最終巻です。
こんな挫折しまくる青春小説、初めてですよ。 「自分が凡人である」ということを受け入れる苦痛、を描いた話だと思いました。
才能の限界が見えたとき、このまま続けていけば、そこそこいけるのが分かっていても、音楽をやめてしまうのは、サトルが本当に音楽を愛しているからだと思う。 自分が本物でないことを知りながら、ほどほどの技術で、お金を稼いで世の中を渡っていくのが嫌だという、純粋さ。 高校時代の、2ヶ月の留学が全てを壊しちゃったんだなぁ。
金窪先生、サトルを許すなんて、人が良すぎます。 私なら、玄関先で追い返す!
鮎川さんは、サトルが好きなのかと思ってたけど、何もなしでしたね。 サトルに言われて、オーディション曲を変えたエピソードは、何だったんだろう?
ネタバレ腐感想。
フルートの美少年・伊藤君。 君、やっぱりサトルが好きだったのか! 告白シーンの美しさに切なくなった。ちっとも気づかないサトル、鈍すぎやで! 本番前に、手まで握られてるのによ! 伊藤君の気持ちを知ってからも、20年以上友情が続いているのは、良かったなと思いました。
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