「絶対音感」の最相葉月による、エッセイです。
映画「ココニイルコト」が良かったので、元になったエッセイを読みたいと思ったのが、きっかけです。 亡くなった男友達について書かれた、たった3ページの文章なのですが、いい話だった。
ラストの「手紙」もいい。 「人が死ぬことを恐れるのは、自分が悲しみたくないだけ。自分が先に死ぬことを考えて、家族に優しくしようとは、なかなか思えない」というところ。
女性のエッセイだけど、理知的で固い印象でした。 でも、初恋の人に物語を送る「星々の悲しみ」は、綺麗。 心が弱ってる時、時間の流れ方が混乱する「心の時間軸」。理屈で割り切れない、曖昧なものについての文章も良かったです。
子供を持たないことを決心した時の話「こんにちは、赤ちゃん」も、印象に残りました。
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