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やすみ日記
梅子
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2009年10月06日(火)
「星間商事株式会社社史編纂室」三浦しをん

腐女子が主人公です(苦笑)
普通に小説として面白いのですが、これがもしドラマ化されたら、さぞかし居たたまれないだろうなぁ(^^;

OL・幸代が、社史を作るための取材で、会社の後ろ暗い過去を見つけてしまう、という話。
会社の妨害にもめげず、コミケで、裏社史を作って売ってしまおう! という流れに吹き出しました。

窓際社員が奮闘するってあたり、ショムニっぽいと思ったのですが、対抗手段が同人誌ってのが、斬新ですね(笑)

作中に、幸代の書いたリーマンBL小説も出てくるのですが、面白い! これ1冊で出してほしいくらいだ(笑)



2009年10月04日(日)
世にも奇妙な物語 2008春の特別編

世にも奇妙な物語 2008春の特別編 (DVD)を見ました。

「フラッシュバック」の最後で大泣き。
ネタバレ→殺人犯の記憶を、リアルに再現できる機械で遊んでいた、家族持ちのサラリーマン。
実は、温かな家庭の方が虚構で、殺人犯こそ自分自身だった…という話。

現実に戻った死刑囚が「これが…家族か」と言うところ。
万感の思いが籠もっていて、ドッと感情が押し寄せてきました。
「家族というものを知っていれば、人を殺さずに済んだかもしれない」と言い残し、死刑台に上がって、幕。

短い話だけど、印象的でした。

※ ※ ※
「日の出通り商店街いきいきデー」はバカバカしくて、大笑い。
商店街の人たちが、お互いの商売道具を使って、戦う一日。
大げさなワイヤーアクションで、大根(八百屋)や鍋(ラーメン屋)を持って戦う姿が痛快。
ナイス、オヤジ!(笑)

※ ※ ※
透き通った一日は、後味の良い話でした。女子高生の友情物。



2009年10月02日(金)
「電脳コイル」最終話

「電脳コイル」、最終話を見終わりました。

デンスケとの再会、ヤサコがイサコを呼び戻すシーンで号泣。
20話あたりから、話が難しすぎてついていけないかも…と思っていたのですが、最後はすごく真っ直ぐな青春物でしたね。

最初の頃、優しそうだけど、周りに合わせて自分を殺しがちなヤサコが、あまり好きではなかったのですが、最終回で、命をかけてイサコを助け出すところにグッときました。
逆に、イサコは普段は勇ましいのに、お兄さんを死なせてしまった(と思いこんでる)心の傷と向き合うのを避けている、脆さが印象的でした。

「人を信じることは素晴らしい!」と大声で言うのではなくて、「人と人は、細い道でつながっている」と言うところが好き。



2009年09月27日(日)
「ジョーカー・ゲーム」柳広司

戦時中に実在したスパイ養成所、陸軍中野学校をモデルにした、連作短編集です。
次々どんでん返しが来るので、誰も彼も疑わしく思える。 
文章もスッキリして読みやすく、スリリングで面白かったです。
軍隊なのに、生徒に「殺すな・自殺するな」と命令しているのが意外でした。



2009年09月23日(水)
映画「南極料理人」

映画「南極料理人」を見てきました。

細かいエピソードが笑えて、楽しい映画でした。
食べてるところを映してるだけで、こんなに面白いものだとは。
エビフライもラーメンもおにぎりも美味しそうだけど、一番は最初の和食。食べたい!

調理担当・西村君の、苦労っぷりと報われなさは、隊員達の『お母さん』って感じ(笑)
最後、割烹着を着る頃には、本当の家族みたいな会話でしたね。

ドクターが、火のついた肉を振り回して、西村君を追いかける様は、好きな子をいじめる小学生男子のようでした…。

二条のTOHOシネマ、初めて行きましたが、大きくてキレイな映画館ですねー。
40分くらい前に行ったら、ほぼ満席でした。あぶないあぶない。
監督は私と同じ歳だそうです。若い!



2009年09月21日(月)
「ジェネラル・ルージュの凱旋」海堂尊

「ジェネラル・ルージュの凱旋」、原作の小説(海堂尊・著)を読みました。

映画の方が、面白かったです。
原作は、映画に比べて、登場人物多いので、背後関係が分かりにくくて(^^;
アル中歌手と、姫宮のドジっ子エピソードは要らないと思う。

会議の場面が多く、回りくどい会話が延々と続くので、読むのが大変でした。
映画だと、ラスト1回で真相を全部暴くので、スッキリしてますね。

原作の方がいいなぁと思う点は、如月看護師。熱血ぶりが好感もてます。
田口が、親友の速水を、一生懸命助けようとするところも良い。
あと、速水が去ったら、救急センターどうなるの? と思ってたから、原作ではちゃんと、佐藤に後を託すシーンがあって、安心しました。



2009年09月18日(金)
「文・堺雅人」

俳優・堺雅人のエッセイです。

深くものごとを考える人だなぁ。
柔らかくて、人柄の出ている、いい文章でした。

勝手に、演劇やってる人って自己主張激しいのかと思っていたのですが、「完全に受け身の職業。作家とか作り出す職業に憧れる」って書いてあって、意外でした。

事件記者を演じるに当たって、「闘争心には肉だ」と肉を食べまくった話。最後の「役作りの方法として、根本的に間違ってる気がする」という一文に笑いました。

「一部だけを見て、全部分かった気になること」
「分からない部分を見て、全部諦めてしまうこと」
は、両方恐ろしい、という話が印象的。

「何もしなくても、ただそこにいることが重要」
という話も、ジンときました。

カバー裏の、丸っこくて小さい直筆が、かわいいですね。

「ヒゲを伸ばしたり、形に見えることをやると、役づくりしたって気になって、安心する」
という一文、分かる気がします。
凄く才能のある人なのに、何か、身近に感じますね(笑)

