五條瑛!? と思うような、スパイ小説でした。
日本と中国で、エネルギーの新技術を巡って、諜報合戦が繰り広げられるという話。 産業スパイなので、五條瑛作品と違って、国を背負わずに、金だけで動いてますけどね。
いつもの吉田修一と比べると、人物描写が薄い気がしました。 物語に動きがあるので、映像映えしそうな話です。
鷹野と田岡は、お互い、相手が拉致されると、命がけで助けに行くので、特別な絆があるのか?(実は兄弟とか)と思ったのですが、何も無かったですね。
五十嵐議員の不倫も、後で大騒動になるかと思ったけど、何も無し。
MET会長夫妻が、鷹野に思い入れがったのも、謎だし(単に、行方井不明の息子と同い年というだけ? てっきり血のつがなりがあるのかと思った)。
五十嵐議員の友人がたまたま日本にいたり、たまたまCNOX反対派だったりというのは、とんとん拍子過ぎるかも。
丹田秘書が、五十嵐議員を裏切ったけど、自分も追われる身になって、五十嵐議員の部屋の物置に隠れてベソかいてる様子は、可愛かったです(笑)
最後、鷹野と田岡と優の3人で話してる様子は、ルパン三世のようだった(笑)
あと、結局、優の面倒を見ているあたり、鷹野は別に女性を憎んでないのでは?
凄く面白かったけど、「ん? これって伏線じゃなかったの?」って思うところが多くて、気になる作品でした。
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