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■ 実はみんな失敗です。
今日は学生の健康診断。
学生も教員も気にしてるのがツ反。 今年からツ反が必須になったんだけど 皮内注をするのは教員。 全員かつては茄子だったわけだけど 現場は長らく離れてるし だいたい今時皮内注をする事も少ない。 抗生剤のテストは 医者が勝手にやってたし。
他の教員は自分たちのブランクを思って 3月のうちに練習してたらしい。 私は臨床7年間、皮内注の経験はゼロ。 しかも事前の練習もしてない。 と言う事は、私がいちばんヘタクソ。 ツ反は午後からで私は人知れずドキドキと 頭の中で皮内注のイメージトレーニングを グルグル繰り返しながら過ごす。
レギュラーコースの教員がバタバタしてる。 洩れてくる話では、採血後の学生が 自分の血を見て気分が悪くなったのか 倒れて意識がなくて血圧も下がって アゴを切ってるらしい。 ・・・情けなさすぎる。 結局救急車が呼ばれて病院送り。
私が学生の時も肝炎か何かの採血で 気分が悪くなった子はいたけど ぶっ倒れる所まではいってなかった。 気管切開を見た時は5人で行って 2人が最後まで残った。 が、これで驚いてはいけなかった。
昼からのツ反、 注射が怖いといって泣いてる学生がいる。 一同、唖然。 いくらレギュラーコースで若いといっても 高校は出てる18歳以上。 それが何で注射が怖いと泣けるのか。 友達は慰めてたけど 周りからは非常に冷ややかな視線。
「自分が注射が怖いという事は 患者さんの怖さもよくわかる 感受性の強い子だわ」 なんていうつもりはサラサラない。 そんなヤツに恐々注射される患者が気の毒。
へタレ学生を横目で見ながら 自分のクラスのツ反を準備。 1バイアルで100人分。1人分は0.1ml。 少ない量の薬をエアを抜きながら吸って 針の向きをそろえておく。 私の手技の見事な事、と自画自賛。 さすがはケモ病棟育ちで 毎日コンマ2桁まで計算した抗癌剤を チマチマ吸ってた小技が活きてる。
が、皮内注射はさっぱりうまくいかない。 注射にやってきた学生は 「先生の方が臨床のブランク少ないから きっと上手やわ」という至極真っ当な理由で 私が注射する列にずらりと並んでる。 が、信じるものは騙されるのだ。
バイアルから吸う時にゴム栓を穿刺するから 針先は切れなくなっている。 で、患者さんに注射するときは その都度針を新しいのに変えるんだけど 学生相手なのでそこまで準備はナシ。 コストの事もあるのかもしれないけど 道具は切れない針で 慣れないどころかした事がない皮内注。 上手くいく方がおかしい。
かなりの人数が皮下注になる。 皮下注の方が痛みは少ないらしく 学生はニコニコしてるので心が痛む。 判定は2回やるらしいから 今回は力試しやなぁと 口には出せないひどい事を考えながら 皮下注になった子には涼しい顔で 「ふくらみが少ないから印つけとくね」 と堂々とペンでマーキング。 この辺の変な度胸だけはすわってる。 度胸と言うよりは人間として正直じゃない ひどいヤツなのかもしれんけど。 果たしてちゃんと結果が出るんだろうか。
今度の判定日がおそろしい。
2003年04月14日(月)
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