「演技する」ってどんな感覚なんだろう?
自分の一部分を拡大して表現するのか、自分と切り離して客観的に作っていくものなのか。
ガラスの仮面を読んでるせいか、神懸かり的なイメージもあります(笑)

小説を読むときに、セリフを「音声で思い浮かべる人」と「映像で思い浮かべる人」の2種類いる、という話。
くみさんが以前言ってはった、「小説家には、話を『映像で思い浮かべる人』(テレビ型)、『音声で思い浮かべる人」(ラジオ型)の二種類いる』という話に似ているなぁと思いました。
私はラジオ型です。



2009年09月14日(月)
「官僚たちの夏」第9話&原作

「官僚たちの夏」第9話。

鮎川さーん(涙)
体調不良を押して、炭鉱事故現場の指揮を執っていた、鮎川さんが倒れてしまいました。
人気のない病院ロビーで、一人、静かに涙をこぼす庭野に、グッときました。

片山の「(同期の)庭野に負けるなんて耐えられない!」には、ちっちぇ男だなぁ! と思いました。
が、7〜9話は、男達の嫉妬渦巻く展開が面白かったですね。
来週は、とうとう最終回です。

*******
「官僚たちの夏」原作本を読みました。
意外と読みやすかった! キャラクターの個性がはっきりしてるし、文章もなめらかですね。

風越が庭野を大好きすぎて、参ってしまいました(笑)
鮎川に「庭野をひいきし倒すのやめて下さい。あいつが困ります」と言われ。
新聞記者には「あんたが庭野庭野って言い過ぎるから、あいつは周りの嫉妬につぶされたんだ!」って言われてるし。

風越の放言にハラハラする鮎川と、省内でもランニング姿の風越に、無理矢理ネクタイを締めさせる庭野のコンビ。二人ともお母さんみたいや(笑)

同期が仲良しなのも良いですね(ライバル関係も含む)。
法案が廃案になった時、御影&小糸が、泣きながら抱き合って倒れ込む姿に、涙&萌え(笑)二人とも、よく頑張ったもんなぁ。

それにしても、ラストが悲しいよ。ドラマもこの通りになるのかな。鮎川・庭野…。



2009年09月13日(日)
「グラーグ57」上・下 トム・ロブ スミス

「チャイルド44」の続編です。
スターリンの死後、フルシチョフが痛烈なスターリン批判を展開。次々と政治犯が釈放され、元KGB職員の自殺・殺害が相次ぐ。主人公レオにも復讐の魔の手が…という話。

こちらの、続編の方が面白かったです!
急激に反体制の揺り戻しが来た事による、社会の価値観の混乱とか。
レオがどんなに変わったとしても、傷ついた人達への謝罪にはならないんだと自問自答する姿が胸に迫りました。

強制収容所の、所長の謝罪を聞いて、囚人が思った言葉が印象的。
  「仕方のないことだった」この言葉が何千もの命を奪ったのだ。
  人を殺すのは銃弾ではなく、ゆがんだ理論と、入念に考え出された屁理屈だ。

女性達の強さが際だちましたね。
フラエラの生き様が強烈。夫を逮捕され、平凡な主婦から、犯罪集団のボスへと変貌。
報道によって、祖国の残虐さを伝えようとする、彼女の行動に唸らされました。
「お前を憎むまで、私は何者でもなかった」という、レオへのセリフが印象的。

KGB時代のレオ(の部下)に両親を殺された、ゾーヤ。
レオの養女になるも、心を開かず、ついに家を離れて犯罪集団に加わります。
ハンガリー動乱で、暴徒と化した市民に殺された、共産党員の息子にすがりつく父親。
それを見て、ゾーヤが、我に返るシーンも印象的でした。

蛇足。
ラストの、音楽家同士の愛憎劇、もっと詳しく聞きたかった…。
「彼は天才だったが、私はそうじゃなかった」
「私は彼を愛していた」
最初にチラッと出てきた楽譜の話が、まさか最後につながると思ってませんでした。伏線の張り方、上手いなー。



2009年09月12日(土)
アフタースクール/ジャージの二人/ハチミツとクローバー

今日は、1日DVDを見ていました。
頭が痛い…。
時間的には大丈夫、と思っても、やってみたら、頭がごっちゃになって疲労しますね(^^;

「アフタースクール」
真面目な会社員が失踪。彼を捜す探偵と、幼なじみの教師の話。
私は単純なので、見事に騙されました。どんでん返しについていけなくて、え? え? とテレビの前で固まってたり。

最後、木村くん(堺雅人)が、教師妹に、失恋のことを話すシーン。
木村くんも彼女が好きだったとは、切ねえー! と思っていました。
が、他の人の感想見てみたら「木村の初恋が彼女だとは、一言も言ってない」。
そうか、教師の方か。それもどんでん返しなのね!(違う)

「ジャージの二人」
ゆるい…超ゆるい映画でした。何度も寝そうになった。
無職になった息子と、父親が、一夏を山荘で過ごす話。
タオルが流れていく話とか、小説で読んだらしみいるエピソードなのかも知れないけど、映画でこれを面白がるためには、相当の読解力が必要だ…。

「ハチミツとクローバー」
堺雅人は美大の先生役でした。
見る前は、花本先生役にしては、顔が若すぎじゃない? と思っていたのですが、見事なおっさんぶりでした。
藤原兄弟が、そのまんま過ぎて笑った。
話の流れを大幅に変えているのに、エピソードを、所々そのまま突っ込んでるので、ちょっと無理があるかも。竹本君の自転車旅が唐突だし。
花本先生ん家の木造建築とか、美大のレトロな建物が良い感じでした。