くじら浜
 夢使い







井戸の中 4   2012年07月09日(月)

石は小さな宇宙だ。

ふたりは放たれた光の中で抱き合った

石は放たれた光だ。

光は垂直に井戸の底を目指す

加速がつくほどにゆっくりと
ふたりは光の中で抱き合った







星の数   2012年07月01日(日)

3日間歩いてようやくたどり着いた
ここは星の数がいちばん多い場所

10メートルの木造のつり橋を渡り終えると
ほっと一息をついて
適当なところにテントを張った

一眠りしてテントから出ると
いつの間にかそこは漆黒の闇に包まれていた

ぼくは寝そべって
闇に浮く一粒の光たちを数えていった







刻んでいく   2012年06月22日(金)

この道は果てしなく遠く
深く痛く
その先に何があるのか

盲目のぼくは君の背を追い
壊れた言葉を探しながら君は歩く

ゆっくりと

その歩みは
また増えたおじいちゃんの皺に
深く刻まれてゆく








手   2012年06月20日(水)

ちいさなサッカーボールが
海を越えて帰ってきた
潮をたっぷり吸い光を浴びて少年の手へ

たくさんの手が
また増えたおばあちゃんの顔の皺をなでた

また咲いてくれた桜の木の下
君の手のひらに桜が舞った








見つける   2012年06月18日(月)

小さな手をとって
ここだよと
君は言葉をひろった








さくら   2012年06月17日(日)

少しの想いが桜を咲かせる

どうか咲いてくださいと







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