にされた花嫁さえも」が見れて、ちょっとこれは興奮した。タイトルが小粋すぎる。ちなみに英語だと「the bride stripped bare by her composition,even」で、最後のeven がやっぱり粋。他には丁度タイムリーにレオナルドダビンチを鼻で笑ってるところだったから、あの有名なモナリザのひげにはスカっとしたね。あとこれもデュシャンだけど、彼の初期の、人間の動きそのものをキュビズム的に描いたペインティングはどれも心から凄いと思った。発想と表現力!想像してたより遙かに充実した時間を過ごせた。勉強になった。行って良かった!美術って面白いなと改めて感じたよ。

家に帰って、夕飯もマリーさんとクッキンして美味しく頂き、隣のおばあちゃんと少しおしゃべりした後、BBC制作のミケランジェロについてのドキュメンタリー番組を見て、モダン?コンテンポラリー?失笑!芸術はルネサンスにあり、ミケランジェロにありでしょ、とまた頑なに頑固なナオにお戻り。でも真理だと思う。ミケランジェロは美の、芸術の、神そのものだ。多分ナオ、システィーナチャペルに行って、本物の天地創造、最後の審判を見たらもうそのままご臨終かもしれない。番組で、画面で見るだけで息も止まるくらい泣いた。それにしても、イギリスはミケランジェロ本当に本当に大好きだね(^^)/



≫2008年03月30日(日)≫

結局昨晩未明まで the giant 止まらず最後まで読み続けてしまった。しかも今日から夏時間で、ますます寝不足な上もう正午だし…これからちょっと出かける!けどその前に感想!

レオナルドが常々美味しいところを持っていくのはもう何というか、全てのこの時代を取り扱ってる作品に共通なのかも知れないけど、絶対好きにはならないよ。むしろ反感だよ!スクリプトを読んで、舞台を観て理解してなかったところがきちんとわかって、その上で凄く感動というか衝撃というか、どーんと重い何かが胸に残った。この作品の一番のテーマは孤独ということなのかも。ミケランジェロは偉大だし偉業をいくつも残しているけど、それ故に、完全な孤独。なんだかナオまで寂しくなっちゃう。彼自身どうしようも出来ない孤独。しかもそれを自然に受け入れちゃってるから、改善もできないし、ただ心を痛めるだけなんだよ。でもそれがミケランジェロのミケランジェロたるところでもあるんだけど。

この話ではミケランジェロの比較対照にレオナルドを使っていて、史実でも言われている通り、レオはミケとは反対に、変わり者だけど、誰からも尊敬されて、慕われて、周りを人で囲まれてる人で、それなのに、結局レオナルドがミケランジェロにした助言は、要約すれば、孤独を受け入れろ、ってことで、それが酷くナオをいらだたせた。最低だな!レオ自身、彼の作品と一緒で人とのコミュニケイションも未完成で、完全には誰かを受け入れることの出来ない人だから、と作中では理由付けてるけど、それをミケに押しつけることない。

ダビデが完成する前に、ミケとレオで、またガニュメデスの物語について話すシーンがあって、今度は暗にガニュメデスをヴィートに置き換えて話してるんだけど……あー駄目だ、上手く説明できそうにない。つまり、レオは彼の解釈通り、ヴィートに対してもバイオレンスを含む生々しい感情を持っていて、だけどミケは、ヴィートに対して、神様視点で解放と自由を与えるんだよ。きっとそれでもミケだって人間なんだから、もっと人間らしい感情だってあるのに(実際そう描かれてる)ミケには他に選択肢はない。

それで、更に、ミケがあまりにも技も考え方も神様的だから、結局一般人はそれ故離れていくんだよ。ヴィートも。ミケとレオを比較して、人間らしい、レオナルドになびいちゃうんだよ。ああむかつく!

駄目だ時間だ。行かなくちゃ!ナオはミケランジェロが好きすぎるな!イギリスの舞台制作者様々、どうか次はミケの晩年を優しく穏やかな時間に包まれた晩年を、彼とか彼女とかと一緒に描いて下さい。安らかな、ミケランジェロを。



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