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やすみ日記
梅子
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2008年04月13日(日)
「なよびかな恋」

「なよびかな恋」(五百香ノエル)を読みました。
面白かったです。 ネットでBL感想日記を書いてる方がいらして、いつも参考にしているのですが、そこで「木原さんぽい」と言われてた作品です。うん、確かに。
妻子持ち(別居中)の男が、自由奔放な年下の同僚に振り回される話。女性が存在感のある役で出てきたり、激情に引きずられて人生が狂う描写とか、「白皙」を思い出します。やまがたさとみさんの、淡い色の表紙がとてもきれい。
『こんなに自分を愛してくれる人は、もう現れない。それは金でも地位でも手に入れることが出来ない。子どもの頃に見た、童話の中にしか存在しないはずだった』
という一文が、じんときました。

「とめはねっ!」3巻(河合克敏)も読みました。
ますます面白くなってきました。
ライバル高の、さわやかで腹黒い勅使河原君が良いですね! のんびりな縁との対比が面白い。
望月さんは相変わらず、縁の気持ちに気づかず、書道のライバルとしか思ってないのも、笑えます。
篆刻や書の甲子園と、色々ネタが出てきたところで、続くになってます。楽しみ。



2008年04月12日(土)
ジャパノロジー

金曜深夜にNHKで放送してる「Begin Japanology」、録画してたのをまとめて見たんですが、「囲碁」の回が面白かったです。やっとルールが分かった(笑)ヒカルの碁も読んでたんですが、ルール知らないままだったんですよ。
ジャパノロジーは、英語で日本文化を紹介する番組で、副音声で日本語が聞けます。
「和菓子」の回、録画し損なって、がっくり。「着物」の回も見たかったなぁ。



2008年04月10日(木)
「番線」久世番子

本に関する仕事を取材した、コミックエッセイです。
本の貸し借り、私も袋にこだわりますよ(笑)国会図書館で本を修復する人や、写植屋さんなど、珍しい仕事の現場が見れて、面白かったです。
校正さんのこだわりっぷりは凄いなー。辞書を作る人は大変そう。教科書、懐かしい! 一箱古本市、楽しそう。
本を愛する気持ちがあふれまくった本でした。



2008年04月09日(水)
「帰宅」剛しいら

本屋大賞、発表になりましたね。一位は伊坂幸太郎氏「ゴールデンスランバー」でした(未読)。二位は近藤史恵さん「サクリファイス」! これは本当におもしろかったです。三位・森見登美彦さん「有頂天家族」(これも未読)。森見さんは、まだ20代なのに、ベストセラー連発で凄いですね。

「帰宅」(剛しいら)読みました。10年前のデビュー作なんですが、凄い完成度! 暗く重い短編ばかりで、読み応えありました。
中学の先輩に銃で脅され、強盗を手伝わされたあげく、逃避行に付き合わされる少年の話。
爆発事故で妻を失い、息子も重傷を負った父親が、退院した息子は入れ替わった他人かもしれないと疑う話(息子は事故で顔が変わってるんです。サスペンス調)。
親友が、自分を恨む遺書を残して自殺した、高校生の話。
の3本です。どれも心理描写が巧みで、短いページに内容がギュッと詰まってます。後書きの、作家になろうと思ったきっかけの話も印象深い。



2008年04月07日(月)
「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」

「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」(桜庭一樹)を読みました。
冒頭からショッキングな新聞記事で始まり、何故こういうことになったのか、回想していきます。

転校生・海野藻屑との出会い。彼女は、嘘つきで変人。空想で塗りつぶした現実を生きています。逆に、主人公のなぎさは、母子家庭でひきこもりの兄を抱え、早く就職して大人になることで、現実を生き抜こうとしています。そんな中学生二人の物語。
可愛い絵柄なのに、恐ろしくシビアで、針で指すような痛みを感じました。子どもの閉塞感ややり切れなさが、ひたひたと胸に迫ります。もう大人の年齢なのに、先生やお母さんよりも、なぎさ達に共感して読みました。
ひきこもりの兄を「貴族」だと言い、庇い続けるなぎさの気持ちは、暖かいけれど、切ないです。藻屑を大事に思いながらも、何もしてれないと嘆く気持ちも。こういう無力でやりきれない気持ちを、忘れたくないものだと思いました。



2008年04月06日(日)
大阪くらしの今昔館「モスリン展」

「大阪くらしの今昔館」に行ってきました。
企画展「モスリン展−ちょっと昔の普段着きもの−」が今日までだった! というのを、今朝思い出したのです。

「大阪くらしの今昔館」自体、初めてで、常設展も面白かったです。
江戸時代の長屋が実物大で再現してあって、写真撮影もOK。途中、雨が降ったりして(音と光だけで表現)、凝ってるなーと思いました。
別の階では、明治〜昭和初期のジオラマが。
明治・大正時代、通天閣の側に「ルナパーク」と言う遊園地があったそうです。知らんかったー。ショップで、ルナパークのペーパークラフトを買いました。組み立てられたら、また報告します(笑)大正時代の大阪の地図もあって、買おうかどうしようか悩みました。

モスリン展。
下着とは思えないほど、鮮やかで凝った柄の襦袢が多かったです。チラッとしか見えない部分なのに、おしゃれだなー。子供の着物は可愛かった。生地を造る工程も展示されてて、興味深い。



2008年04月05日(土)
二条城ライトアップ、根付館

京都 清宗根付館二条城ライトアップに行ってきました。

まずは、阪急大宮駅で降りて、根付館へ。
旧神先家住宅という、江戸時代の武家屋敷で、指定有形文化財になってます。新撰組も分宿したことがあるそうです。
すごくきれいに改装されていて、門から玄関へのアプローチ、更にお庭も美しかったです。接客も丁寧。
現代の作家さんが中心で、古典的なデザインで、女の人や動物を作る人も居れば、食べ物や昆虫ばっかりつくってる人もいて、面白い。細かすぎて、ルーペで見ないと、よく分からないのもあります。器用だなー。
途中、土間でお茶をいただけるスペースがあって、休憩しました。
二階も見て、全部で30分くらい。建物も美しくて、良かったです。

7時すぎに二条城へ行くと、もの凄い行列が! こんなに人が居る二条城を見たのは初めてです。でも、結構さくさく動いて、まもなく券売機に到着。
今回は、洋装の友達と一緒なので並びましたが、和装の方は無料なので、並ばずに入れます。

中は、桜が満開でした。白く照らされる桜が、幻想的できれい。写真では、美しさを再現できないのが残念です。特に、桜のトンネルみたいになっている道が、素敵でした。
くみさんは、休憩所で、お能のトランプを買ってはりました。一枚一枚絵柄が違ってて、ジョーカーが鬼なんですよ! なるほど。

行きのバスはギュウ詰めで、帰りも混んでて、バス停に着いたのに降りられなくて、一度ドアを閉められてしまいました。他の方が「降ります!」って叫んだので、開けてくれましたが(^^;
桜の時期に京都に来る方は、歩ける距離なら、ご自分で歩いた方がよろしいかもしれません。

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くみさんに、「ちりとてちん」に萌えましたvと言う話をしたら、くみさんのお友達の作家さん、更にその友達の漫画家さんもハマってらっしゃるそうです。BL界では有名なのか!? その漫画家さんのちりとて絵がとっても見てみたいです。

くみさんは、小説を書くとき、話が映像で浮かぶそうです。くみさんのお友達の作家さんは、「ラジオ型」だそうで、人それぞれで興味深いなーと思いました。他の作家さんはどうなのか、聞いてみたいですね。



2008年03月28日(金)
FLESH&BLOOD」11巻

「FLESH&BLOOD」11巻(松岡なつき)読みました。
ぬをー! もの凄く面白いところで「続く」になってるー! 次巻が出るのはいつだー!
もう、今回はビセンテに尽きますね。不憫なやつ…。
ネタバレようやく恋を自覚した、ビセンテのモノローグが、暑苦しく堅苦しくて笑えました。
イングランド勢がスペインまで助けに来て、板挟みになるカイト。もーどうなるんだ! スペイン勢にも死んで欲しくないし! 続きが気になりすぎて、身もだえしてます。
次巻、カイトの機知で、二重スパイ・ラウルを出し抜く様が見てみたいです。
カイト、結核の疑いが出てましたけど、たぶん違うんでしょうね(と、思いたい)。
そして、カイトが、フェリペ二世に、アルマダ海戦でスペインがどうなるかを話してましたが、もしかして、歴史が変わって戦争をしない方向へ行くのかな…それは無理かしら。



2008年03月25日(火)
「空飛ぶタイヤ」池井戸潤

三菱自動車のリコール隠しを題材とした小説です。
表紙とタイトルは、ほのぼのした感じですが、中身は熱い。巨大組織と戦う個人ということで、「白い巨塔」を思い出しました。
走行中のトラックからタイヤが外れ、死亡事故が発生。事故を起こした運送会社の社長は、整備に不備がなかったことを確信し、事件の真相を独自で調べます。が、警察は最初から犯人扱い、大企業である自動車会社も、まともに相手にしてくれません。
更に、事件を機に、大口取引先からは切られ、銀行からは融資を断られ、子供はいじめられ、自分も周りの親から白い目で見られ…と次々苦難が襲います。この、ピンチ→切り抜ける→またピンチという繰り返しで、ページをめくる手が止められず、昨日はなかなか眠れませんでした。
大企業の、ぬるま湯体質や世間ずれしたエリート意識を、見てきたかのようにリアルに描いてるなぁと思っていたら、作者は三菱銀行の方だったのですね。
文章はとても読みやすく、中身はとても読み応え&爽快感がありました。読み出すとやめられないので、お時間のある時にオススメです。



2008年03月23日(日)
きものコンサートと、ドイツ・ポスター展

昨日、きものクラシックコンサートと、平安神宮、ドイツ・ポスター展、東山花灯路に行ってきました。
まず、人力車に乗ろうと思って、平安神宮前へ。
配布時間10分前に着いたら、もう先着10名で打ち切られたということでした。残念。抽選かと思ってたのですが。早めに来ないとダメですね。

せっかくなので、平安神宮へ。
着物だと御苑が無料なんです。花は少ししか咲いてませんでしたが、結構森が深くて、樹齢かなり経ってそうな立派な木が沢山あって、見応えありました。静かで、落ち着きます。

京都国立近代美術館へ。
「ドイツ・ポスター 1890-1933」展を見ました。ここも着物で無料。
意外と良かったです! 見ないかもと思って、チケットを人にあげてしまったくらいですが(^^; 来て良かったです。面白かった。
色数も少ないし、文字だけのものもあるのに、格好良かった。美術展のチラシで見るより、実物は色がきれいですね。
肉屋や文房具の広告まで、何でこんなにおしゃれなのか。戦時中・戦後のものは、時代が色濃く反映されていて、興味深いです。
日本の昭和初期のポスターもありましたが、モダンだなぁ。ちょっとふざけてて面白かったです。

美術館で、同じく一人で来ていた、着物姿の女の子と知り合いました。
一階のロッカーに、着物無料入場券を忘れて、取りに帰ろうとしてはったので、「余分に持ってるので、差し上げます」と声をかけたことが、きっかけです。
一緒に美術展を回り、その後のきものコンサートもご一緒していただきました。

きものクラシックコンサート。
指揮者は、齋藤一郎さん。30代の若手の方で、東京芸大の指揮科を主席で卒業、岩城宏之氏や佐渡裕氏に師事していたそう。
動きがきっぱり分かりやすく、時々すっごい笑顔でした。指揮者の動き見てると、次に大きな音が来る! とか分かりますね。
一曲目は、モーツァルト交響曲第34番。
モーツァルトらしい、明るくて聴きやすい曲なんですが、あまり印象に残らないメロディだなと思いました。
二曲目、ベートーヴェン交響曲第6番「田園」。
有名な第一楽章が好きです。ベートーヴェンって才能あるなー(当たり前ですが)。チェロの人が、途中で弦を落として、慌てていました(^^;
合間に、全国きものの女王3名の発表。
選ばれた、大阪の人は今風でかわいい。東京の方は日本髪が素敵。京都の方は堂々としてらっしゃいました。選ばれなかった方も、皆さん、美しくて品があって、素敵でした。

コンサートが終わって、東山花灯路にも行ってみようということになりました。
石畳の道に、灯りが灯され、風情があります。ねねの道とか、驚くほどの人! 
そして、私はデジカメの充電が切れてしまい、携帯で写真を撮りました。アホやー(><)
着物や手ぬぐいのお店をぶらぶら見て、四条大宮で解散。楽しい一日でした。

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追記。
ポスター展で展示されていた、杉浦非水って、多摩美の初代校長だったんですね。へー。えらい、モダンで格好いい夫妻や。